• 公開情報
  • 2022年度

青森県

【事後評価】多様なパートナーシップで食支援を広げる事業(社会福祉法人青森県社会福祉協議会)

団体
社会福祉法人青森県社会福祉協議会
種別
実行団体
事業
多様なパートナーシップで食支援を広げる事業
種別
通常枠(イノベーション企画支援事業)

報告書要約


本事業は、青森県内における「食でつながる居場所」を軸とした地域福祉の充実を目的に、住民、企業、行政、社会福祉法人など多様な主体との連携を強化する形で実施された。特にコロナ禍を経た地域において、居場所活動の継続や拡充が困難になったケースもあり、事業は既存の活動を支えつつ、活動の広がりと持続性を確保する意義があった。
県内における物流支援の仕組みづくりとしては、当初ロジ拠点やハブ拠点の整備による食品寄贈の効率化を目指したものの、配送面での企業交渉や人員・経費の制約から、想定通りには進まなかった。しかし、青森県社協の取り組みが周知され、規模が拡大する中で、支援・連携する企業や団体が増加し、寄贈食品の分配も多様な形で行われるようになった。具体的には、ハブ拠点への直接配送や、寄贈元での分配などの工夫により、青森県社協を介さずに企業と居場所運営者が直接関わるケースも増え、地域内での自律的なネットワーク形成が進んだ。寄贈件数は年間平均約300件、定期的な支援を行う団体は25団体に達し、株式会社セブン-イレブン・ジャパン、イオン東北株式会社などの企業が継続的に協力している。
居場所活動の拡充も着実に進んだ。県内の居場所登録数は2022年度末の61団体から2025年10月末時点で91団体に増加し、居場所が未登録の町村数も24町村から17町村に減少した。新規開設や登録促進のため、県と連携して住民向けの立ち上げ講座を開催し、運営希望者やボランティアへの相談窓口を設置するなど、活動を支える体制を整えた。また、助成情報や運営ノウハウを共有するネットワークミーティングや、SNS・HPを通じた情報発信を通して、運営者同士の交流や活動の持続を支援した。地域の連携強化の面では、「食でつながるフェスタ(HANGOUT FESTA)」の開催により、八戸地域を中心とした居場所運営者、関連企業、行政との接点を創出し、運営者同士の意見交換や事例共有を促進した。さらに、県内外の先進事例(フードバンク八王子の見学など)を研修会で紹介することで、ノウハウの共有や活動の発信力強化につなげた。これにより、地域住民や企業の参画意欲が高まり、居場所活動への理解や支援の裾野が拡大した。
福祉分野の人材育成にも取り組み、青森県社協が主体となる「青森しあわせネットワーク」やCSW養成研修を通じ、社会福祉法人や市町村社協職員への働きかけを強化した。これにより、福祉分野のネットワークを活かした支援体制が整備され、居場所活動の持続性向上に寄与した。今後は、県内約900か所の社会福祉施設への働きかけを通じて、活動の拡充や人材参画をさらに推進する予定である。一方、事業実施を通して得られた反省点として、優先度の低いアウトカムや活動への取り組みに時間やリソースが分散した面があり、重点の明確化により狙った効果をより引き出せた可能性がある。また、県社協一団体で全県の中間支援を担うことには限界があるため、地域単位での中間支援組織(市町村域のネットワーク団体等)の構築・育成も今後の課題とされる。中間支援組織が安定的に運営されるためには、恒常的な財源確保やファンドレイジング、行政との連携など、現実的な支援体制の整備が重要である。
総合すると、本事業により、青森県内の「食でつながる居場所」の増加、企業・団体との連携拡大、地域住民の参画促進、人材育成ネットワークの構築など、多面的な成果が確認された。地域住民が安心して関われる食を通じたコミュニティの基盤が形成され、今後もこれらの取り組みを活用して、地域福祉の充実や中間支援体制の強化を進めることが期待される。

引用資料

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