カテゴリー:「取材記事」の記事一覧

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利用者の人生に寄り添って支えていく。NPO法人ささえるから広がる支援の輪

多様化する地域の課題に向き合うために    ケアマネジャーとして大阪で働いていた山田さんが、地元である愛媛県に戻ってきて感じたのは、「空き家と独居高齢者の多さ」だったといいます。ひとり暮らしの高齢者の在宅支援をする中で、ケアマネジャーとしての職務の範疇を超えた「シャドーワーク」の存在に課題を感じていました。 山田洋子さん(以下、山田)「私はケアマネジャーとして、ひとり暮らしの高齢者の在宅支援をしていたのですが、終末期を迎えた際の住まいの処分や財産管理事務、亡くなった後の手続きなどがとても大変だった経験があって。こうした業務を、ケアマネジャーだけが抱え続けていくのはおかしいと...

資金分配団体(通常枠・緊急枠)への応募を検討している方へ 申請前に確認しておきたいチェックポイント―後編:準備する–

資金分配団体(通常枠・緊急枠)への申請を検討いただいている方に向けて、押さえておきたいチェックポイントをまとめました。後編では、申請にあたって具体的にどんな準備をすればいいのかをお伝えします。(前編はこちら) ※本記事は、2025年10月時点の情報に基づき作成しています。最新の情報については、最新の公募要領をご確認ください (休眠預金活用プラットフォーム|公募・申請) 後編では、⑦〜⑩のポイントについて解説します。 ⑦社会課題へのアプローチ方法は明確か(事業計画書)  事業計画書をはじめとした申請書類は審査員へのメッセージです。みなさんの思いやプランをしっかり伝えられるように、入念に...

ICT×早期介入で社会問題の連鎖を防ぐ。 REEP財団がつくる支援の仕組み

“ミスマッチ”が多かった支援の仕組みを変えるために    加藤さんが、REEP財団の前身となる社団法人を立ち上げたのは、東日本大震災がきっかけでした。何か自分にできることがないかと被災地に向かい、社会起業家の支援を行っていた加藤さんは、活動を通してある課題を発見します。 加藤徹生さん(以下、加藤)「東日本大震災での支援活動を通して、資金の出し手と受け手の間の“ミスマッチ”を実感したんです。例えば、特定の分野には寄付が集まるけれど、他の分野は資金が足りないというように、現場で活動する団体のニーズと資金の流れをうまく結びつけるための仕組みがまだできていなかった。こうした問題に取...

資金分配団体(通常枠・緊急枠)への応募を検討している方へ 申請前に確認しておきたいチェックポイント―前編:検討する–

資金分配団体(通常枠・緊急枠)への申請を検討いただいている方に向けて、押さえておきたいチェックポイントをまとめました。まずはあなたの実現したいことと休眠預金等活用制度の目指す姿が一致しているのか、どんな形で申請するのが良いか、このチェックリストを参考に、確認していきましょう。 ※本記事は、2025年10月時点の情報に基づき作成しています。最新の情報については、最新の公募要領をご確認ください。 (休眠預金活用プラットフォーム|公募・申請) 前編では、①〜⑥のポイントについて解説します。まずは申請を検討している段階で、確認いただけるとよい項目です。 ①休眠預金等活用制度の趣旨と合致しているか&nb...

医療を届ける新しい仕組み──能登半島地震から始まった「ヘルスケアMaaS事業」とDC-CATの挑戦

少子高齢化が進む日本において、特に高齢化が顕著な過疎地域の医療・ケアへのアクセスをどう実現していくかは大きな課題です。一般社団法人コミュニティヘルス研究機構は、2024年の能登半島地震に際し、被災地支援の一環として、医療・ケア専門職によるチーム「DC-CAT」を立ち上げ、支援活動を実施。2023年度の休眠預金活用事業(緊急枠、資金分配団体:特定非営利活動法人エティック)に採択され、被災によって医療・保健サービスにアクセスできない住民の「受療機会の担保」などを目的に新たな事業を立ち上げました。今回は、機構長・理事長の山岸暁美さんに、被災地での取り組みと地域への引き継ぎを前提とした支援のあり方など...

