休眠預金活用事業 研究会2025|活動経過報告
全国対象事業
資金分配団体と指定活用団体であるJANPIAが、よりよい休眠預金活用事業の実現に向けて、事業の成果・効果検証等を共に行う「研究会」。ここでは、2025年度に実施した研究会の活動を紹介します。
研究会とは?
2019年度の資金分配団体(22団体)の代表者とJANPIAの役員との意見交換会(2020年度末開催)において、「業務改善の必要性」が明らかになったことを契機に、資金分配団体と指定活用団体であるJANPIAが共に業務改善に取り組むプロジェクトチームが発足しました。2021年度から本格的に取り組みが始まり、2023年度には、5年後見直しの法改正に向けて、3つのチーム(出資プロジェクトチーム、団体の基盤強化等に関するチーム、評価の在り方検討チーム)で議論が行われました。また、助成期間中に土地・建物を取得した事業の成果・効果検証を行う「不動産研究会」の活動も開始しました。2024年度は、この不動産研究会に加え、業務改善の次の段階として新たに「休眠預金評価研究チーム」と「人材育成研究会(Social Bridge Lab.)」を発足し、資金分配団体と共にさらなる改善に向けた取り組みを進めました。
内閣府休眠預金等交付金活用推進基本計画 (PDF)[外部リンク]
2025年度の動き
2025年度は、不動産研究会、評価研究チーム、Social Bridge Lab.の3つの研究会において活動を実施しました。これまでの議論や調査で得られた知見をさらに深めるとともに、報告書の作成や実践事例の共有、調査結果の分析など、成果の整理と発信に向けた取り組みを進めました。
| 〈参加20団体(五十音順)〉 NPO法人ACOBA / NPO法人ETIC. / 一般社団法人KISA2隊 / READYFOR株式会社 / 特定非営利活動法人困窮者支援ネットワーク / 公益財団法人佐賀未来創造基金 / 公益財団法人泉北のまちと暮らしを考える財団 / 認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ / 一般財団法人ちくご川コミュニティ財団 / 公益財団法人ちばのWA地域づくり基金 / 中国5県休眠預金等活用コンソーシアム(公益財団法人とっとり県民活動活性化センター) / 公益財団法人長野県みらい基金 / 公益財団法人パブリックリソース財団 / 公益財団法人東近江三方よし基金 / 特定非営利活動法人ひろしまNPOセンター / 認定NPO法人北海道NPOファンド / 有限責任事業組合まちとしごと総合研究所 / 一般財団法人リープ共創基金(REEP財団) / プラスソーシャルインベストメント株式会社 |
研究会の活動目的は以下の通りです。
| ■不動産研究会 |
| 活動拠点など、建物等の不動産取得に対し助成金を充てることの妥当性や、事業目的に適った活用が行われていたのか等を様々な観点から効果検証します。有効性が確認できた事例や手法を調査によって明らかにしていくことを目指します。 |
| ■休眠預金評価研究チーム |
| 2022年度より検討を重ねてきた「評価の本質」を実践につなげるため、2025年度は実行団体の評価の質向上をテーマに、資金分配団体等による評価の伴走支援についての事例共有や議論を実施しました。評価を事業改善や学びにつなげるための支援の在り方について整理し、評価に関するヒントやアイデアの蓄積を図ります。 |
| ■人材育成研究会 (Social Bridge Lab. ) |
| ソーシャルセクターにおける担い手(人材)をどのように確保し育成していくのかをテーマに、様々な関係者との議論や調査を通して、課題を整理し、解決に向けた方法や連携の形などを明らかにします。 |
各研究会の取り組みについて
不動産研究会
■開催のきっかけ・今年度の目的
2019年度以降、休眠預金活用事業では、行政や既存の制度の枠組みでは十分に対応できなかった領域において、創意工夫を凝らした支援プログラムが社会実験的に実装されてきました。不動産取得については、能登半島地震の被災地域で活動する団体から復興・復旧に向けた活動拠点の確保・整備に関する要請も寄せられており、新たな支援ニーズへの対応という視点から検討の必要性が高まっています。
本研究会では、これまで将来にわたり団体の資産として残っていく建物等の不動産取得に助成金を充てた事業を対象に、助成の妥当性や、事業目的との整合性について、様々な観点から効果検証を行います。有効性が確認された事例や手法、また成果につながらなかった要因について、アンケート調査や現地視察により明らかにすることを目的としています。
2025年度は資金分配団体と実行団体に行ったアンケートや、専門家へのヒアリング、プロボノを活用した現地視察を踏まえて、調査報告をまとめていくことを目標としました。
■活動報告・内容
有志メンバーによる全3回の研究会を開催しました。
