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  • 2022年度

滋賀県

【事後評価】地域のKANAMEネットワーカーの育成と重層的支援体制構築による息の長い支援事業(更生保護法人滋賀県更生保護事業協会)

報告書要約


少子高齢化、経済的格差、人間関係の希薄化に加え、ネット依存型社会などの複雑多様化した社会問題を
背景に、「生きづらさ」や「孤独・孤立」の広がりが深刻化している。この中で、地域社会に根差した「息
の長い支援」に取り組む更生保護活動の重要性は益々増大しており、様々な事情、背景を抱える人々が緩や
かに繋がることができる包摂的な地域社会の実現が求められている。このことから、保護司を取り巻く関係
機関や団体等との連携をより深め、犯罪防止や立ち直り支援、再犯防止などに対して、地域支援ネットワー
クの構築により社会全体で取り組んでいくことが重要とされている。

このような中、当事業は 2023 年度から 2025 年度の 3 か年にわたり、「地域ネットワーカーの育成」と
「重層的支援体制の構築」を柱に、県下 9 保護区の保護司会をキーオーガニゼーション(中核団体)と位置
づけ、それぞれの保護区において、KANAME ネットワーカー(連携担当者)を軸に地域資源との関係づく
りなどの事業を展開し、滋賀県更生保護事業協会が各保護区の側面的支援を行ってきた。結果として次の成
果を掲げる。

1 地域支援ネットワークの体制整備
「就労」「福祉」「医療」「教育」という更生保護活動を進める上で重要となるテーマについて、相談機
関連絡会や他団体との協議・研修等の機会が広がり、従来の保護司(保護司会)という単一的なもののから、
行政、福祉団体、NPO 団体、医療機関等の複数媒体が当事業を通じて恒常的に連携することができる体制
が整いつつある。これは、更生保護だけにとどまらず、社会全体の課題共有としての地域社会のセーフティ
ネットにも通ずる大きな意味を持つものである。

2「生きづらさを抱えた人々」の「居場所」と「出番」の創出
彦根保護区ネットワーク協議会の数々の取組をはじめ、各保護区における「息の長い支援活動」は、資金
や人材面等で相当な苦労を伴いながらも地道な活動が継続されている。この活動により、対象者等が地域社
会で違和感なく居場所(コミュニティ)を感じ、出番(就労、社会貢献)により役立つ自分を見出すことが
できる。そんな受皿が各保護区で整いつつある。このことは、昨年「更生保護制度施行 75 周年記念大会」
において宣言された「包摂的な地域社会」の実現に大きく寄与するものと考える。

2 各市町における取組促進
滋賀県下 19 市町においては、すべての市町で再犯防止推進計画が出そろった。今後、同計画に基づき、息
の長い支援活動や再犯のないまちづくりに向けて一層の拍車がかかることを期待する。とりわけ、昨年 12
月に締結された、米原市における、市・保護観察所・保護司会地区会の三者による「再犯防止の推進に関す
る連携協定」は、全国で 2 例目という画期的な協定となった。就労支援や生活環境の整備、犯罪予防の啓発
などにおける相互連携であり、今後、「誰ひとり取り残さない社会づくり」にむけて活動が加速することを
期待する。

以上、数点の成果を掲げたが、結論的には、この事業は、保護司(保護司会)といった単一的な構成から行
政、福祉団体、NPO 団体、医療機関等の複数団体等とのネットワーク化、いわゆる点から面への大きな広が
りを見せつつあり、将来的には更生保護の枠組を超えた「地域ネットワークの構築による社会復帰のモデル」
として、地域社会のセーフティーネットにも通じるものと考える。

引用資料

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