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  • 2022年度

神奈川県

【事後評価】地域の若者が担う互助の支援により、不登校・引きこもりなどに対する居場所づくりと社会体験を行う事業(多摩区ソーシャルデザインセンター)

報告書要約


本事業は、不登校・引きこもり傾向にある若者や、孤立への不安を抱える学生が、地域活動に参加することで安心できる居場所を得て、社会とのつながりを回復し、自立に向けた一歩を踏み出すことを目的として実施された。多摩区ソーシャルデザインセンター(多摩SDC)が行ってきた子ども食堂、学生カフェ、学習支援などの既存活動を基盤に、若者が互助的に支え合いながら成長できる「参加体験型プログラム」を整備し、学生主体の活動を多世代が支える仕組みづくりを進めた。
事業期間中、学生カフェや子ども食堂、地域イベント、学習支援など多様な活動が継続され、延べ1.3万人以上が利用した。学生の新規参加者は増加し、特に口コミや紹介による参加が多かった。アンケートでは、孤立感を抱えていた学生の77%が「相談できる人ができた」と回答し、SDCを「安心できる場所」と感じる学生は95%に達した。安心感の獲得は積極性や将来への意識の向上と強く関連し、若者の行動変容が確認された。また、地域の保育園や介護施設での職業体験・アルバイトなど、長期的な社会体験の機会も提供され、若者が地域で役割を持ち、自信を育むプロセスが形成された。一方で、課題も明らかになった。居場所や孤立に関するアンケートでは、主観的な「生きづらさ」の捉え方に個人差が大きく、評価指標の設定が難しかった。また、参加頻度に差があるため、全員の変化を継続的に追うことが困難であった。さらに、学生を支える大人の担い手が増えず、組織基盤の強化には引き続き課題が残る。
事業を通じて、地域活動が若者にとって自然な形で居場所となり、年齢や立場を越えた「ナナメの関係」が若者の安心感と成長を支える重要な要素であることが確認された。講演会や冊子制作を通じて活動の価値を地域に発信したことも、事業の波及効果として大きい。
今後は、理念を継承しながら継続的に関わるメンバーの確保、多世代が参加しやすい仕組みづくり、そして本事業で得た知見の地域への共有が重要となる。若者が安心して集える居場所を維持しつつ、地域全体で若者を支えるネットワークの拡大を目指していく。

引用資料

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