• 公開情報
  • 2022年度

群馬県

【事後評価】共助社会の実現に向けたつながる居場所事業(キッズバレイ)

団体
キッズバレイ
種別
実行団体
事業
共助社会の実現に向けたつながる居場所事業
種別
通常枠(草の根活動支援事業)

報告書要約


本事業は、「すべての市民がそれぞれに心地よいと感じられる居場所と複数つながることで、地域に関わる楽しさを自然と感じられる人が増え、まちのWell-beingが高まっていく」ことを中長期アウトカムとして実施した。3ヵ年の取り組みを通じて、居場所への参加が個人の幸福度向上に寄与し、多世代・多主体の関係性を再編し、地域内に新たな担い手と連携を生み出すという、質・量の両面での成果を確認することができた。
定量評価では、事業参加者の92%が「幸福度が高まった」と回答し、85%が異世代との協働に前向きな変化を実感している。さらに、自身の「好き」を居場所につなげたいと回答した人は86%にのぼり、居場所が受動的に利用する場から、主体的に関わり創り出す場へと認識転換が進んだことが明らかとなった。居場所が単なる支援拠点ではなく、自己実現や他者との関係性を育む「関係資本」の基盤として機能し始めている点は、本事業の重要な成果である。
活動面では、重点地区をココトモに定め、「案内所機能」と「実験所機能」を併せ持つ地域ハブとして再定義・整備した。地域アセスメントを通じて居場所と幸福度の相関を可視化し、拠点拡張ではなく“地域の種を育てる伴走支援”へと方針転換を図ったことにより、新たな居場所の立ち上げや既存団体との連携が促進された。冥土喫茶やユースセンター「夜☆ココ」は、多世代が交差する象徴的な居場所として発展し、合計4668名の参加を得たほか、外部からの視察・連携申し入れも増加し、モデルとしての波及性も確認された。
特に「冥土喫茶」は、高齢者を支援対象ではなく主役として位置づける文化的アプローチにより、ポジティブ・エイジングの実践モデルとして注目を集めた。また、若者の第三の居場所である「夜☆ココ」では、ナナメの関係性を育む環境が形成され、地域との循環的なつながりが生まれている。これらの実践は、孤立や分断という地域課題に対し、制度的支援とは異なる“関係性の再設計”という解決アプローチを提示するものである。
加えて、居場所の見本市「IIBASHO PARK」や円卓会議の開催により、居場所同士のゆるやかなネットワークが構築され、顔の見える関係性の基盤が整った。個人の幸福度向上というミクロの変化が、世代横断の協働や連携増加というメゾレベルの変化へ、さらに地域全体のWell-being向上というマクロの変化へと接続する循環モデルが実装段階に入ったことが、本事業の最大の成果である。
以上より、本事業は、居場所を「支援の場」から「関係性を育む社会基盤」へと進化させ、地域における共助の土壌を可視化・拡張することに成功した。今後は、蓄積したノウハウの言語化とファンドレイジングの強化を通じて持続可能性を高め、地域内外へ展開可能なモデルとして発展させていく。

引用資料

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