• 公開情報
  • 2021年度

埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県

【事後評価】シングルマザーのデジタル就労支援(グラミン日本)

団体
グラミン日本
種別
資金分配団体
事業
シングルマザーのデジタル就労支援
種別
通常枠(イノベーション企画支援事業)

報告書要約


本報告書では、一般社団法人グラミン日本が休眠預金活用事業の資金分配団体として採択
され、2022年2月から2025年3月まで実施した「シングルマザーのデジタル就労支援事業」
の成果と事後評価をまとめた。本事業は、生活困窮リスクを抱えるシングルマザーに対し、デ
ジタルスキル研修、就労・起業支援、互助コミュニティの形成などを通じて、経済的・社会的・精
神的自立を包括的に支援することを目的として、一都三県において4つの実行団体とともに
展開された。
評価では、プログラム参加者であるシングルマザーの収入や雇用形態の変化、自己肯定感や
孤独感の軽減といった精神的・社会的側面の変化に加え、実行団体の組織基盤の整備状況や
出口戦略の策定状況について分析を行った。評価手法としては、参加者を対象とした統一アン
ケート調査、実行団体へのヒアリング、実行団体から提出された事後評価報告書等を活用し
た。
事業の成果として最も顕著であったのは、精神的・社会的自立の向上である。自己肯定感の
向上や孤独感の解消、新たな働き方への意欲の芽生えなど、前向きな変化が多く見られ、仲間
づくりやマインドセット支援の効果が確認された。また、母親の心理的安定が子どもに好影響
を与えるといった波及効果も観察された。 一方、経済的自立に関しては、収入の向上や雇用
の安定といった成果が一部にとどまり、目標値には至らなかった。これは、スキル習得から就
労成果に至るまでに一定の時間的ギャップがあるためであり、今後の長期的なフォローアップ
の必要性が示唆されている。ただし、副業やフリーランスへの挑戦など、新たな働き方を模索
する動きは肯定的に評価される。実行団体では、スタッフの増員、マニュアル整備、規程の明文
化など、組織基盤の強化が着実に進んだ。また、プログラムの卒業生が後輩シングルマザーを
支援する「支援の循環」が一部の団体で実現され、持続可能な支援体制の構築に貢献してい
る。さらに、企業や行政との連携も強化され、インパクト雇用やアウトソーシングの推進を通じ
た雇用マッチングの創出にもつながった。
本事業は、子ども家庭庁の支援政策への影響や、企業への啓発活動の促進、実行団体間のネ
ットワーク形成といった波及効果も生み出した。グラミン日本の支援モデルが、単なる就労支
援にとどまらず、シングルマザーの成長と社会参画に有効であることが確認されると同時に、
経済的自立に向けた今後の課題も明らかとなった。 本報告書が、今後のシングルマザー支援
の発展や、関係者による取り組みにとって有益な示唆となることが期待される。

引用資料

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