社会的インパクト評価
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通常枠(草の根活動支援事業)
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2022
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実行団体
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【事後評価】困難な問題を抱える女性の包括的自立支援事業(NPO法人ささえる)
報告書要約
本報告書は、2022 年度休眠預金等活用事業として実施された「女性のための生活再建・自立支援事業」について、事業計画で設定したアウトカムの達成状況、事業の効率性、ならびに出口戦略・持続化の成果を検証し、今後に向けた知見と提言を整理することを目的として作成したものである。本事業は、DV 被害や生活困窮等により住まい・収入・心理的安定を同時に失った女性を対象に、緊急期から生活再建、就労・自立に至るまでを切れ目なく支援することを目的として実施された。相談者の年齢層は 10 代から 80 代までと幅広く、就労による自立が適さないケースも含め、生活再建を主軸とした柔軟な支援が求められる状況にあった。
アウトカムの達成状況については、短期的には、シェルターおよび相談窓口の運営を通じて、安全な居場所の確保と、安心して相談できる状態の形成が確認されており、短期アウトカムは概ね達成されたと評価できる。継続的な相談支援により、利用者が生活上の課題や今後の見通しを整理し、住居支援、制度利用、医療・福祉機関等につながるケースも複数確認された。中期的には、就労を希望する利用者に対して、関連する収益事業であるベーグル店を訓練・実践の場として活用したことで、訓練から就労への円滑な移行が見られ、利用者側の中期アウトカムについては一定の成果が認められる。一方で、すべての利用者が就労や経済的自立に至ることを前提としない支援が行われており、この点を踏まえ、中期アウトカム(利用者側)は「一部達成」と評価するのが妥当である。
また、地域・行政側においては、DV 窓口に限らず、子育て支援機関、地域包括支援センター、医療機関、ケアマネジャー等、多様な関係機関からの相談が増加し、相談・支援フローの明確化や連携の定着が進んだ。関係機関ヒアリングにおいても、「安心して紹介できる支援先ができた」「つなぎ先が明確になった」といった評価が得られており、地域・行政側の中期アウトカムは概ね達成されたと判断できる。事業の効率性については、シェルター、相談窓口、就労訓練、関係機関連携といった複数の支援を一体的に実施したことで、支援の重複やロスを抑えた運営が行われていた。特に、収益事業を就労訓練の場として活用した点は、投入した人員・資源に対して得られた成果の質を高めており、インプットと成果の関係性は概ね妥当であったと評価できる。出口戦略・持続化の観点では、助成終了後も事業を継続することを前提とした計画に基づき、シェルターおよび相談窓口事業の継続体制が整いつつある。加えて、収益事業が当初想定を超えて拡大し、就労訓練の安定化と事業継続のための財源確保につながった点は、特筆すべき成果である、今後予定されているステップハウス整備や新たな就労支援事業への展開に向けた基盤も形成されつつある。以上を総合すると、本事業は、KPI に基づくアウトカムの達成、効率的な事業運営、持続可能な出口戦略のいずれにおいても一定の成果を上げており、地域における困窮女性支援の包括的モデルとして有意義な実践であったと結論づけられる。
1-1.KPI の達成状況(アウトカムの観点)
短期的には、シェルターおよび相談窓口の運営を通じ、DV 被害や生活困窮等により不安定な状況にあった利用者が、安全な居場所を確保し、安心して相談できる状態が実現された。継続的な相談支援により、生活上の課題や今後の見通しを整理し、住居支援、制度利用、医療・福祉機関等につながるケースが複数確認されており、緊急期から次の支援段階への移行を支える中間的支援として、短期アウトカムは概ね達成されたと判断できる。中期的には、就労を希望する利用者に対し、関連する収益事業であるベーグル店を訓練・実践の場として活用したことで、訓練から就労への円滑な移行が確認された。年齢や背景、抱える課題が多様な利用者に対して、経済的自立を一律のゴールとするのではなく、生活再建を主軸とした柔軟な支援が行われた点は、本事業の特徴であり、利用者側の中期アウトカムに一定の成果が認められる。また、DV 窓口に限らず、子育て支援機関、地域包括支援センター、医療機関、ケアマネジャー等、多様な関係機関からの相談が増加し、地域内における相談・支援フローの明確化や連携の定着が進んだ点は、地域・行政側のアウトカムとして評価できる。
1-2.事業の効率性
本事業では、シェルター、相談窓口、就労訓練、関係機関連携といった複数の支援を一体的に実施したが、これらを個別事業として分断することなく運営したことで、支援の重複やロスを抑え、効率的な資源活用が図られた。特に、収益事業を就労訓練の場として活用した点は、訓練機会の確保と事業運営の双方に寄与しており、投入した人員・資源に対して得られた成果の質は妥当であったと判断できる。
1-3.出口戦略・持続化の成果
本事業の出口戦略は、助成終了をもって事業を終了するのではなく、助成により構築した仕組みを既存事業および今後の事業展開に位置づけ、持続的に発展させることを基本方針としていた。その中で、ベーグル店をはじめとする収益事業が当初想定を超えて拡大し、就労訓練の安定的な実施と、シェルターおよび相談窓口事業を継続するための財源確保につながった点は、特筆すべき成果である。これにより、助成に依存しない事業運営体制の構築に向けた現実的な見通しが立ち、今後予定しているステップハウス整備や新たな就労支援事業等への展開に向けた基盤が整いつつある。
以上を総合すると、本事業は、KPI に基づくアウトカムの達成、効率的な事業運営、持続可能な出口戦略のいずれにおいても一定の成果を上げており、地域における困窮女性支援の包括的モデルとして有意義な実践であったと結論づけられる。
引用資料
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