リスクマネジメントが組織を強くする。法務のプロフェッショナル・BLP-Networkが描く支援のかたち

BLP-Networkは、企業法務に関わる弁護士など、法務のプロフェッショナルが連携して、社会課題に取り組む企業やNPOを支援する団体です。2012年に任意団体として発足し、2023年7月に任意団体とは別に一般社団法人を設立。NPOなどの支援を志す弁護士とのマッチングやネットワークづくり、団体向けの研修・情報発信など、さまざまな活動に取り組んでいます。2023年度の休眠預金活用事業の活動支援団体に選定され、「リスクマネジメントに基づく運営・支援体制の確立」事業を実施。両団体で代表および代表理事を務める鬼澤秀昌さんに、活動の意義や今回の支援内容について伺いました。  はじまりは、社会課題解決に関...

全国対象事業 石川県

組織基盤を強化する「かなめびと」を育成。ボランタリーネイバーズの伴走型サポート

NPOや市民活動団体などが地域課題の解決に取り組む中で、活動を持続・拡大するためには適切な事務局体制やガバナンスが欠かせません。しかし、2019年度から休眠預金等を活用した助成事業が展開される中、助成先団体の多くで組織運営上の課題を抱えていることが明らかになっています。「活動支援団体」は、こうした団体が抱える事業や組織の課題を解決するために、専門的なアドバイスや伴走支援を行う存在です。(「活動支援団体とは」) 2023年度に活動支援団体として選定されたNPO法人ボランタリーネイバーズは、2024年度に3つの支援対象団体に対して「かなめびと(組織コアスタッフ)育成による組織基盤強化」と銘打ったサ...

誰にも言えない悩みに応える仕組みを。子育て中の親に寄り添う、オヤモコモの支援のかたち

株式会社オヤモコモは、佐賀県佐賀市を中心に、鳥栖市や福岡県久留米市などの親子を対象に、交流イベントや母親の起業支援などに取り組んでいます。産後に悩みを抱えたり、孤立したりしがちな親たちを支援したい——そんな思いから2012年に設立されました。2023年度の休眠預金活用事業(緊急枠、資金分配団体:一般財団法人ちくご川コミュニティ財団)に採択され、「もっと気軽に悩みを打ち明けられる仕組みを」との願いを込めて、オンライン双方向型情報サービス「みてるよ」の運営事業をスタート。今回は、代表取締役の山下千春さんに、活動の背景や事業の広がりなどについて伺いました。  母親たちの孤立は、社会課題。つ...

助け合いの力で広がる支援の輪。地域全体で取り組むフードバンクふじさわの活動

フードバンク活動とは、品質には問題がないのに包装の破損や過剰在庫、印字ミスなどで流通に出すことができない食品を企業などが寄贈し、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供する取り組みのことです。生活困窮者への支援とともに食品ロス削減にもつながる活動として、ここ数年で注目が高まっています。今回は、2023年度緊急枠に採択された「フードバンクふじさわ等冷凍食品物流・保管機能の強化支援事業」の実行団体「認定NPO法人ぐるーぷ藤」をはじめとする関連団体・組織の方々に集まっていただき、これまでの取り組みや今後の展望について伺いました。 コロナ禍での困窮者支援に立ち上がった、地域福祉の草の根活動メンバ...

世界でも日本でも、当事者に伴走する。「取り残されている問題」に挑むアクセプト・インターナショナルの支援

コロナ禍による入国規制の解除後、日本で難民認定を申請する外国人が増えています。申請中で在留資格のない外国人は就労できず、公的支援も受けられないため、生活が困窮し、精神的にも追い詰められる傾向にあります。こうした難民認定申請者や非正規滞在者を支援するため、2023年度の休眠預金活用事業(緊急支援枠、資金分配団体:NPO法人青少年自立援助センター)による緊急人道支援を行っているのがNPO法人アクセプト・インターナショナルです。同団体は国内外で紛争や人道危機、社会的排除などの問題解決に取り組んでいます。今回は、団体の活動やその背景などについて、代表理事の永井陽右さん、国内事業局 局長の吉野京子さんを...