研究会では、2023年度末に実施したアンケート調査や2024年度に実施した現地視察の結果を踏まえて、不動産取得に関する調査報告書の取りまとめを進めました。研究会では、成果報告書の章立てや記載内容について、意見交換を行い、助成金での不動産取得の成果や課題について検討を重ねました。
■今後の方向性・活動に向けて
アンケート調査や専門家へのヒアリング、現地視察を通じて明らかになった成果と課題を整理し、調査報告としてまとめる予定です。
休眠預金評価研究チーム
■開催のきっかけ・今年度の目的
業務改善プロジェクトチームの評価チームとして、2020年度から評価に関する改善に向けた議論を進めてきました。 2025年度は、2022年度から検討を重ねてきた「評価の本質」を実践につなげるため、実行団体の評価の質向上をテーマに、資金分配団体等による評価の伴走支援についての事例共有や議論を実施しました。評価を事業改善や学びにつなげるための支援の在り方について整理し、評価に関するヒントやアイデアの蓄積を図りました。
■活動報告・内容
JANPIA評価アドバイザーの今田克司氏のファシリテーションのもと、全3回のピアラーニング会、全3回の会合、休眠預金活用事業ギャザリング2025(以降、ギャザリング2025)での発表・意見交換を実施しました。
ピアラーニング会では、資金分配団体自身の評価や実行団体の評価に取り組む中で得られた気づきや課題を共有し、互いの実践から学び合いました。また、評価専門家や評価アドバイザー、実行団体との対談も実施し、多様な視点から評価について考える機会を設けました。
会合では、資金分配団体による実行団体への評価の伴走支援をテーマに、各団体の実践事例や工夫、気づきを共有しながら、効果的な伴走支援のあり方について議論を深めました。また、評価ハンドブックの活用・改善に関する意見交換に加え、評価専門家である中谷美南子氏による講義を実施し、発展的評価のアプローチや、評価専門家として関わる際に大切にしている視点について学びました。
ギャザリング2025では、多くの資金分配団体のPOも参加し、評価研究会メンバーによる実行団体への評価の伴走支援の実践事例や評価ツールの紹介を通じて意見交換を行いました。実行団体とのコミュニケーションの取り方や評価の目的・計画、評価結果の活用方法に加え、評価ツールの活用・改善、アンケート設計やジャーニーマップの活用など、多様なテーマについて学びや気づきが共有されました。また、他団体の工夫から得られる学びや、資金分配団体同士がつながることによる価値創造についても活発な議論が行われました。

■今後の方向性・活動に向けて
今後も評価に関心の高い資金分配団体の有志メンバーと学び合いを深めるとともに、必要に応じて専門家を招いた意見交換などを実施し、学びと情報交換の場を継続していきます。具体的には、先行団体の評価の取り組み事例や工夫を共有する活動を継続するとともに、活動を通じて得られた知見をギャザリング等で発信し、他の資金分配団体との共有を図っていく予定です。
Social Bridge Lab.
■開催のきっかけ・今年度の目的
『プライベートセクターからソーシャルセクターへの人材の橋渡し(ブリッジを架ける)、その橋を多くの人が渡れる状況をつくっていくプロジェクト』と題し、社会課題を解決するために不可欠な「担い手(人材)」をどのように確し、育成していくかについて、関係者や専門家と共に議論し解決策を探ります。
2025年度は、ソーシャルセクターとの関わり方や、そこに至るプロセスを整理・可視化する情報提供ツール「機会マップ」の作成に向けた検討の一環として資金分配団体・実行団体および活動支援団体・支援対象団体を対象にアンケート調査を実施しました。アンケートの作成にあたっては、関係者とともに研究会のメンバーによって把握すべき視点や項目について検討を行いました。
■活動報告・内容
2025年度は全4回の研究会を開催し、ギャザリング2025での発表を行いました。
実施したアンケート調査からは、ソーシャルセクターとの関わりが、災害体験などの個人的な原体験に大きく影響を受けている実態が明らかになりました。一方で、副業・兼業の広がりなど社会環境の変化を踏まえ、原体験に依存しない関わりの入口の設計や、若い世代における新たな関わり方の可能性についても議論を深めました。
また、ギャザリング2025でもアンケート結果の共有や、多くの資金分配団体が参加する形で意見交換が実施されました。

■今後の方向性・活動に向けて
今後は、ソーシャルセクターとの関わりにくさについて、個人の動機だけでなく、関わる機会やソーシャルセクターの価値が可視化されにくい構造的な要因にも目を向けながら議論を深めていきます。また、原体験以外の要素も含めた関わりの入口や、多様で段階的な関わり方について検討を進めるとともに、ソーシャルセクターで育まれる力や、その魅力・価値の言語化にも取り組んでいきます。
具体的には、若い世代を対象としたアンケート調査の実施も検討しながら、定期的なミーティングを通じて議論を継続し、ソーシャルセクターとの新たな関わり方の可能性を探っていく予定です。