• 公開情報
  • 2021年度

沖縄県

【事後評価】カリーインパクト&イノベーションファンド事業(株式会社うむさんラボ)

団体
株式会社うむさんラボ
種別
実行団体
事業
カリーインパクト&イノベーションファンド事業
種別
通常枠(ソーシャルビジネス形成支援事業)

報告書要約


1. 報告書要約
本事業は、沖縄県における社会課題の解決と地域経済の自立的発展を目指し、インパク
ト投資を手段とするソーシャルインパクトファンド(カリーインパクト&イノベーション
ファンド)を株式会社うむさんラボが組成・運営したものである。地域内外の LP から出
資を受け、課題解決に取り組む社会起業家・スタートアップへ資金提供と非資金支援を行
うことで、新たな資金循環の仕組みを構築し、持続可能な社会変革の基盤づくりに取り組
んだ。
助成期間を通じて、出資企業 4 社への投資を実行。いずれの投資先も、経済的リターン
と社会的インパクトの創出を両立するビジネスモデルを有しており、事業成長とともに地
域課題解決への貢献を目指している。また、伴走支援や販路開拓、他 VC との連携促進に
より投資後の支援にも注力した。IMM(インパクト測定・マネジメント)についても、す
べての投資先にロジックモデルを導入し、一部では KPI の運用が開始されている。IMM を
通じて企業自身がインパクトを言語化・可視化することで、地域内外のステークホルダー
との対話が深まりつつある。
加えて、セミナーやイベントを通じた地域内の関心層へのアプローチにも注力し、3 年
間で 8 回のセミナーを開催、延べ 565 名が参加した。特に IMM セミナーでは、参加者の
87%が「IMM への理解が深まった」と回答し、81%が「関わりたい」と感じたという調査
結果が得られており、県内におけるインパクト投資のリテラシー醸成に大きく寄与したと
評価できる。
一方で、プレシード期の企業への出資や、ファンドチームの体制構築に課題も残った。
IMM 運用に不慣れな投資先や、チーム内で兼務が多かったことによる運営負荷は、実行上
のボトルネックとなった。ただし、改善に向けた取り組みはすでに進行しており、対話を
重ねた KPI 見直しや、IMM 支援の外部連携など、今後の改善余地と展望が見えてきている。
また、LP や県内のステークホルダーにとっても本事業は新たな気づきの契機となった。
投資先企業との接点を通じて、地元に社会的インパクトを創出する企業が実在することへ

の認識が生まれ、「応援したい」「関わりたい」という地域住民や企業の動きが見られた
点は、ファンドの社会的意義を裏付ける波及効果である。LP の一社に対しては IMM の導
入支援を実施し、経営戦略と社会性の統合的マネジメントを後押しする成果も得られた。
出口戦略としては、ファンドの管理報酬および投資リターンを想定した設計により、助
成終了後も自立的な運営が可能な体制を整えた。また、GP であるうむさんラボが有する
創業支援・教育・地域連携といった多角的な事業活動との連動により、ソーシングやネッ
トワーク形成においても相乗効果が発揮されている。これらの基盤は、将来的な資金循環
の持続性にも寄与する重要な構成要素となっている。
本事業の意義は、単なるファンドの運営にとどまらず、「資金の流れを変えることで社
会を変える」という概念を地域に根付かせ、共感と協働を生む仕組みづくりに挑戦した点
にある。今後は、IMM やインパクト投資のさらなる普及と、沖縄発のロールモデルとして
の発信を通じ、全国展開可能な地域インパクトファンドのモデル構築を目指していく。

引用資料

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