子どもも大人も集まる第三の居場所「みんなの秘密基地」が目指す、“ありのままの自分”を大切にするコミュニティづくり

学校に行きづらさや家庭に居づらさを感じている子どもたちに、安心して過ごすことができる“居場所”を提供しているのが北海道砂川市にある「みんなの秘密基地」です。21年度通常枠の実行団体(資金分配団体:認定NPO法人カタリバ)として、ユースセンターを立ち上げ、子どもたちが安心して時間を過ごせる居場所の提供のほか、フリースクールの運営などを行っています。最近は、同じ悩みを持つ大人同士がつながるお茶会の開催など活動の幅も広がり、子どもも大人も集う地域の居場所に変化しつつあるそうです。今回は、「みんなの秘密基地」を運営するNPO法人「みんなの」 代表理事である望月亜希子さんに、活動のきっかけやこれまでの取...

バリアをなくし、共に生きる。千葉盲ろう者友の会がつなぐ、支援の輪

「盲ろう者」とは目(視覚)と耳(聴覚)の両方に障害を併せ持つ人のこと。厚生労働省の調査によると、その人数は全国に1万4千人ほどと推定されています。視覚と聴覚に障害があると、日常生活においてさまざまな困難が生じますが、そうした盲ろう者の自立と社会参加を目指して活動しているのが全国各地の「盲ろう者友の会」です。今回は、2021年度通常枠に採択された「NPO法人千葉盲ろう者友の会」(資金分配団体:社会福祉法人全国盲ろう者協会)を訪問。同会の活動や課題、今後の展望についてお話をうかがいました。インタビューに答えていただいたのは、ご自身も盲ろう者である理事長の加藤清道さん、事務局の田中幾子さん、奥村由貴...

経済的困難を抱える子どもの選択肢を広げる。「チョイふる」が取り組む、子どもたちの居場所づくり

東京都足立区で、地域から孤立している生活困窮子育て家庭に対し、食糧支援や「子ども食堂」の運営などを行っている一般社団法人チョイふる。“生まれ育った環境に関わらず、全ての子ども達が将来に希望を持てるchoice-fulな社会を実現する”ことを目的に、活動しています。2022年に採択された休眠預金活用事業(緊急支援枠、資金分配団体:特定非営利活動法人Learning for All)では、居場所事業「あだちキッズカフェ」の拡充に取り組んできました。今回は、代表理事の栗野泰成さんと、居場所事業を担当している井野瀬優子さんに、団体の活動についてお話を伺いました。” 代表理事の原体験が、チョ...

「にじいろほっかいどうによるLGBTQ+の孤立解消に向けた取り組み」リポート|JANPIA|インターン生 活動日誌

2023年3月よりJANPIAで活動を始めたインターン生の「活動日誌」を発信していきます。第3回は、22年度通常枠の実行団体である一般社団法人にじいろほっかいどう(資金分配団体:認定NPO法人北海道NPOファンド)の取り組みについてのリポートです! JANPIAインターン生のSです。今回は北海道で活動する一般社団法人にじいろほっかいどうさんを取材させて頂きました。インタビューに応じて下さったのは、理事長の国見亮佑(くにみ りょうすけ)さん、副理事長のたかしさん、事務局長の真田陽(さなだ あさひ)さんの3名です。取材を通じて、団体設立のきっかけや、現在の活動内容まで詳しくお聞きしてきました! 1...

人権を守るために福祉を充実させる。富田林市人権協議会が取り組む「I♡新小校区福祉プロジェクト」

大阪府富田林市を拠点に、差別のない人権尊重のまちづくりの実現に向けて活動する「一般社団法人富田林市人権協議会」。時代の移り変わりから、地域コミュニティの低下が懸念されている昨今。2019年度の休眠預金活用事業(通常枠)では、「オープンなつながりでコミュニティをつなぎ直す」をテーマに、集いの場・居場所づくりや地域有償ボランティアシステムづくりなどに取り組みました。2022年度に採択された事業では、子ども食堂や居場所づくりをサポートしています。 今回は、同団体事務局長の長橋淳美さんにこれらの取り組みについてお話を伺いました。” 活動を始めたきっかけとは 富田林市人権協議会は、1984年...

