活動報告

休プラ編集部

休眠預金活用事業 研究会2024|活動経過報告

休眠預金活用事業 研究会2024|活動経過報告

資金分配団体と指定活用団体であるJANPIAが、よりよい休眠預金活用事業の実現に向けて、事業の成果・効果検証等を共に行う「研究会」。ここでは、2024年度に実施した研究会の活動を紹介します。

研究会とは?

2019年度の資金分配団体(22団体)の代表者とJANPIAの役員との意見交換会(2020年度末開催)において、「業務改善の必要性」が明らかになったことを契機に、資金分配団体と指定活用団体であるJANPIAが共に業務改善に取り組むプロジェクトチームが発足しました。2021年度より本格的に取り組みが始まり、2023年度には、5年後見直しの法改正に向けて、3つのチーム(出資プロジェクトチーム、団体の基盤強化等に関するチーム、評価の在り方検討チーム)で議論が行われました。また、助成期間中に土地・建物を取得した事業の成果・効果検証を行う「不動産研究会」の活動も開始しました。2024年度は、この不動産研究会に加え、業務改善の次の段階として新たに「休眠預金評価研究チーム」と「人材育成研究会」を発足し、資金分配団体と共にさらなる改善に向けた取り組みを進めました。 

業務改善PT2023|活動経過報告 |

内閣府休眠預金等交付金活用推進基本計画 (PDF)[外部リンク]

2024年度の動き

2024年度は以下の3つの研究会において、事業のさらなる発展へ向けた検討を行いました。新たな取り組みへの参画を資金分配団体の皆さまへご参画を呼びかけ、21団体と共に活動を実施しました。 

〈参加21団体(五十音順)〉 
NPO法人ACOBA /NPO法人ETIC. /特定非営利活動法人こどもたちのこどもたちのこどもたちのために/ 特定非営利活動法人困窮者支援ネットワーク /公益財団法人佐賀未来創造基金 /セイエン /認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ/ 公益財団法人泉北のまちと暮らしを考える財団 /一般財団法人ちくご川コミュニティ財団 /中国5県休眠預金等活用コンソーシアム(公益財団法人 とっとり県民活動活性化センター)/ 公益財団法人 長野県みらい基金 /一般社団法人 日本シングルマザー支援協会/ 公益財団法人パブリックリソース財団 /公益財団法人東近江三方よし基金 /特定非営利活動法人ひろしまNPOセンター/ プラスソーシャルインベストメント株式会社/ 認定NPO法人北海道NPOファンド /有限責任事業組合まちとしごと総合研究所/ 公益財団法人みらいファンド沖縄 /一般財団法人リープ共創基金(REEP財団)/ READYFOR株式会社 

研究会の活動目的は以下の通りです。

■不動産研究会 
活動拠点など、建物等の不動産取得に対し助成金を充てることの妥当性や、事業目的に叶った活用が行われていたのか等を様々な観点から効果検証します。有効性が確認できた事例や手法を調査によって明らかにしていくことを目指します。
■休眠預金評価研究チーム 
2022年度より検討を重ねてきた「評価の本質」を深めるため、2024年度は実行団体の評価をテーマに、実行団体の評価報告書の読み合わせと、評価の在り方についての議論を実施しました。過年度に引き続き評価の本質について整理し、評価に関するヒントやアイデアの蓄積を図ります。 
■人材育成研究会 
ソーシャルセクターにおける担い手(人材)をどのように確保し育成していくのかをテーマに、様々な関係者との議論や調査を通して、課題を整理し、解決に向けた方法や連携の形などを明らかにします。  

各研究会の取り組みについて

不動産研究会

■開催のきっかけ・今年度の目的
2019年度以降、休眠預金活用事業では、行政や既存の制度の枠組みでは十分に対応できなかった領域において、創意工夫を凝らした支援プログラムが社会実験的に実装化されてきました。不動産取得については、能登半島地震の被災地域で活動する団体から復興・復旧に向けた活動拠点の確保・整備に関する要請も寄せられており、新たな支援ニーズへの対応という視点から検討の必要性が高まっています。
本研究会では、これまで将来にわたり団体の資産として残っていく建物等の不動産取得に助成金を充てた事業を対象に、助成の妥当性や、事業目的との整合性について、様々な観点から効果検証を行います。有効性が確認できたケースや手法、、また成果につながらなかった要因について、アンケート調査や現地視察により明らかにすることを目的としています。
2024年度は資金分配団体と実行団体に行ったアンケートの分析、専門家へのヒアリング、プロボノによる現地視察を実施し、調査報告書のとりまとめを進めました。

