【事後評価】若年女性のつながり支援プログラム(特定非営利活動法人やっぺす)
報告書要約
本事業「若年困窮女性の孤立防止と経済的自立支援事業」は、石巻圏域において生きづらさや困窮、DV、家庭内トラブル、住居喪失等に直面した若年女性が、どこにもつながれず孤立してしまうという社会課題に対し、「安心して立ち止まれる居場所」と「次の生活へ進むための伴走支援」を一体的に提供することを目的として実施した。
2023年8月から2026年2月までの事業期間中、シェルターを必要とした若年女性60名(再利用者2名含む)と子ども28名、計88名に対して支援を行った。通年開設のシェルター運営に加え、行政や関係機関との連携を強化し、緊急一時保護の受け入れや行政手続き、医療受診、住居確保等への同行支援を通じて、若年女性が社会とのつながりを再構築できる体制を整えた。短期アウトカムの一つである「直面している困難の状態から、自分らしい生活に向けて選択ができるようになる」については、退去者(実人数)58名を対象に、団体の定義のメモを見ながら退去時の情況を照らし合わせ評価を行なった。※ものさしの尺度: 〇△✕
検証した結果、58名中38名(65%)が困難な状況を脱し、経済面・心理面・生活環境面において次の生活段階へ移行できたと評価された。△評価(継続的フォローが必要)を含めると93%が一定の前進を示しており、本事業が「安心の回復」だけでなく「行動と選択の変化」に寄与したことが確認された。
また、「今困難に直面している若年女性へのサポートの質の向上」については、外部有識者を交えたワークショップを実施し、相談支援の質を検証した。その結果、やっぺすの支援は
単なる受容や寄り添いにとどまらず、当事者の背景を丁寧に理解し、主体性を引き出しながら次の生活段階へつなげる支援へと質的に向上していると評価された。支援範囲や見通しを明確にし、「一緒に行う支援」が定着したことは、動けなかった人が、“自分の足で次の一歩を選べる状態”になる行動変容と今後の生活再建につながっている。
行政との連携においては、4市町村の担当課とのヒアリングから、「行政単独では対応が難しかったケースを受け止める心強い受け皿」「緊急時のワンクッションとして不可欠な存在」との評価が得られた。事業開始以降、相談件数や連携頻度が増加し、日常的な情報共有と迅速な支援につながる体制が定着している。
以上の成果から、本事業は石巻圏域において、若年女性が孤立せずに支援につながり、安心を回復しながら次の生活へ進むための重要な社会的インフラとして機能したと総括できる。
また、やっぺすは、特定のケースを救ったことだけでなく、地域が“迷わず支援につなげられる状態”をつくったと言える。
今後は、本事業で得られた成果と知見を基盤に、シェルターの継続運営と制度化を目指し、地域における持続可能な支援体制の構築を進めていく。
引用資料
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