東京で初開催!大盛況に終わった団体と企業のマッチング会の様子をレポート
東京都
JANPIA主催のイベント「東京マッチング会 ~休眠預金活用団体(NPO等)× 企業で社会的インパクトを!~」が、2025年11月14日(金)に東京・日比谷にて対面開催されました。マッチング会は社会課題の解決促進に向け、休眠預金活用事業に参画する団体と企業の連携・協働を実現する目的で始まり、今回で5回目の開催となります。企業33社、資金分配団体24団体、実行団体20団体から合計145名が参加し、大盛況に終わったイベントの様子をお伝えします。
<プログラム>
| 14:00~ | オープニングセッション:JANPIA、経団連 開会の挨拶、休眠預金活用事業の概要、本日のプログラムの紹介 |
| 14:25~ | 第1部:休眠預金活用団体(資金分配団体)によるプレゼンテーション |
| 15:25~ | 第2部:ポスターセッション |
| 16:30~ | 第3部:対話セッション |
| 17:00 | 閉会 |
今年はマッチング促進に向けた新しい取り組みも
イベントはオープニングセッションから始まり、まずはJANPIA理事長の二宮雅也が登壇し、挨拶をしました。休眠預金活用事業によるこれまでの成果を振り返りつつ、マッチングイベントの意義を改めて説明。企業のイノベーション力と市民社会の解決力を掛け合わせた連携は、SDGsの達成を後押しする日本ならではのユニークなモデルになると語りました。また、今回のマッチング会ではこれまでとプログラムの内容を変えたことを紹介。前回までは、実行団体が企業に対してプレゼンテーションを行っていましたが、今回は複数の実行団体を代表する立場として、資金分配団体がプレゼンテーションを実施することで、より幅広い連携ニーズについて企業に伝えられるような場を目指していると述べました。

続いて、日本経済団体連合会 常務理事 長谷川知子氏が挨拶しました。長谷川氏は深刻かつ複雑化する社会課題を解決するには、民間の果たす役割がますます重要になっていることに触れ、企業と民間団体の連携による相乗効果に期待を寄せました。

最後にJANPIA助成事業部長の内田淳が登壇し、休眠預金活用事業の概要と当日のプログラムについて説明しました。今回のマッチング会では、資金分配団体による連携ニーズのプレゼンテーションに加え、団体側から企業へアプローチできる「対話セッション」なども設けて、これらのプログラムを通じて活発な意見交換と多くの連携が生まれることを期待していると述べ、オープニングセッションを締めくくりました。

資金分配団体がプレゼンテーションで想いを語る
第1部では、3つの部屋に分かれて、資金分配団体によるプレゼンテーションが行われました。登壇した資金分配団体は、以下の通りです(順不同)。
| ・認定特定非営利活動法人 全国こども食堂支援センター・むすびえ ・公益社団法人 日本フィランソロピー協会 ・特定非営利活動法人 みんなのコード ・一般社団法人 全国フードバンク推進協議会 ・株式会社 キズキ ・認定特定非営利活動法人 ジャパン・プラットフォーム ・一般社団法人 グラミン日本 ・公益財団法人 日本国際交流センター ・認定特定非営利活動法人 キッズドア ・一般社団法人 ソーシャル・イノベーション・パートナーズ ・特定非営利活動法人 サンカクシャ ・公益財団法人 パブリックリソース財団 ・特定非営利活動法人 こどもたちのこどもたちのこどもたちのために ・特定非営利活動法人 新座子育てネットワーク ・特定非営利活動法人 ACOBA ・公益財団法人 長野県みらい基金 ・一般社団法人 居住支援全国ネットワーク ・認定特定非営利活動法人 カタリバ ・一般社団法人 RCF ・公益財団法人 ほくりくみらい基金 ・一般財団法人 里山里海未来財団 |
各資金分配団体がそれぞれの事業概要、パートナーである実行団体の紹介や現時点で抱えている課題、連携ニーズなどについて5分ずつ(複数事業がある団体は7分)発表し、参加企業へアピールしました。団体が抱える課題は、事業展開に向けたリソースや人材不足、物品や運営財源の確保などさまざまです。また、広報活動のノウハウ不足やICT化の整備を課題として挙げている団体もありました。加えて、企業に対して提供できるネットワークやノウハウなどの共有がありました。