■活動報告・内容
有志メンバーによる全7回の検討会と、選定した4か所の現地視察を実施しました。
検討会では、前年度末に実施したアンケート結果を踏まえ、成果報告のとりまとめ方を確認するとともに、視察結果をもとに意見交換を行いました。
現地視察では、アンケートだけでは把握しきれない実際の活用状況を確認するため、プロボノメンバーと共に調査項目の整理や成果報告への提案を行いました。また、災害時における不動産活用の可能性などについて、専門家へのヒアリングも行いました。

■今後の方向性・活動に向けて
アンケート調査や専門家へのヒアリング、現地視察を通じて明らかになった成果と課題を整理し、調査報告としてまとめる予定です。


休眠預金評価研究チーム

■開催のきっかけ・今年度の目的
業務改善プロジェクトチームの評価チームとして、2020年度から評価に関する改善に向けた議論を進めてきました。 2024年度は、「事例からみる評価の本質」をふまえ、実行団体の評価報告書を丁寧に読み解きながら、評価の在り方について議論を行いました。

■活動報告・内容
JANPIA評価アドバイザーの今田克司氏のファシリテーションのもと、全6回の検討会およびPOギャザリングでの発表・意見交換を実施しました。参加メンバーがそれぞれの資金分配団体としての経験を踏まえながら、実行団体の事後評価報告書を精読し、議論を深めました。主な議論の内容としては、評価を活用した資金分配団体と実行団体の関係構築、評価の伴走支援のあり方、実行団体が評価報告で適切に伝えるべき内容(報告書の書き方・見せ方)などです。
POギャザリングでは、多くの資金分配団体のPOにもご参加いただき、実践的な意見交換を行うことが出来ました。

〈POギャザリングでの意見交換の内容(抜粋)〉
・実行団体の評価に伴走する上では、評価に関する知識やノウハウを伝えるだけでなく、多様な実体験から得られた資金分配団体の研ぎ澄まされた感覚をもって対話を重ねながら支援することで、実行団体に多くの学びや理解の機会を提供できるようになるとの意見があった。
・実行団体の現場感覚を大切にしつつ、評価報告書で求められる実行団体の事業の価値や成果を他者に分かりやすく伝えることについての課題感が共有された。
・事後評価報告書を作成するにあたって、実行団体は自団体を主語に受益者の変化を報告することを重視していたが、資金分配団体としては社会課題を主語とし、成果や手段の妥当性を客観的に自己評価して欲しいと考えていたためにズレが生じてしまった事例について共有があった。 ・実行団体が報告書に「含める事項」を網羅する責務を強く感じていたことや、未達のアウトカムがあったことから、事後評価報告書の作成に熱意をもって楽しく取り組むことが出来ていなかったという事例の共有があった。しかし、本来は、地域にもたらした事業の意義や効果を今後の事業でどのように続けていくかという前向きな思考に立って評価することが重要ではないかとの指摘もあった。

■今後の方向性・活動に向けて
今後も評価の本質を深めるため、評価に関心の高い資金分配団体の有志メンバーと議論を深めるとともに、必要に応じて専門家を招き意見交換などを実施し、学びと情報交換の場を継続していきます。具体的には、ピアラーニング(事例共有会)の開催や、実行団体が活用しやすい評価ハンドブックの改訂も着手する予定です。


人材育成研究会

■開催のきっかけ・今年度の目的
『プライベートセクターからソーシャルセクターへの人材の橋渡し(ブリッジを掛ける)、その橋を多くの人が渡れる状況を作っていくプロジェクト』と題し、社会課題を解決するために不可欠な「担い手(人材)」をどのように確保し、育成していくかについて、関係者や専門家と共に議論し解決策を探ります。

■活動報告・内容
2024年度はPOギャザリングで本テーマを取り上げ、研究会メンバーの募集。以降2回の検討会を実施しています。
キックオフミーティングでは、各メンバーの研究会への参加目的や課題について共有を行いました。第2回では、研究会の役割や今後の進め方について議論を行い、「ソーシャルセクターへの橋をどのように渡ってもらうか」、そして「その先にどのような多様な関わり方を提案していくか」といったテーマで意見交換を行いました。また、研究会の名称についても、検討しています。

■今後の方向性・活動に向けて
この研究会が、ソーシャルセクターへ踏み出す人たちにとっての「ナビゲーター(水先案内人)」となることを目指し、情報や課題の整理を進めます。あわせて、この役割を担う仲間を広げていくことも目標としています。


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