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  • 2022年度

福島県

【事後評価】原子力災害を契機として、孤立感・孤独感を抱えている女性に、安全・安心な居場所を提供する重層的支援事業(株式会社はま福)

報告書要約


本事業は、福島県双葉郡富岡町において、女性を中心とした地域住民が日常的に立
ち寄り、人とつながり、必要に応じて支援や情報へアクセスできる「安心できる居場
所」を形成することを目的に実施したものである。

原子力災害後の地域では、人口構成の変化や転入・帰還の進行により、生活上の不
安や孤立感を抱えやすい状況が続いている一方、そうした思いや困りごとを気軽に共
有できる場は限られている。

本事業では、そうした課題認識のもと、支援を「与える場」ではなく、「自然に人が
集まり、関係性が育まれる場」として設計し、具体的な取組として、女性のスキルア
ップや起業支援につながる講座、仕事終わりでも参加できる夜の交流会、ミシンを活
用したものづくりを通じた交流、専門職による健康相談(will 保健室)など、参加の
ハードルが低く、関心やライフステージに応じて選択できる多様な活動を実施した。
これらの活動を通じて、来館者数や延べ利用回数といった定量的な実績に加え、「一
人で来ても受け入れてもらえる場所があることが心強い」、「専門の人に気軽に相談で
き、安心できた」、「人と話すことで前向きな気持ちになれた」といった来館者の声が
多数寄せられ、本事業が心理的安全性の高い場として地域に受け入れられ、定着しつ
つあることが確認できた。

また、転入者と帰還者、子育て世代と非子育て世代など、これまで接点を持ちにく
かった人々が同じ場を共有することで、自然な交流や相互理解が生まれた点も重要な
成果である。実際に、交流会で得られたニーズや声を起点として、語り部の会との連
携事業や来館者同士による自主的な企画が派生するなど、地域内の新たなつながりと
活動の芽が育まれた。

本事業は、既存の制度や支援では把握しきれない小さな困りごとや不安に対し、日
常的な関わりの中で寄り添い、必要な支援につなげる「伴走型支援」を実践した点に
おいて、休眠預金等活用事業の趣旨と高い親和性を有している。

以上のことから、本事業は、地域における孤立・孤独の予防や女性をはじめとした
住民のエンパワメントを促進する有効な取組であり、今後の持続的な地域づくりに資
する実践的なモデルを示したものと評価できる。

引用資料

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