• 公開情報
  • 2022年度

京都府

【事後評価】ひとりひとりの困りごとを地域で解決するホゴちゃんHUB(京都わかくさねっと)

団体
京都わかくさねっと
種別
実行団体
事業
ひとりひとりの困りごとを地域で解決するホゴちゃんHUB
種別
通常枠(草の根活動支援事業)

報告書要約


本事業「ひとりひとりの困りごとを地域で解決するホゴちゃん HUB」は、事業開始時に掲げたとおり、
再犯防止推進法の理念を踏まえ、官民連携および地域住民の参画を通じて、地域の中で立ち直りを支えるネ
ットワークを形成することを目的として実施した。とりわけ、支援する側とされる側を固定せず、当事者が
地域の一員として関わり直すことを重視した点に本事業の特徴がある。
当初は、居場所を拠点に、保護観察対象者や生きづらさを抱える若者・女性が地域活動に参画し、役割を
得ることで自己効力感を高めていくこと、あわせて地域住民の側にも相互扶助の意識を醸成していくことを
短期アウトカムとして設定していた。そのため、相談支援や地域交流を軸に、当事者と地域をつなぐ取り組
みを段階的に展開した。
実施の過程において、最も大きな成果として確認できたのは、少女に限らず、社会的に弱い立場に置かれ
がちなおじさんやおばあさんなど、年齢や属性を問わず幅広い当事者が、自らの人生を引き受け直し、人と
関わろうとする姿が見られたことである。これは、単に支援を受ける側として関わるのではなく、自分自身
で選び、行動しようとする姿勢が育まれた結果であり、本事業が目指した「主体性の回復」というアウトカ
ムが、想定以上に広い層へ波及したことを示している。
また、その変化の過程で、当事者自身の中に、誰かに親切にすることや、困っている人に自然と手を差し
伸べるといった思いやりの姿勢が芽生えていく様子が確認された。こうした相互の関係性の変化を通じて、
地域活動は人を一方的に「支える」ためのものではなく、人が人として回復し、地域を支え返していく循環
を生み出すものであることを、実感をもって確認することができた。
一方で、事業実施にあたっては、計画どおりに進まない場面も多くあった。人生の選択や変化は、他者が
良かれと思って描いた計画どおりには進まず、当事者一人ひとりの状況や意思によって大きく異なること
を、実践を通じて突きつけられた。その経験は、成果を急がず、相手を決めつけず、根気強く見守る姿勢の
重要性を学ぶ機会となり、事業運営のあり方そのものを見直す契機となった。
また、活動初期には参加を促すために謝金を設定していたが、活動が醸成され、関係性が育まれるにつ
れ、謝金の有無よりも、信頼関係と場の空気が主体的な関わりを生み出すことが明らかとなった。ただし、
それは自然に成立するものではなく、誰一人拒否しない姿勢で場を開き続け、時間をかけて関係性を積み重
ねてきた結果であった。
この 3 年間を通じて得られた最大の知見は、更生保護は地域の中で実践可能であるという確信である。そ
れは、従来の上から目線の指導や施しによるものではなく、被支援者自身が主体となり、地域の一員として
関わることで初めて成立するものであった。一方で、その実現には社会全体の理解と時間が必要であり、短
期間で完成するものではないことも明らかとなった。
本事業の計画時に設定したアウトカムについてはアウトカム 01 から 03 は達成した。一方でアウトカム 04
における人材・財源については課題を残したものの、少女支援を起点に地域支援へと展開する可能性と課題
の両面を明らかにした点において、今後の更生保護施策および地域包摂型支援の実践に資する重要な知見を
提供する事業であったと評価している。

引用資料

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