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  • 2022年度

長野県

【事後評価】災害に負けないレジリエンスな地域を目指す信州型被災者支援連携体制創出事業(長野県NPOセンター)

報告書要約


本報告書は、長野県NPOセンターが実施した「信州型被災者支援連携体制創出事業」(2023年4月〜2026年2月)の事後
評価をまとめたものであり、災害時における被災者支援の質向上と地域のレジリエンス強化を目的としている。

長野県ではこれまで地震や豪雨、噴火など多様な災害が繰り返し発生しており、特に小規模自治体が多いことから、防災
専任職員の不足や地域防災計画の適時適正な反映不足、民間支援との連携不足といった課題が顕在化している。
また、NPO等は被災地支援の経験を蓄積しているにもかかわらず、それが行政と十分に共有されず、災害のたびに同様
の課題が繰り返される構造が存在していた。

こうした背景のもと、本事業では行政・社会福祉協議会・NPO等による「三者連携」を軸とした支援体制の構築が目指され
た。
事業の中核となるのが長野県域の災害中間支援組織「長野県災害時支援ネットワーク(N-NET)」であり、これを災害中間
支援組織として機能させるための基盤整備を進めてきた。具体的には、県・県社会福祉協議会・N-NETによる会議体の整
備や事務局機能の強化、検討部会の設置などを通じて、平時からの連携体制を構築した。
また、被災者支援に関わるNPOや企業等の情報を収集・整理し、データベース化することで、地域資源の可視化と活用促
進を図った。

さらに、大規模災害に備えた実践的な取り組みとして、官民連携によるシミュレーション訓練を実施した。これは発災直後
から復旧期に至る各段階を想定し、関係者が課題と対応策を検討するものであり、市町村や関係機関の連携強化に寄与し
た。

また、被災者支援の標準的なあり方を示す「被災者支援スタンダード」や、関係主体の役割を整理した「支援連携図」に取
組み、支援の共通目標と具体的行動の明確化を目指した点も重要な成果と考えている。
人材育成の面では、市町村域を対象とした研修プログラムの開発と実施により、地域特性に応じた支援を担う人材の育
成を試行した。これにより、災害時におけるニーズ把握や関係機関との調整を担う人材基盤が形成されつつある。
また、「災害時の連携を考える長野フォーラム」やセミナーなどの開催により、多様な主体の参加とネットワーク形成を促
進し、支援の担い手の裾野拡大にも寄与したものと考えている。
加えて、岡山県や北海道など先進地域の視察を通じて、災害中間支援組織の運営やコミュニティ再生の重要性について
の知見を獲得し、それを長野県の取り組みに反映させるべく検討を続けている。さらに、隣接県との連携強化も進められ、
広域的な支援体制の構築に向けた基盤を整備しつつある。
評価においては、ネットワークの拡充という量的側面と、組織機能の強化という質的側面の両面から分析を行った。

その結果、関係団体間の意識変化や連携の深化、N-NETの中間支援組織としての役割強化といった成果を確認すること
ができた。
その一方で、ネットワークへの参加意欲は必ずしも高くなく、調査では「参加したい」と回答した団体は約1割にとどまり、今
後は参加促進のための仕組みづくりが課題として浮かび上がっている。
総じて本事業は、長野県における被災者支援の連携基盤を整備し、災害に強い地域づくりに向けた重要な一歩となったと
評価できる。

今後は、構築した体制の持続性確保や市町村レベルでの実装深化、さらには民間団体の参加拡大を図ることで、より実
効性の高い被災者支援体制へと発展させていきたいと考えている。

引用資料

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