社会的インパクト評価
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通常枠(草の根活動支援事業)
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2022
2022
実行団体
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【事後評価】困難な問題を抱える女性の包括的自立支援事業(NPO法人くまもと相談所)
報告書要約
(1)事業概要と事業内容
熊本県には自立した生活を目指すために中長期にわたり、被支援者が必要とする支援に伴走する「女性自立支援施設」がない。よって、熊本県内に女性自立支援システムを構築すし、それを担いうる社会資源を整備することを目指した。具体的に、困難な問題を抱える女性たちが、安心安全な生活基盤を確保し、地域社会で自立した生活を継続できるよう支援することを目的とした、シェアハウスによる日常生活支援とお弁当屋を営む就労支援事業所(以下、店舗(就労部門)、あるいは店舗)による、社会生活・就労支援の両輪による自立支援の仕組みを整えることを目指した。
シェアハウスでは、安心安全な生活基盤を確保し、地域社会で自立した生活を継続するために、被支援者が必要とする伴走支援をおこなった。店舗(就労部門)では、就労意欲はあるが身体的精神的な問題で一般就労が困難な女性たちを、必要な配慮のもと雇用し、地域社会において望まない孤立を防ぎ、自らの力を回復しながら自立した生活を営むことができるようにお弁当屋を営む店舗(就労部門)を開設した。
(2)事業の成果(アウトカム)
被支援者への支援の成果を検証するために、シェアハウスと店舗(就労部門)を利用する被支援者を対象に、経済状態・日常生活状態・社会生活・自己決定について測る「生活状態スコア」、生活の安心感、相談できる人の有無、孤立・孤独感、自尊感情、自己決定意識を測る「自己評価アンケート」を定期的に測定し、被支援者へのヒアリング記録も活用した。その結果、生活状態スコアについては、経済的な厳しさは続くものの、日常生活(食事、清掃等)や心身の健康状態は改善傾向。社会生活における人間関係も広がりを見せている。自己評価アンケートでは、ほとんどの人が「安心だ」と回答している。ただし、自尊感情や自己決定意識については、短期間での形成は難しい傾向があった。ヒアリング調査では、「帰る場所(居場所)」があることの安心感、他者との適度な距離感や相談できる支援員の存在が、社会関係の拡大や将来への展望につながっていることが確認できた。店舗(就労部門)は、被支援者にとって重要な「居場所」となり、他者との関りやピアカウンセリング機能も得果たすことができた。
当団体の体制づくりにおいては、新規職員 4 名全員に対し、女性支援に特化した OJT を実施できたことで全国的にもまだまだ少ない女性相談支援員の養成をおこなった。行政主催の各種研修や会議への参加、ケースミーティングの実施、支援員 2 名体制での同行支援をおこなうことで、ノウハウの共有と支援員のスキルアップが実現した。店舗運営については、月平均売上目標は達成できた。ただし、独立した経営については継続課題である。社会への働きかけでは、行政会議等へ積極的に参加したことで、当団体の PR をおこなう機会が増え行政とのさらなる連携強化につながった。行政、民間団体からシェアハウス、店舗(就労部門)の視察の要望があった。また入居に関する問い合わせも増え、事業開始 3 年度目には、女性自立支援事業を立ち上げる際の予算に係る相談等も自治体から寄せられるようになった。
(3)成果と課題
このように、本事業は被支援者への適切な支援の提供、支援体制の構築、行政・民間団体等への働きかけにおいて一定の成果を挙げており、設定したアウトカムは概ね達成できたと考える。必ずしも当初より順調な運営がなされたわけではなかったが、それでもそのような達成度に到達することができた要因としては、「丁寧なアセスメントと個別支援計画作成、定期的なモニタリング」「被支援者の観察とステップアップを見込んだ作業の提案」「当初設けていた入居条件を段階的に見直すなど、適宜行なった事業の更新」「2 人 1 組で相談対応を行う強みと支援記録の共有」「行政等が開催する会議などへの積極的な参画」などが考えられる。もって本事業は、熊本県における困難を抱える女性の支援ニーズに対し、シェアハウスと就労支援を組み合わせて包括的な支援モデルを構築、提供した。詳細は以降の内容を参照されたい。
他方、事業の持続性を高めるために、今後も公設・民間の補助金事業への申請を積極的に行い、活動資金の確保に努める必要がある。また、店舗(就労部門)においても自立した経営を早期に実現するための様々な工夫を行い、収益増に努めることが肝心である。もちろん、職員の支援スキルの向上にも日々努めていく。自治体との連携は進展し目標の達成に向けたステップを着実に踏んでいる段階である。本事業の実績を基に、行政と共同で「女性自立支援事業」の構築と委託事業の受託に結び付けていく。
引用資料
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