成果物レポート

休プラ編集部

『うんなん版産後白書』|産前産後ケアはぐ|成果物レポート

島根県

『うんなん版産後白書』|産前産後ケアはぐ|成果物レポート

休眠預金活用事業の成果物として資金分配団体や実行団体で作成された報告書等をご紹介する「成果物レポート」。今回は、実行団体 産前産後ケアはぐ が発行した白書『うんなん版産後白書』を紹介します。

『うんなん UmuUmu Book』知れば、役立つ!うんなん・おくいずもママの産前産後のリアル

 みなさん日本の妊娠中から産後一年未満の死亡原因の1位は何かご存知ですか?出産時の多量出血?帝王切開の合併症?

・ ・ ・ いいえ、実は自死が1位なんです。

家族みんなが待ちに待って、赤ちゃんが生まれてくる、人生で最良の日となり、これからどんな未来が待っているのか、希望で胸一杯の中、突然ママがいなくなる。こんな悲しいことが、今この瞬間にも起こっています。

自死が死亡原因の1位になるくらい、日本の産前産後の女性は追い詰められています。それは、都会だけではなく地方でも同じです。

 本来、人間は仲間と共同で子育てをする「共同養育」をしていました。ですから、核家族で子育てをするという現代は、これまでの人類の歴史においても、非常に危機的な子育て環境になっています。しかし、産前産後の状況はブラックボックスの様に、なかなか外からは見えてきません。

また、妊娠中の女性やその家族は出産をゴールと感じる人も多く、産前に産後の事を具体的に学ぶ必要性を感じなかったり、学べる機会が少ないので、産後の女性の心と身体の変化や、ケアの必要性について知らないまま育児が始まってしまうことも多々あります。その結果、産後の辛さを周囲に理解してもらえずサポートを受けられなかったり、女性が子育てするものという社会概念から SOSを出せず、無理をしてしまうことで心と身体の回復が遅れ、子育てを辛いと感じたり、産後うつを引き起こす原因の一つとなっています。

 沢山のママが辛い産後を乗り越えてきました。沢山のママが乗り越えてきたのに、産後の大変さって、一時だから声にあげにくかったり、あげる余裕がなかったりして、これまでなかなか声が届きにくい現状がありました。

産後うつだけでなく、乳幼児虐待や産後の夫婦不和など、妊娠中から産後に起因する問題は、個人の問題ではなく社会全体で考えサポートする必要があります。

 今回の UmuUmuBOOK の作成プロジェクトを通して、妊娠中と産後の女性のリアルな声を集め、見える化することで、まずは現状を知ってもらい社会全体で考えるキッカケとなること、また、女性やその家族が、産前から産後のリアルを知る事で、” 妊娠中から知識を学ぶ・産後に向けての準備をする”という行動につながり、出産後も元気に過ごせる女性が増えることを願っています。

 

【事業基礎情報】

実行団体産前産後ケアはぐ
採択助成事業〈2020年度通常枠〉
■地域みんなで産前産後・子育てを応援!!
資金分配団体:公益財団法人 東近江三方よし基金

 

休プラ編集部