【事後評価】地方における10代の居場所づくり支援事業(認定特定非営利活動法人カタリバ)
報告書要約
10代はコミュニケーション不足やつながり不足に陥り、孤立しやすいが、社会にはそうした10代やその支え手をサポートする機能が足りていない。特に地方部では、都市と比較して10代と関わるプレイヤーが限られ、学校外での学びの接続機会が相対的に乏しい。こうした地方部における教育格差にアプローチする上でも、各地に担い手が必須が必要である。地方での10代の居場所事業立ち上げは非常に難しいため、教育支援・経営の観点から基盤構築を支援することに取り組んだ。
• 目指すアウトカムは、10代のための居場所を軸とした活動を行う団体のルーブリックを「教育支援」「経営」の観点で作成し、一定の品質の活動を地域で持続的に実施する兆しが見える段階(Lv.3)に到達すること、その過程や結果として受益者に変化が起きることとした。その上で、ルーブリックの各項目に対応する支援内容をアウトプットとして設定した。
• 3年間の活動の結果、設定したKPIのほとんどを達成することができた。一方で、今後はカタリバやユースセンター起業塾という枠組みだからこそできる外部への価値発信がより求められていると理解している。アウトカムとしては、残課題はあるものの全体的にルーブリックの各項目のLvが大きく上昇した。また波及効果として、個別団体の成長のみならず、切磋琢磨し合うコミュニティが生まれ自走し始めている。
• 各団体の尽力もあり、一定以上、多様な形で実行団体によるアウトプットが生まれた。定量的には、10代自身から地域の関係者までの重層的な主体により、10代のための活動が多数展開されている。10代の受益者は5,000人超(ユニーク数)に及び、把握しているだけでも300人を超える人材が10代と関わり、300回を超える地域の関係者との協働事例が生まれた。定性的には、定量的な数字としてひとまとめには表し切れない多様な担い手・モデルによる多様な活動が展開された。10代に対する働きかけのみならず、10代を取り巻く環境・地域へのアプローチにおいても各団体の価値観や工夫に溢れた実践例が生まれた。
• 各実行団体が個別に設定したアウトカムはアウトプットと同じく多様で、全く同一のアウトカムやKPIは1つとして見られなかった。10代の変化ではなく、
地域の変化に焦点を当てた団体も見られた。また、事後評価期に実施した資金分配団体と実行団体による合同調査によって、スタッフ向けのヒアリングから
26種類の子どもの成長実感の項目が浮かび上がり、利用者向けのアンケートの結果、全ての団体でそれらの成果が生じていることが確認された。
• 総括・提言として、「0→1・ミクロ」については、経済合理性の外かつ、社会課題としての認知度が低い領域で、事業立ち上げ期かつ、資源が限られる地域
での活動という、4重の壁を破る上で、想いとポテンシャルのある起業家が良い現場づくりに集中できる時間と資金を得られた価値は絶大であった。また、
「ミクロ→メゾ」について、ミクロの良い現場が軸となり、人が育ち、関係者が広がり・繋がり、帳簿に表れない社会関係資本としての蓄積も生じた。これ
は、事業期間だけでなく、その先、地域や社会に残っていく人材や組織が生まれたことを意味している。そして、「メゾ→マクロ」については、3年間で各
地で起きたミクロからメゾにわたる変化に鑑み、中長期的には地域全体や日本全体を変えていくことができると感じる。これからも各地の団体と協働して、
ミクロ、メゾ、そしてマクロレベルでの変化を実現していきたい。
引用資料
RELATED
同じプロセスの関連ナレッジ
【事後評価】うつ病予防支援(こどもたちのこどもたちのこどもたちのために)
【事後評価】あらゆる子どもの育ちを保障する地域総動(特定非営利活動法人碧いびわ湖)
【事後評価】多世代が食でつながるコミュニティづくり(一般社団法人全国食支援活動協力会)
【事後評価】困難を抱え孤立する子ども・若者の社会的自立支援事業(READYFOR株式会社)
【事後評価】「創造性」の格差を埋める~イノベーション人材となる機会を、すべての子どもに(特定非営利活動法人みんなのコード)
MORE
他のプロセスの関連ナレッジ
【取材記事】ICT×早期介入で社会問題の連鎖を防ぐ。 REEP財団がつくる支援の仕組み
- #障がい者・障がい児
- #子育て世帯
- #不登校
- #アウトリーチ
- #IT・テクノロジー