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  • 2022年度

石川県

【事後評価】災害ケースマネジメントに基づく再建支援機関の運営支援および相談員育成事業(一般財団法人ダイバーシティ研究所)

報告書要約


能登半島地震から 1 年以上が経過し、被災者の生活再建のより具体的な支援に移行する時期となり、
輪島市の被災者生活再建支援機関である「輪島市災害たすけあいセンター」(以下、たすけあいセンター)においては、生活再建に早期に到達するための運営体制構築、実践スキル習得等が求められていた。一方でたすけあいセンターの運営者や生活支援相談員はその多くが大規模災害における生活再建支援活動に対する十分な知識やスキルを有するわけではなく、適正な支援活動を実施するための試行錯誤や課題事象の見落とし等が生じることで効率的で的確な支援活動が十分に実施できない可能性があった。
その課題を解決するために以下の事業を実施した。
1 たすけあいセンター職員に対し、研修開催により理解とスキル向上を促し、伴走支援のより適切な立案・実施が可能になることで被災者の生活再建早期化を促す。
2 研修成果や中国地方の災害支援経験等を活かし、災害ケースマネジメントの手法に準拠した被災者生活支援ガイドブックを作成することで今後の被災者支援活動に寄与する。
3 輪島市災害たすけあいセンターと中国地方の災害支援経験者および災害研究者により構成される連携会議を開催し、中国地方での被災者支援の経験とスキルを能登半島地震の被災地に届け、より効果的な支援活動につなげる。特に輪島市での連携会議は被災地の状況を把握した上での助言
を行うことができ効果が高かった。また、輪島市と中国地方の災害支援経験者や研究者との人的交流を図ることができた。
事業成果として以下を得た。
1 輪島市災害たすけあいセンター職員に対する研修を 2025 年 10 月から 2026 年 1 月にかけて月 1 回開催し、毎回の出席者 20 名程度があり、のべ 81 人の受講があった。研修の実施により見守り活動に必要な知識・スキルの向上に資することができた。事前アンケートの実施により受講者のニーズを事前に十分に把握することで、適切な研修テーマや内容の提供ができ、事後アンケートの結果、86.4%が「よい」とする判定を得た。
2 被災者の生活再建支援活動を網羅して具体的な事例をもとに伝えるガイドブックを作成した。発災後の支援需要把握としてのアセスメント調査、被災者生活再建支援機関設立・運営、職員の研修方法等の災害ケースマネジメント手法を用いた被災者支援活動について網羅し、実践的・具体的な内容を掲載している。平成 30 年西日本豪雨の被害があった広島県坂町の元地域支え合いセンター長が連携会議委員として関わり、資料提供や助言を受けることで中国 5 県での被災者支援経験も活かすことができた。
3 中国地方の災害支援経験者および災害研究者を交えた連携会議として全体会議を 1 回、輪島市に中国地方の災害支援経験者および災害研究者が出向いて2回実施できた。特に輪島市での連携会議は被災地の状況を把握した上での助言を行うことができ効果が高かった。また、輪島市と中国地方の災害支援経験者や研究者との人的交流を図ることができた。

今後に向けての提言として以下を挙げる。
1 災害ケースマネジメントによる生活再建支援活動の周知と備え
過去の被災者支援に基づく具体的・実践的な生活再建支援手法の周知により、今後の災害に備える力を全ての地域で養うことが今後求められる。
2 支援の担い手育成
人口減少・高齢化により、生活再建支援の担い手は今後、対人支援未経験者・高齢者が多数を占めることになる。見守り等の支援活動スキル向上を促すための研修、業務支援ツール開発が一層必要である。
事業から得た主な知見として、研修において受講者の事前の状態把握、課題を抽出して改善を目的とした研修の実施、事後の状態把握というプロセスを踏まえて研修を実施することが、効果の向上や効率化につながることが挙げられる。

引用資料

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