• 公開情報
  • 2021年度

長野県

【事後評価】バイオ炭活用による三方よしプロジェクト(長野県農業協同組合中央会)

団体
長野県農業協同組合中央会
種別
実行団体
事業
バイオ炭活用による三方よしプロジェクト
種別
通常枠(イノベーション企画支援事業)

報告書要約


1. 報告書要約
(1). 実施概要
プロジェクトは、複数の地域で実施され、それぞれの地域特性に応じた方法でバイオ炭の生産と利用が行われた。主要な活動とし
て、1未利用バイオマス活用によるバイオ炭の製造、2圃場へのバイオ炭の施用、3バイオ炭農産物の購入促進、4バイオ炭活用の
意義やブランド PR の実施、5「J-クレジット」への対応を予定した。
(2). 評価結果
1計画の適切性
プロジェクトの目的は、みどりの食料システム戦略対応と農業の持続可能性向上という SDGs にかかわる社会的ニーズに合致し
ていた。「三方よしプロジェクト」である「生産者・消費者・地域」にメリットをもたらす仕組み実現には、モデルエリアの設定や
事業実施の優先化等絞り込み検討も必要であった。
2実施状況
計画通りのスケジュールで進行し、バイオ炭の施用が完了した。本事業を通してバイオ炭を調達し施用した農家以外にも、将来
に向けて、炭素貯留と土壌改良効果の両方を目指し自ら製造し自らの農地に施用することで、費用の発生を抑える取組みもあった。
バイオ炭農産物の販売・PR については、HP・バイオ炭プロジェクトマークシールの活用を通して継続していく。「J-クレジット」
に関しては、費用対効果の面から情報収集にとどまった。
3成果と影響
・里山団体において、「原料確保・炭化・農地施用・農産物販売」の一連のスキームが、森林組合との連携・炭化器の導入・地域農
業者の連携・直売による販売によって達成できた。
・最終評価アンケートにおいて、バイオ炭の認知度は 30%であり、目標とした 70%には到達していない。また、環境にやさしい
農産物を購入したい意欲は 100%の方が持っているが、通常の農産物価格と同程度を求めている方が一番多い。今後は、価格転
嫁に対する消費者対応を含め、理解促進・行動変容策を JA 長野中央会として検討・実施していきたい。
・日本協同組合連携機構、農林中金総合研究所等多くの団体から、バイオ炭についての問い合わせや取材の依頼があった。それら
に対応することで、各組織の広報誌やレポート等で事業の取り組みが紹介され、より多くの人にバイオ炭について知ってもらう
きっかけとなった。

(3). 課題と今後の展望
・本事業において、バイオ炭施用農産物を増やすという視点からバイオ炭を無償提供していたが、今後は継続できなくなる。当面、
JA で製造しているバイオ炭の斡旋や、長野県農業農村支援センターでの無煙炭化器の貸出し等の情報提供を行いながらバイオ炭
の認知を広める必要がある。
・事業終了後も、事業参画農家のうち希望者には「バイオ炭活用プロジェクトマーク」を配布し、自発的にバイオ炭の活用を行う農
業者の支援を行っていく。
・バイオ炭の施用は、環境調和型農業やみどりの食料システム戦略の一施策であり、SDGs の達成につながる取り組みである。農業
政策や国民の意識においても環境に対する企業・団体の取組みは注目されている。JA 長野県グループとしても、引続き 2025 年か
らの 3 カ年計画の中で環境調和型農業の推進を実施していく予定である。
(4). 結論
本プロジェクトは、環境・農業分野において一定の成果を上げたが、技術的・経済的な課題が残されている。今後は、より効率的
なバイオ炭製造、政策支援の強化、普及活動の推進を図ることで、バイオ炭の持続可能な利用を目指すべきである。

引用資料

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