企業の方からは、「プレゼンテーションを拝見し、各団体の取り組みへの理解が深まりました。また今回参加したことで、企業として団体を支援するだけでなく、休眠預金を活用した事業への応募にも関心を持つようになりました」という声や、「今日参加している団体だけでも、休眠預金を活用した事業が相当数あり、多くの困っている方の力になっているのだと実感できました」などの感想をいただきました。
また、実際にプレゼンテーションを行った団体からは「実行団体は全国各地にいらっしゃるので、遠方の方はなかなか東京まで来ることができません。その代わりに調整役である資金分配団体が思いを伝える機会をいただけたので、大変助かりました」といった声がありました。さらに「今回はどのような連携の形があるのか、企業の方に向けて具体的に説明させてもらいました。どのように支援すればよいか迷う企業の皆さんにとって少しでも参考になったらうれしいです」などの感想も。また発表の中で、実行団体のメンバーにも登場してもらい、より具体的なニーズについて話す時間を設けるなど、伝え方を工夫している資金分配団体も見られました。
より深く交流できる「ポスターセッション」
第2部の「ポスターセッション」では、団体ごとに活動を紹介するポスターや資料を掲示したブースを設置。企業はプレゼンテーションを聞いて気になった団体のブースを訪れ、より詳しく話を聞くことができます。




開始と同時に、さっそく対話が生まれ、会場は瞬く間に熱気に包まれました。なかには人だかりができているブースや、名刺交換を求める人で長い列ができている団体も。第1部のプレゼンテーションでは紹介し切れなかった事業の内容や連携ニーズについて説明したり、社会課題について意見や情報を交換したりと、お互いへの理解が深まるコミュニケーションの場となりました。
参加した企業の方からは「実際に話してみると、私たちの実現したいことと考えが近く、大変参考になりました。プレゼンテーションだけでは分からなかった部分を、対話を通じて詳しく知ることができたのでよかったです」といった好評の声がありました。また、金融機関の方からは「今回参加したことで民間団体が金融機関に求めることを知ることができて参考になりました。これから社会貢献活動として民間団体とつながりを持ちたいと思っているので、今後に生かしていきたいです」といった前向きなコメントもいただきました。
一方、資金分配団体からは「これから支援を行う実行団体に対しては、どのような方向性で支援を進めるべきか悩んでおりました。今回企業と直接お話しし、幅広く可能性を提示してもらったことで、次のアクションの参考になりました」といった声のほか、「実行団体にも参加してもらったので、企業との対話も説得力あるものになり、非常に有意義な時間になりました」という感想も。なかには具体的な支援まで話が進んでいる企業・団体もあり、今後の連携に向けて期待が膨らみます。
団体から企業へアプローチできる機会も
第3部は、団体側から企業へアプローチができる「対話セッション」です。今度は、企業ごとのテーブルが用意され、団体の方から気になる企業のテーブルを訪問します。また全企業のテーブルに「レターボックス」が置かれ、当日は時間がなくて対話できなかった企業に向けて、団体の資料や名刺を投函することができます。ポスターセッションでの熱量そのままに、熱心に意見交換をする様子が会場のいたるところで見られました。



対話セッションについて、団体からは「プレゼンテーションでは伝えきれない部分もあったので、こちらからアプローチする機会が設けられていたのは大変助かりました。事前に参加する企業の情報もいただいていたので、計画的にお声がけでき、有意義な時間を過ごせたように思います」といった声がありました。今回のマッチング会では、相互理解を重視したプログラムとしたことで、より活発な対話が生まれたように感じられました。
連携を実現したい企業と団体がマッチングした場合、 JANPIAは資金分配団体と連携しながら関係構築や進捗の確認などのサポートを実施していきます。マッチング会後も継続的に対話を重ね、より良い連携が生まれることが期待されます。