「長野県社会福祉協議会による社会的養護出身の若者を支える取り組み」リポート|JANPIA|インターン生 活動日誌|

2023年3月よりJANPIAで活動を始めたインターン生の「活動日誌」を発信していきます。第2回は、21年度通常枠の実行団体である社会福祉法人 長野県社会福祉協議会〈コンソーシアム申請〉(資金分配団体:公益財団法人長野県みらい基金)の取り組みについてのリポートです! JANPIAにてインターン生として活動しているSです。今回は長野県社会福祉協議会にお邪魔し、社会的養護の取組についてお話を伺ってきました。その内容をレポートします。 1. 長野県社会福祉協議会とは 長野県社会福祉協議会(以後、長野県社協)は、昭和26年(1951年)に設立された団体で、長野県における社会事業や社会福祉を目的とする事...

地域と家族がシームレスに寄り添う空間を。「手賀沼まんだら」が目指す、これからの子育ての形

千葉県北部の柏市、我孫子市、白井市、印西市などにまたがる湖沼・手賀沼。ここをフィールドに、地域の人々がつながり、縁をつくるコミュニティを運営しているのが「手賀沼まんだら」です。2019年の設立以来、イベントや場づくりに取り組んでおり、2020年と2022年度の休眠預金活用事業(コロナ枠)を活用したことで、コミュニティプレイスの創出や共食プロジェクトなど、さらに活動の場を広げてきました。今回は、「子ども」と「地域」をキーワードにはじまったという団体の取り組みや、設立から5年が経過してこそ思う活動のおもしろさ、今後の展望などについて、代表の澤田直子さんにお話を伺います。 子どもが成長して気づいた、...

“地域の活動団体”が一歩を踏み出しやすい土台づくりを。ボランタリーネイバーズが実践する、県を横断したチーム型の伴走支援

中間支援組織として愛知県で活動するNPO法人ボランタリーネイバーズ。同団体は設立より20年間、地域をより良くするために奔走するNPO法人や市民団体の活動を支援してきました。漠然とした不安や課題に多くの活動団体が悩まされた未曾有のコロナ禍。そんな中ボランタリーネイバーズが2020年度緊急支援枠の実行団体(資金分配団体:READYFOR株式会社 )として実施したのは、活動団体の課題を言語化する勉強会の開催や、専門家や県外の中間支援組織と協働したチーム型の伴走支援でした。一体どんな取り組みだったのか? 理事長の中尾さゆりさん、理事・事務局長の遠山涼子さんにお話を伺いました。[コロナ枠の成果を探るNo...

地域とのつながりをいかした若者支援 ~「いっぽの会」が目指す地域共生社会とは~

千葉県柏市内に、二十歳前後の若者が「おばあちゃんち」と呼ぶ家があります。一般社団法人いっぽの会が、2020年度の休眠預金活用事業(通常枠)を活用し、2022年8月に社会的養護のもとで育った若者たちや、様々な理由で家族と一緒に住めない方のための「若者応援ハウス」をオープンしました。共同生活を送りながら、スタッフや地域の方と交流することで、自立に向けての一歩を踏み出しています。今回、この若者応援ハウスを訪れ、開設するに至った経緯や入居している若者の様子、活動の今後の展望などについて運営メンバーの皆さんに伺いました。 若者応援ハウス立ち上げの経緯 いっぽの会の代表理事の久保田尚美さんは、児童自立援助...

健やかに成長してほしい―「子どもの居場所」の運営に込められた思い | 第三者評価関連記事②

学校帰りや週末に地元の子どもたちが三々五々集まり、一緒に食事をしたり、遊んだり、宿題をしたりしながら思い思いに過ごす「子どもの居場所」。地域により活動の内容はさまざまですが、子どもたちが年齢を超えて交流し、大人と触れ合い、さまざまな経験を重ねて健やかに成長してほしいという運営者たちの願いは同じです。2019年度の休眠預金を活用した「こども食堂サポート機能設置事業」(資金分配団体:一般社団法人全国食支援活動協力会)の支援を受け、一般社団法人コミュニティシンクタンク北九州と社会福祉法人那覇市社会福祉協議会が物資の供給や助成金の情報提供、ネットワーク化支援などを行っている居場所の中から9カ所を取り上...

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