【事後評価】いわき市に住まう女性の居場所づくり事業(一般社団法人Teco)
報告書要約
本事業「復興公営住宅に住まう女性の支え合い事業〜笑顔で繋がる福島の女性〜」は、東日本大震災から 15
年が経過する中で顕在化している、復興公営住宅に住まう女性の孤独・孤立の予防および回復を目的として
実施した。
震災直後とは異なり、現在の復興公営住宅では高齢化が進行し、単身高齢女性世帯の割合が高まっている。
一方で、近年はいわき市民の若年層や子育て世代の入居も見られ、住民構成の変化に伴いコミュニティの在
り方も変容している。自治会長やサークルリーダー等のキーパーソンの高齢化・退去により、既存のつなが
りが弱まりつつある中、特に配偶者との死別や役割喪失を経験した女性が孤立しやすい状況が見受けられ
た。
本事業では、女性が安心して集い、語り合い、役割を持てる場を継続的に創出した。2024 年 4 月から 2026
年 2 月までに 80 回以上の交流事業を実施し、延べ 1,000 名を超える参加があった。ものづくり、料理交流、
健康体操、季節行事等、女性が主体的に関わることのできるプログラムを展開することで、自己効力感の向
上や関係性の再構築を図った。
また、当初予定していた個別支援の枠組みを見直し、スーパーバイザーの助言を得ながら災害ケースマネジ
メントの視点を取り入れ、買い物支援・コミュニティ支援バスへと事業を発展させた。これにより延べ約
186 名が外出機会を得るとともに、見守り機能の補完にもつながった。
さらに、社会福祉協議会連携避難者支援センターいわきやみんぷく等との定期的な情報共有を行い、地域支
援機関との連携体制を強化した。あおい地区の実践者を招いた自治会長向け研修や職員研修の実施、外部評
価者による事業評価計画の策定補助、アンケート分析など行い、事業対象となる住民の現状について解像度
が向上し、今後の事業の質向上へと繋がる自己評価を行うことができた。。
加えて、本事業での取り組みおよび成果を写真中心でまとめた 16 ページの冊子を制作し、関係機関等へ配布
するとともに、SNS 等を通じた情報発信を行い、他地域への波及を図った。
本事業で得られたアンケート結果は支援活動の質の向上に資する資料として、関係支援機関にも共有予定で
あり、いわき市内での支援活動の相乗効果による住民の孤立防止に期待する。
本事業は、復興公営住宅における女性の孤独・孤立という見えにくい課題に対し、交流と生活支援を組み合
わせた包括的なアプローチにより、支え合いの基盤を再構築する取り組みであった。今後も持続可能な形
で、地域に根差した女性のつながりを育んでいくことが求められる。
引用資料
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