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  • 2022年度

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【事後評価】いつでも安心して相談できる電話、対面、オンライン相談環境構築によるうつ予防(特定非営利活動法人 東京メンタルヘルス・スクエア)

報告書要約


本事業は、孤独・孤立や精神的ストレスを背景としたうつ病発症を予防することを目的に、誰もが「いつでも安心して相談できる」電話・対面・オンライン相談環境を構築し、無料電話相談を中核とした支援体制の拡充と持続化を目指して実施したものである。日本では無料電話相談の社会的ニーズが高い一方、応答率の低さや人材・財源不足により十分な支援が行き届いていないという課題があり、本事業はその構造的課題への実践的な解決を試みた。
事業期間中、テレワーク可能な電話相談環境の整備、クラウドPBXの機能改善、相談時のバックアップ体制構築、カウンセラー育成の強化、報酬水準の引き上げを行った結果、無料電話相談の実施件数は事業開始前の約1,000件/年から、最終年度には4,599件/年へと大幅に増加し、目標値3,600件を大きく上回った。また、相談後アンケートでは「とても満足」「満足」と回答した割合が81%に達し、相談による心理的改善効果が確認された。これらの結果から、電話相談が悩みの早期解消やうつ抑制に寄与していることが示された。アウトカム評価では、相談成立数の増加と高い満足度を主要指標とし、社会的インパクト概算額は約1億4,970万円となり、当初目標であった1億5,000万円規模をほぼ達成した。特に、能動的に改善可能な指標である「電話がつながった件数」と「相談後に気持ちが楽になった割合」が大きく向上したことが、アウトカム達成に直結したと評価できる。一方で、医療機関や他支援団体への「つなぎ」については体制構築が途上であり、実績を十分に積み上げるには至らなかった。また、事業終了後の完全な同規模継続には財源面での課題が残ることも明らかとなった。出口戦略として検討していた自主事業収入の拡大、寄付金増加、教育事業の事業化については一定の成果が見られ、寄付金と自主事業収入の合計は当初目標を上回る水準となったが、助成終了後は件数を3,600件程度に調整し、無理のない規模での継続が現実的であると判断した。
総合的に見ると、本事業は無料電話相談の量的拡大と質の向上、相談者の心理的改善という点で高い成果を上げ、うつ病予防に資する有効なモデルを構築できたと評価できる。休眠預金活用により、活動基盤・人材・資金調達のいずれも事業開始前より大きく成長しており、社会的意義と実践的成果の両面で十分な結果を得た。今後は、事業規模を適正化しつつ、相談の質の向上と人材育成、安定的な自主財源確保を進めることで、長期的に持続可能な「安心して相談できる社会基盤」としての発展を目指す。

引用資料

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