【事後評価】困難を抱え孤立する子ども・若者の社会的自立支援事業(READYFOR株式会社)
報告書要約
神奈川県内では不登校やひきこもり等の困難を抱える若者が増加しているが、課題の複雑化や行政支援の縦割り、NPO等との連携不足により、当事者の自立を促す包括的な支援体制が構築されていない。また、社会的な経験不足による孤立の深化や、現場の支援成果‧知見が広く共有される仕組みがないことも課題となっている。 本事業ではこれらの課題に対し、育ちや自立に困難を抱える若者が地域の関係者と連携‧協働した「参加体験型プログラム」に参加することで、社会的自立に向けた行動変容を促すことを目指した。資金分配団体は、評価アドバイザーとの協働を通じて実行団体の「支援価値の言語化」をサポートし、知見は「子どもの社会的自立支援のための事業ノウハウ‧知見集」として事業運営に活用されることを目指した。
● 中⻑期的なアウトカムとして「地域の様々な主体と連携する参加体験型プログラムが実施されることで、地域ぐるみで子ども
‧若者の自信の向上を応援する環境ができている」状態を目指し、短期アウトカムとして、以下の3点を設定した。
○ 子ども‧若者のリソースの変化(地域社会との接点増加と対人関係の広がり)
○ 実行団体の変化(組織基盤の強化、関係機関ネットワークの拡大、事業継続の見通し)
○ 地域社会の変化(実行団体を応援したいと思う人の増加)
● 設定した3つの短期アウトカムは、全5団体において達成された。
○ 子ども‧若者の変化:全団体で社会との接点や対人関係の広がりが確認された。「役割」や「成功体験」を得ることで心
を開き、社会的リソース(多様な機会や関係性)と内面的リソース(自信など)が互いに広げ合う好循環が生まれた。
○ 実行団体の変化:規程類やコンプライアンス体制の整備、人材育成、広報活動等が推進され、企業や関係機関との連携が
増加し組織基盤が強化された。行政や企業との連携を通じ、地域社会への波及効果をもたらす事例も生まれた。
○ 地域社会の変化:各団体の特性に応じ、場所‧物品の提供やボランティア、職場体験の受け入れなど、多様なリソースが
提供され、自立を応援する土壌が広がった。
定量的にも延べ11,093名の子ども‧若者へ参加体験プログラムの機会を提供することができた。
● 成功要因として、無理のない範囲から段階的に機会を提供し⻑期的に寄り添ったこと、基盤整備を通じて外部からの信頼を
獲得したことが挙げられる。一方で、事業規模を拡大する過程では「支援の質の追求と規模の拡大」というジレンマに直面
することが課題として浮き彫りになった。持続的な活動のためには、代表者など特定のスタッフに依存せず、他メンバーや
外部パートナーに「任せる」「頼る」仕組み作りが必要不可欠であるという教訓を得た。
● 資金分配団体は実行団体の伴走支援ニーズに基づき、「政策提言‧行政連携」「資金調達」「居場所の事例」などの外部講
師を招いた勉強会を計5回開催し、具体的な資金獲得や連携のアクションへと繋げた。 また、月次面談等で評価アドバイ
ザーと共に「支援の価値の言語化」に取り組み、支援者自身が自覚していなかった日常の支援の意義や真の価値を浮き彫り
にした。助成金はおおむね適切に活用されたが、計画通りに使いきれない実態も見られ、資金活用前の戦略作りと進捗管理
の重要性が確認された。
● 総括‧提言として、JANPIAや中間支援組織に対し、事業拡大期における「事業フェーズに応じた不足リソースの可視化」と
「特定フェーズにコミットするプロボノ等の人材アサインの仕組み構築」を提言する。この仕組みにより、団体外のリソー
スに「任せる」「頼る」ことが可能となり、事業の持続と拡大の両立に寄与すると考えられる。
引用資料
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