• 公開情報
  • 2022年度

高知県

【事後評価】「いなか」の食と産業と福祉をつなぎたい!(一般社団法人いなかパイプ)

団体
一般社団法人いなかパイプ
種別
実行団体
事業
「いなか」の食と産業と福祉をつなぎたい!
種別
通常枠(イノベーション企画支援事業)

報告書要約


本事業は、高知県四万十町十和地区を中心とした中山間地域における「地域活力の低下」「伝統的な生活・文化の継承危機」「経済・生活面の不安」という課題に対し、中間支援機関が核となったプラットフォーム(コミュニティ)を構築することを目的として実施されました。2023年6月から2026年2月までの期間、多世代・他地域の人々が「食」を通じてつながることで、持続可能な中山間地域のモデル構築を目指しました。
本事業では、主に「ヒト」と「モノ」の循環を促すロジハブシステムの構築に取り組み、以下のような成果を上げました。
●ヒトのロジハブシステム(人材交流)
都市部の通信制高校やNPOなど、中間支援的な役割を果たす組織と連携し、のべ49名のパート・インターン・ボランティアを受け入れました。参加者には、高校生や大学生、ひきこもり支援を受けている若者、うつ病療養中の方、高齢者などが含まれ、地域伝統料理づくりのお手伝いを通じて自己肯定感の向上や多世代交流といった波及効果が見られました。
●食を通じた居場所と「かそべん」の展開
「かそべん(過疎地の弁当)」をアイコンとし、2,063食をのべ113の組織へ提供しました。これにより、食べる人・つくる人・手伝う人という明確な役割による「市民参加」の機会を創出しました。
●物流・支援物資のネットワーク
弁当配達の帰路を活用し、都市部の団体から預かった支援物資を過疎地域の社会福祉協議会へ届けるという、相互の流通システムを構築しました。これは、平常時だけでなく災害時にも機能する広域連携モデルとなりました。
成功要因と課題としては、
●成功要因
1) 中間支援組織との連携:行政や社協、都市部のNPO等とつながることで、個別のニーズに応じた人材紹介や販売先の確保が可能となりました。
2)ローカルフードシステムの明示化:多世代・多地域のコミュニティ活動をモデル化したことで、農林水産省主催の「食育推進全国大会」への招待を受けるなど、全国的な波及効果を生みました。
●課題
地域課題(高齢者に依存する食文化維持の難しさ)の理解を得るのに時間がかかったことや、地元の子育て世代が働くための保育環境の不足、遠方からの参加者に対する渡航費用の負担などが今後の課題として挙げられています。
3
本事業は、元気高齢者が守ってきた食文化という「公益」を、市民全体で支える仕組みへ転換する挑戦でした。提言としては、人材や物資を送り出す「中間支援ロジ組織」と、現場でコーディネートを担う「中間支援ハブ組織」が連携することが、広域的な地域課題解決の鍵となります。 助成終了後は、「かそべん」の販売による自主事業収益を主財源とし、引き続き多様な世代・地域の人々が参加できる仕組みを維持します。また、過疎地域同士のネットワーク構築やWebサイトでの発信を強化し、全国の中山間地域へのモデル普及に取り組む計画です。

引用資料

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