【事後評価】不登校の子どもと生きづらさを抱える若者の社会的自立に向けた活動(一般社団法人かけはし)
報告書要約
I. 社会課題と本事業の目的
不登校や社会的孤立の状態にある子ども・若者の中には、人との関わりや集団生活への不安から外出できなくなり、地域社会とのつながりを失っていくケースが少なくない。当事者が自分を責める傾向や、地域社会の目が厳しい現状があり、SOSを出せず、全く支援を受けられていない子どもや若者が多い。
本事業は、農園活動を中心とした居場所づくりを通じて、安心して過ごせる経験を起点に他者との関係性を回復し、社会との緩やかな接点を取り戻していくことを目的として実施した。さらに、地域住民、ボランティア、協賛企業、行政機関とともに、孤立を支える地域の関係性を育むことを目指した。
II. 事業の内容と目指した変化
農園では、野菜の栽培や収穫、販売体験などを行い、言葉によるコミュニケーションを前提としない関わりの中で、子ども・若者が安心して参加できる環境を整えた。参加・中断・再参加を柔軟に認めることで、一人ひとりの状態に応じた関わりを継続し、安心感の形成から関係性の回復、そして地域との接点づくりへと至る段階的な変化を目指した。
III. 事業成果
1. 定量的成果
3年間の事業期間において
【農園での栽培・収穫・農業イベント】参加者延べ581名
【調理体験】参加者延べ101名
【ボランティア】増加数27名
【協賛・協力・連携企業】41社
【学校連携】50校
学校・行政・関係機関との連携体制を構築し、地域における支援に関わる人の広がりが確認された。民民連携から公民連携の構築へと発展した。
2. 定性的成果
安心して過ごせる場を得たことによる表情や行動の変化
他者と協力する経験を通じた関係性回復の兆し
行政・地域との具体的連携の進展
が確認された。
IV. 実施状況の評価
事業は概ね計画どおり実施され、3年間にわたり農園活動と地域連携の双方で着実な実績を積み上げた。
また、一人ひとりの状態に応じたオーダーメイド型の支援は、対象特性に即した方法として有効に機能した。
V. 知見・教訓と今後への提言
「関係性の回復」は、言葉よりも共有する体験から始まる
支援する側・される側を分けない関わりが、社会への参画を持続させる
変化は一律には起こらず、伴走した時間と関わりの質に左右される
地域連携は相互理解を深めるための関わりの継続と、子どもの姿を中心にした信頼関係の構築
引用資料
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