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  • 2021年度

香川県

【事後評価】高松から未来を創り支える コミュニティ財団設立に向けて(特定非営利活動法人わがこと)

団体
特定非営利活動法人わがこと
種別
実行団体
事業
高松から未来を創り支える コミュニティ財団設立に向けて
種別
通常枠(草の根活動支援事業)

報告書要約


この報告書は、NPO法人わがこと(以下、わがこと)が実行団体となり、一般社団法人全国コミュニティ財団協会から
資金提供を受けて2022年7月から2025年2月にかけて高松市及び香川県全域で実施された事業の評価報告書である。
わがことが本事業に申請した当時、高松市には多様な社会課題に取り組む団体が点在するものの連携が少なく、中間支
援機能も不十分だった。本事業では、地域内の資金仲介と団体への伴走支援を行う市民コミュニティ財団を設立し、多
様な人材が地域課題解決に継続的に関わる仕組みを構築することをめざした。

中長期アウトカムは、てらす財団が地域課題解決に継続的に関わり、年齢、性別、所属等に関わらず一人一人が出番を
持ち、主役になれる社会の実現とした。短期アウトカムとしては、助成を通じて地域課題や当事者ニーズの把握ができ
る団体が増えること、学校と地域の連携促進、若者がチャレンジを相談できる環境整備、地元企業との協働、財団が地
域で信頼される存在になることを設定した。

財団設立準備段階では地域円卓会議や資金循環の勉強会等を複数回開催し、市民コミュニティ財団がある未来とない未
来を、市民と何度も話し合い、「市民性」「地域性」「運動性」を持って財団設立の機運を高めた。その結果、約3ヶ
月の設立寄付キャンペーンでは644名から560万円以上の寄付を預かり、一般財団法人たかまつ讃岐てらす財団(以下、
てらす財団)を設立、後に公益法人化を実現した。てらす財団設立後は地域課題を構造化し、子ども若者支援を中心と
した助成プログラムを実施、合計25のNPO団体及び教育現場に助成を行った。公益法人化後は月額定額寄付「てらす
ファンクラブ」も開始し、2025年2月末時点で49名から毎月約76,000円の寄付が継続している。設立準備からの寄付総
額は12,885,330円、延べ1,564名から寄付をお預かりしている。
これらの活動が、当初掲げた地域課題解決に対して効果があったのかを振り返り、そして今後のわがこと及びてらす財
団の事業の方向性を定め、それぞれの団体の存在意義や価値を再確認するために事後評価を実施した。

評価の結果、ロジックモデルで整理した短期アウトカムの達成度は高く、助成を通じたニーズ把握や事業改善につな
がった団体は目標の5に対し6団体、学校での地域連携ストーリーは目標通り5つ確認された。若者からのチャレンジ相
談は目標5件に対し6件あり、身近な大人からの紹介が相談ハードルを下げたと考えられる。地域企業との協働では1件
の冠基金が設置された。定期寄付者数、金額も目標に近い実績であり、財団は「多様な関係性を創出し、地域課題の解
決に継続的に取り組む仕組み」として信頼され始めている。てらす財団が、地域団体、若者、個人・企業などの「繋ぎ
手」として機能し始めている。

波及効果として、中間支援の存在や必要性が認知され、担う人材が地域に複数名生まれたことだ。わがことが2025年4
月から高松市市民活動センターの指定管理者となることが決定し、本事業の実績が地域内でも評価された。

てらす財団設立の成功要因として、地域のキーパーソンへの丁寧な説明(「嫌われない戦略」)、多様性とスピード感
を重視した役員選任、金額より人数にこだわった寄付募集による運動性の広がり、バックオフィス業務の自動化などの
仕組み構築が挙げられる。一方で最大の課題は、外部からの期待に対する内側の組織体制や財政基盤のギャップである
と認識している。地域に資金仲介機能がある意義は、地域特有課題に市民と共に取り組めること、活動団体と寄付者が
近く、応援が活動の背中を押す点にある。
本事業からの学びとして、「評価」概念やロジックモデルなどのフレームワーク習得が今後の伴走支援スキルにつなが
ると実感している。
今後わがこと、てらす財団は共に地域の中間支援団体として、わがことはNPO団体を直接対象グループとして行動を起
こす市民を幅広く支え共に成長することを目的とする。てらす財団はNPO団体だけでなく、広く一般市民も直接対象グ
ループと捉え、多様な主体が関心や理解を持って地域に関われるようになることを目的に「誰の代弁者か」を明確にし
た助成プログラム実施や組織体制強化、透明性確保、寄付を主財源とした安定的な財務基盤構築をめざす。

2年8ヶ月間の事業期間中に、今後中長期アウトカムの発現につながるであろう短期アウトカムの発現や、多くのアウト
プットや波及効果、団体としての知見やノウハウを積み上げることができた。その結果、事業前には地域の中で存在が
見えなかったNPO中間支援が2団体生まれた事になり、「支える人を支える活動」の必要性や価値を、NPO団体はもち
ろんのこと、行政や市民といった多様なステークホルダーにも実感してもらえたことで、てらす財団に寄付が集まりつ
つある。これから2団体は、NPO団体を通じて市民の声を拾い続け、市民性や運動性、地域性を重視した活動の延長線
上に、市民一人一人が出番を持ち、主役になれる社会があることを信じて、地域で役割を果たしていく。

引用資料

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