【事後評価】女性の活躍が災害の困難を軽減する地域創り(公益財団法人 地域創造基金さなぶり)
報告書要約
本事業は、2011年3月11日を契機として宮城県仙台市に設立された公益財団法人として、これまで受けてきた支援を念頭に、災害対応・復興対応を担ってきたなかで、現在も頻発する災害発生時の被害をすこしでも軽減するための防災・減災にかかる人材育成事業として、特に女性のリーダーシップ、フェーズフリー、避難所等をキーワードに実施された。
全8地区での育成事業への参加者が397人であり、調査の回答者245人の研修前後で、意識の変化があったという回答が86%あり、特に「災害の実態・避難所運営」、「災害と女性、ジェンダー」に関する変化が大きく示されている。その他、研修後修了者自身がアクションを実施している方は、全体で74%、2件以上5件という方が47%が最も大きく、身近な取組みから避難訓練への関わり等多岐にわたる。女性のリーダーシップといった場合、大きくは行政や地縁組織等の役職につくこと、必ずしも役職の有無にかかわらず実務上の活動をリードするという実態的な部分、双方での力量発揮が期待される。前者においても、129 件の新規の就任の報告があった(重複あり)。
人材育成は大きな柱でありながら、実際に地域にでて、防災・減災に関わる様々なステークホルダーとの関わりを通じて、既にその変化は起きている。地域で防災・減災、特に女性の被害に関するイベントを開催する際に、基礎自治体や防災士会が後援やブース出展等を行う、研修やイベント開催に基礎自治体の担当者も広報や当日運営を手伝ってくれる等もある。そして、各地で避難訓練・防災訓練の内容が変わり、避難所の設営訓練や、災害時の対応訓練等に、女性の視点=更衣室の確保、トイレの課題等の対処、そもそも運営に女性が関与することなどを踏まえたものに変容する。基礎自治体と災害時の支援協定の締結等を通じて、被災者の個別支援が含まれるなど様々な変化が生じている。
本事業を通じて、どのような研修形態、そして研修実施後に一度は個人の立場で地域で防災減災活動を行おうとする修了者へ、どのような支援を実施することでよりアクティブに、より効果的なアクションが広がっていくかという点において、事業の大枠としては仮説の検証ができ、非常に有効な結果を産んでいる。そのなかで、更なる検証が必要ではあるが、今回の人材育成とその後の地域との関わりを深めていくための取り組みにかかる「効果的援助要素」という、各広報や参加者選抜、講座の運営等、細かな部分における有効性が高いと考えられる取組みについての整理もできた。
これらの取組みが、防災・減災における女性の役割が当然のごとく再評価され、各地域の生活圏内防災・減災の対処として活動が広がり、災害発生時に直面する被害が少しでも軽減されることを願ってやまない。
引用資料
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