• 公開情報
  • 2021年度

長崎県

【事後評価】自然共生型森づくりの多主体参加モデル事業(一般社団法人MIT)

団体
一般社団法人MIT
種別
実行団体
事業
自然共生型森づくりの多主体参加モデル事業
種別
通常枠(ソーシャルビジネス形成支援事業)

報告書要約


長崎県対馬市において、非経済林化している森林は、所有者が放置し、有害鳥獣被害により森林生態系が著しく劣化している。土砂災害等の自然災害のリスクが大きく、森の仕事の担い手は高齢し、農山漁村から人口流出が加速している。一方で、地域資源としての非経済林の潜在的な価値は大きく、 新たな働き方(半農半 X 型) を求める若者の活躍の場、ソーシャルビジネスの場や機会としての可能性は非常に大きい。公益性を有する非経済林の森林の保全と持続可能な利用を行うためには、新たに森づくりに関わる担い手(対馬もりびと)を確保し、育てる場や仕組みが必要である。
そこで本事業では、2022 年 6 月〜2025 年 2 月の期間で、MIT、対馬木材産業、AID のメンバーが中心となり、対馬もりびと協同組合(プラットフォーム)を設立し、非経済林となっている森林において持続可能な森林施業や高付加価値化した森林資源の活用、鳥獣対策等のソーシャルビジネスを兼業(半農半 X 型)で行う対馬もりびとを確保し、育成するチャレンジセンターを 2 拠点(廃校及び空き家)整備し、運営を開始した。
新たな対馬もりびと(候補)は、当該センターでマッチングした指導者からの指導や研修会への参加により、各種木工品(雑貨・家具・看板等)、エッセンシャルオイル、蜂蜜や蜜蝋、メープルシロップ、燻製チップ等の林産物、森林管理やエコツーリズムなどのサービスを提供するノウハウを習得し、指導者や対馬もりびと協同組合(本事業のコンソーシアムメンバーMIT、対馬木材含む)と連携しながら、統一的にブランディング(高付加価値)化した商品を生み出した。3 年後に自立することを目的にスタートアップの事業を同時並行的に進めた。具体的な実績としては新商品を 26 種類開発し、販売に着手した。
本事業を通じて提供する林産物や体験・イベント・研修等は、対馬市民をはじめ多くの受益者を生むことが期待でき、社会の中での森林に関わることでの暮らしの豊かさの向上や学びや交流・癒しの機会が作られ、その結果として、社会全体での森林保全や持続可能な利用の価値化(暮らしの中での豊かさの向上)が進んでいく礎となる。
本事業では、市民向けのイベントを 10 種類開催し、合計 609 名の参加があった。本事業によって、非経済林でのソーシャルビジネスに挑戦する対馬もりびと(特に若者)候補が16 人に増え、対馬の森を活用する若者の活躍の場が増えた。また、開発した商品の販売によって得られた収益が 110 万円に増えた。さらに、雇用拡充支援事業の獲得資金も得て、新しい働き方(兼業)による雇用創出が 1 名(対馬もりびと協同組合で雇用)を生み出し、木工職人として木工品を製造するようになったことで、地域経済への成長に貢献した。また、放置され続けた非経済林の森林は、対馬もりびとによって保全や管理、持続可能な活用が進んだ。具体的には、「対馬もりびとの森」として管理している森は 5.64ha になり、そのうち約 1.6ha はきれいな森とするべく森林整備及び防鹿柵の設置などの鹿対策を行っている。対馬もりびとの森 1 号(貝口スス山)は、環境省の自然共生サイトに指定された。このような取組を今後持続的に広げていくことで、最終受益者である対馬市民が公益的な森林生態系サービスの向上(生物多様性保全、文化・教育・癒しの場、水源涵養機能、土砂災害防止、磯焼け対策、CO2 固定、各種林産物活用等)による恩恵を享受できる。

引用資料

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