• 公開情報
  • 2022年度

長野県

【事後評価】研究調査事業(信濃教育会)

団体
信濃教育会
種別
実行団体
事業
研究調査事業
種別
通常枠(災害支援事業)

報告書要約


【何をしたか】1年目は研究調査委員会を設置して現状及び課題を分析した。また、東日本大震災の被災地を視察し、防災教育の今後のあり方について整理した。2年目は、研究調査委員在籍校を中心に実践的な研究を進め,中間報告もかね「第1回防災教育県民セミナー」を開催した。3年目は、主に研究調査活動の研究成果をまとめ、整理、発信する活動を行った
。具体的には、学校における現状の防災教育アンケート調査の実施。能登半島地震の被災地視察。また、3年間の成果を防災教育実践集「災間だからこそ」にまとめ、県内小学校・中学校・特別支援学校・私立学校・県及び市町村教育委員会に配布した。この他に、「第2回防災教育県民セミナー」の開催。「防災子ども会議」を実施し、県内外で防災教育を進めている子どもたちが調査内容や具体的な活動を発表し合い、情報ネットワークを形成した。
【成果】
〇なかなか学校は新たな試みをしようとしても、実施にいたるまでには、困難なハードルがいくつもある。しかし、前例踏襲の避難訓練を、児童生徒が主体的に考える避難訓練へと工夫改善しようと一歩踏み出す学校が見られるようになってきた。
〇学校組織は構成する教職員の共通理解、そして、管理職のリーダーシップがないと、課題把握しても新たな視点で改善工夫することについて困難なことであることがわかった。「防災教育県民セミナー」での発表校においても、教職員の共通理解のもと推進することができた。
【課題】
〇当初の目的でもある学校を地域に開き、連携して防災教育・避難訓練等を行う学校は、まだ数は限られている。しかし、地域の方と連携し防災マップ作りのためのフィールドワークを実施した小学校。小中ともに防災減災教育について意見交換し、避難訓練を同日同時刻に保育園も含めて実施した小中学校。昼夜問わず万一を考えた時の避難を想定して地域連携を学校から呼びかけ避難訓練を実施している特別支援学校。今後、これらの実践校の活動内容や実践状況を広く周知支援し、課題解決を図っていきたい。
【提言】
〇防災教育及び避難訓練等の課題を改善しながら推進していくには、組織として重点活動に位置づけ、構成員の共通理解を図りながら進めることがポイントとなる。その際、学校組織では校長・教頭・教務主任のリーダーシップ、防災担当と共に歩む体制づくりが実践化への重要な視点となる。まずは、学校の内なるハードルを越える手立てを考えていきたい。
〇学校から地域と連携した防災教育を進めるには、学校の教育活動の中から生まれる児童生徒の生き生きとした学びの姿が起点となる。例えば、地域役員と中学生が自分の地域の防災活動について共に考え、実施する活動を継続的に推進している中学校実践。生徒の主体的な姿が地域の方々のやりがいにもつながり、連携が深まっていく事例から、学校を開き地域と共に歩む防災教育の具体の姿として大変参考になる。
〇学校運営における防災教育の重点化、仕組みづくり(カリキュラム構築や時間数の確保等)などマネジメントの部分で経年、継続的にブラッシュアップしていくことや、毎年の確かなふりかえりのもと課題改善へとつながる次なる目標を設定、探究的に活動を推進していくことが重要となってくる。
〇受け身的な「やらされる防災教育」という印象が学び手にあるのも事実。しかし、災害については予想困難なことであり、「備え」がこれで十分ということはない。教職員、保護者、地域の方々とともに児童生徒が主体的に創造性を発揮しながら探究的に学び深めていく防災教育が今、求められている。防災教育を窓口にまさに探究的な学びの中で、自らの暮らしに生きる力を育む学習は、今後、大事な学びのステージであることを意識したい。
【まとめ】
信濃教育会研究調査委員会は3年間の事業をこれで完了することになるが、「防災教育」の研究と普及については、長野県内の実践状況や課題意識からみて、まだ途上であり、学校において「内に開き、地域に開かれた防災教育」を確かに推進していく必要性を強く感じている。そのためにも、近隣県の防災教育に関わる現状把握・連携を通して長野県内の学校における防災意識を高め、防災学習・防災活動の改善、課題解決を図る支援を継続的に推進していきたいと考える。子どもを含めた県民の命を守ることは、公益社団法人として重要な使命であると自覚しており、この研究調査活動を通して継続的に寄与できればと考えている。

引用資料

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