【事後評価】地方における学習・能力向上機会の拡充による選択格差の解消(北海道NPOファンド)
報告書要約
地域格差は比較的ゆっくりと進行するため意識されにくいが、北海道最大都市の札幌市でさえ、生産年齢人口割合は、東北最大の仙
台市や九州最大の福岡市よりも低くなることが予想されている。これは端的に経済活動だけでなく社会活動の担い手が東北地方や九
州地方などよりも速く減っていくことを意味しており、地域内で相対的に困窮しているグループへの支援だけでなく、地域を面として
捉えて子育て環境や子ども若者の主体的な育ちの環境について考える必要を示している。
本事業の機会格差は、体験格差や地域格差と関係が密接であるが、とりわけ地域格差は、特定の子どもたちではなく、当該地域全体
に渡り影響する。格差の性質によって、対処も地域全体に関わるものと、経済的に困窮や家庭の事情などによる地域内でさらに取り
残されがちな層への対処に分かれる。本事業は、地域全体に影響しているような格差について解決を目指した。それは、2020 年度当
法人が実施した「子ども若者が主体の持続可能な地域づくり事業」におけるのと同様の課題認識で始まったこの事業においては、自
分の生まれた地域への意識を持ち、地域の担い手たり得るような成長ができる環境を実現することを目指しているからである。この
ような環境づくりのためには、大人たちや学生、他地域の同年代の子どもたちらと共に過ごす時間をつくったり、子どもたちのやり
たいことを実現できるようサポートしたりする継続的な取り組みが必要である。
本事業のうち、コエルワと新冠町商工会においては、参加した子どもが自分の将来について考えたり質問したりするケースが報告さ
れている。本稿において、自らの課題を見つけ自ら解決したり、また地域住民が自らの思いを実現できるような地域社会を目指すた
めには、子どものうちから地域への意識を高め、多様な関係性の中で自己肯定感や自己有用感を高められる環境づくりが長期的に有
効であることが示されるだろう。今後は、活動種別でいうと体験・遊びや読書といった比較的費用をかけずにできる活動とある程度
実績や手法が必要なキャリア教育的要素をいかに組み合わせるか、また子どもたちの孤立・孤独防止に有効な居場所全般の収益性の
低さにどう対処するかを考える必要がある。
引用資料
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