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  • 2022年度

東海

【事後評価】東海地域に暮らす難民の個別支援及び支援ネットワーク構築(特定非営利活動法人 名古屋難民支援室)

報告書要約


【事業の背景と目的】
2022年末からの入国者急増に伴い、東海地域でも公的支援の届かない「庇護希望者」や不安定な法的地位にある「難民申請者」の困窮が深刻化した。難民支援の公的リソースが関東に偏る中、当地域において難民が尊厳を持って生活できる体制を構築するため、本事業では「専門性を活かした個別支援(法的支援)」と「難民も暮らしやすい地域づくり(ネットワーク構築・理解促進)」の二本柱で取り組んだ。

【主要な活動と実績】
個別支援においては、2025 年 12 月末までに 179 件の新規相談に対応した。難民認定に関わる専門的な法的助言に加え、事案検討会議を計 31 回開催し、外部専門家との連携を通じて支援の質を確保した。また、アウトリーチ手法を工夫し、当事者コミュニティへの直接アプローチに加え、地域の国際交流協会や他団体との連携(支援リソースへのアウトリーチ)を強化したことで、計画を上回る 267 名の新規受益者に支援を届け、東海 4 県以外からも相談が寄せられる体制を築いた。

【事業成果と結論】
本事業の最大のアウトカムは、従来 DAN の「難民のための支援(FOR Refugees)」に、難民が地域の一員として活動する「難民と共に(WITH Refugees)」の視点が加わったことである。これにより、難民の人たちが主体性を持つようになり、また難民が抱える困難を社会の構造的な問題として捉える視点を持つ人が増えた。
受益者の変容: 調査の結果、DANの支援を受ける前は、8割が「自ら助けを求めることができなかった」「地域との人とのつながりを築けていなかった」と回答していたが、支援を受けた後の受益者の8割が「自ら助けを求めることができる」「地域の人とのつながりを築けている」と回答し、自立への道筋を立てることができた。
地域社会の変容: 食料支援や「学び語り合う会」を通じて、地域のステークホルダー(生協、大学、市民等)に「難民は守られる対象ではなく、共に地域を作る主体である」という認識が広がった。特に、安全確保のためのルール(ニックネーム使用、写真撮影禁止等)を共有しつつ交流する仕組みを確立したことで、難民が安心して社会参画できる仕組みを作ることができた。
ネットワークの成果: 地域の弁護士や支援団体、さらには難民支援のための全国ネットワーク(FRJ)との連携により、個別事案の解決だけでなく、空港へのポスター設置が実現する、入管との意見交換により空港で庇護を求める者へ保護や脆弱性がある難民申請者のインタビューの同席についての議論が進むといった政策提言・環境改善においても具体的な成果を上げた。

【今後の課題と展望】
本事業を通じて、難民と地域住民がフラットな関係を築き、多様なアクターが連携する「多層的なセーフティネット」の有効性が実証された。一方で、専門スタッフを継続雇用するための自己資金の確保が課題として残っている。今後は認定 NPO 法人の取得を目指すなど運営基盤を強化し、本事業で得られた「WITH Refugees」のモデルを地域社会に定着させ、他地域にも紹介し、難民背景を持つ人々が真に包摂される社会の実現を目指す。

引用資料

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