【事後評価】泉北ニュータウンの孤立と地域をつなぐ(泉北のまちとくらしを考える財団)
報告書要約
本事業では、「泉北ニュータウンの孤立と地域をつなぐ」をテーマに3つの実行団体を採択し、3つの実行
団体への伴走支援を通じて、自走型自治モデルを可視化し、このモデルの横展開を図ることによって、中
長期的には「泉北ニュータウンで誰もが安心して暮らせる街へと再生することを目的とした。
3つの実行団体とは 1福祉コミュニティモールの開設を通じて誰もが暮らしやすく住み続けたいと思え
る地域や社会の形成を目的としたワーカーズほーぷ。この事業では用地を取得し「ほーぷカフェ」の建設
を通じて、主に高齢者の居場所づくりに取り組んだ。2不登校の子どもと地域の子どもがゆるやかにつな
がる居場所づくりを目的としたラシーナ。この事業では物件の賃貸により「泉北ベース」の整備を通じて、主
に子どもの居場所づくりに取り組んだ。3孤立を生み出さない、地域の声・困りごとをみんなのアイデアで
解決する関係づくりを目的とした団地ライフラボ。この事業では公社の「茶山台ほけん室」を運営することに
よって活動拠点を確保し、新しい団地の自治型モデルを作り、誰もの居場所づくりに取り組んだ。
資金分配団体は、これらの3実行団体に対する伴走支援の中で、資金的支援としては孤立化の解消に
向けた各種事業・プログラムの効果的、効率的な運営に対する指導助言を実行した。一方、非資金的支
援としては、1活動拠点となる施設や場の計画、設計への助言・指導、2地域のプラットホームとなる実行
会議の構築と運営、3各実行団体の組織強化のために、A 各実行団体の組織運営や事業開発を改善す
るためにロジックモデルの改訂を通じた PDCA サイクルの実行、B 助成金への依存を弱め複数の資金源
を確保するための研修の開催や助言・指導、C.組織運営や事業展開の担い手となる人材の育成に対する
助言・指導、D 各実行団体の活動拠点や事業の認知度を高め、普及を図るための情報戦略の実行である。
以上、本事業から得た成果は、1地域内での活動拠点の重要性である。敷居の低い、地域に開かれた
居場所は、孤立感を解消し、地域住民の暮らしでの安心感を高めることや多様な世代や分野の人々が自
然に交流できることが可能となり、そこから新たな活動や相談が生まれるといった効果が認められ、地域の
主体性を育む上で、活動拠点の整備といったハード事業がまず重要であることが認められた。2地域プラ
ットフォームとしての実行会議の重要性。実行会議は実行団体や資金分配団体を中心に、暮らしに関係
する人材や専門家、行政の多様な部局が参画し、自由に議論することによって、地域課題を発掘・共有し、
重層的な支援が可能となることから、地域のハブ(プラットフォーム)として実行会議の重要性が実証できた。
3複数の資金源・ハイブリッド型収入構造の重要性。助成金に依存せず、事業収入や寄付、行政との連
携によるコミュニティ・ビジネス化など、多様な収入源を組み合わせた「ハイブリッド型」の収入構造とするこ
とが、事業持続上非常に重要であることが認識できた。4担い手の育成。事業継続には、資金面だけでな
く、担い手となる人材の確保と組織体制の強化が重要であり、地域住民に留まらず広域連携や大学生のイ
ンターンシップ制度の活用など、多様な戦略が重要となることが認められた。
最後に残された課題や今後の展望としては、地域のプラットホームである実行会議で発掘された多様な
地域課題を解決するためには、「民」だけでは限界性があり、行政施策と連携できるよう積極的に「政策提
言」につなげること。また、3実行団体の実績や事業展開を通じて、自走型自治モデルを普遍化し、一定
可視化できた。一方、このモデルを他地域に横展開するためには、各実行会議に「暮らしに関係するすべ
ての行政部局」の参画が求められるが、中々理解を得られないといった現状もあり、今後は自走型自治モ
デルに対する行政制度の後押しが求められる。
引用資料
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