• 公開情報
  • 2021年度

福岡県

【事後評価】子ども・若者に対する普通教育機会保障事業(NPO法人 未来学舎)

団体
NPO法人 未来学舎
種別
実行団体
事業
子ども・若者に対する普通教育機会保障事業
種別
通常枠(草の根活動支援事業)

報告書要約


毎年、児童生徒数は減少するものの、不登校児童生徒は11年連続で増加している日本の義務教
育を考えるにあたり、世界の子ども達の精神的幸福度などを比較したときに、日本の公教育に多様
な学びがないということが課題となっていると考え、今回の「子ども・若者に対する普通教育機会保
障事業」として、地域資源を活用しながら、子ども達が社会に出る準備のために成長する場としての
フリースクール運営を行った。

事業運営するにあたり、短期アウトカムを「在籍の児童生徒が社会参加を通じて成長し、感謝や思
いやりの大切さを学ぶ」、「所属校や地域関係者との信頼関係を構築し、相互理解を深める」、「持続
可能な事業運営を可能にする管理体制の強化」と設定した。

その結果、普通教育機会を保障するための支援を行うことで、送迎の課題や金銭的課題で通えな
い子ども達は、当法人ではなくなり、また、子ども達のフリースクール出席率もほぼ100%で、毎日
通うことができる状態となった。

また、多数の交流イベントに参加したり、自団体内での小中学生と高校生との交流を実施したりす
ることで、自団体内だけでなく多くの人と対話す機会を得ることができ、子ども達、その保護者、学校
関係者、そして地域関係者との信頼関係構築ができた。
その信頼関係の中で、子ども達に対しては、自団体内、地域社会でのあらゆる場面において、「挨
拶」や「返事」、「感謝」や「おもいやり」の指導ができ、その成果は、子ども達のアンケート調査での
「挨拶や返事をしっかりと言えるようになった」という項目で「そう思う/とてもそう思う」と回答した結果
や、11の関係団体・個人のインタビュー調査での、「おもいやり」を感じてもらえていたエピソードか
ら示されている。

さらに学校関係者や地域関係者との相互理解に関しても、前述の交流活動だけでなく、相互訪問
等をとおして行われ、同じくインタビュー調査から、子ども達が、「自ら関わる」「楽しむ」「挑戦する」
「フラットな関係を築く」「地域とつながる」「主体的に行動する」といった特徴を持ち、「フリースクール
未来学舎」や「不登校児童生徒」への理解については、「未来学舎は子どもたちが主体的に学び、
成長できる場であり、不登校=ネガティブではない」という理解が広がっていることが語られた。また、
地域とのつながりが子どもたちの成長を支えていることも強く認識され、当法人の存在が、「学校に
行かない選択肢」への理解を深めるきっかけになっていることもわかった。

外部連携としての成果は、久留米市学校教育課からの依頼で参加していた「不登校対応方針策
定委員会」、その後に参加依頼を受けた「不登校対応施策実施委員会」で協議された内容が、令和
7年度の不登校に関する総合的な支援として97,156千円予算計上され、4つの新しい施策が行わ
れることになった。中でも不登校児童生徒の保護者への直接支援として「フリースクール等利用児
童生徒支援」が追加されたことは大きな成果と言える。

このように社会課題への取り組みでは、良好な成果が得られている一方で、法人の持続可能な事
業運営を可能にする管理体制の強化には、一部改善すべき課題が残った。収益面では寄付金・助
成金・補助金に頼らない収益確保として、それらを除いて、全費用に対して83%の収益が確保され
たことや、規定類の整備などの目標は達成されたが、持続可能な運営にかかせない人材に関して
は、理事や外部関係者との繋がりや連携にスタッフは満足しているものの、安定したサービス提供
可能な人材配置や、楽しい事業運営に関しての評価に関しては8割を超える不満があることがわか
った。

以上のことから、学びの実践の場として積極的に地域社会で行うことが、子ども達の社会性を育む
こと、自団体の活動や子ども達が地域社会に理解されることにつながり重要であること、さらに、フリ
ースクールが「子どもたちが主体的に学び、成長できる場」になっていることも明示された。また、子
どもの成長に責任を負い、成果を出すフリースクールを民間として運営するには、大きな負担をスタ
ッフにさせてしまっていることも明らかになった。
よって、「生きる力」をつけることを目的にしている公教育にも同様な取り組みが必要であり、民間
よりも安定したサービスが提供可能な公教育こそ多様な学びの場を持つ必要性があることが示され
る結果となった。

引用資料

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