• 公開情報
  • 2022年度

熊本県

【事後評価】「幼児から大人までの継続的支援」枠組構築の為のA型事業所設立事業(株式会社常笑ファーム)

団体
株式会社常笑ファーム
種別
実行団体
事業
「幼児から大人までの継続的支援」枠組構築の為のA型事業所設立事業
種別
通常枠(ソーシャルビジネス形成支援事業)

報告書要約


本事業は、一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)が公募する休眠預金等活用事業の一環として、株式会社クロスエイジを資金分配団体とする「地域のスター農家による農福連携推進事業」に採択され、株式会社常笑ファームが実施した「幼児から大人までの継続的支援枠組構築の為のA型事業所設立事業」である。
本報告書は、一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)が実施する休眠預金等活用事業において、株式会社クロスエイジを資金分配団体として、株式会社常笑ファームが実施した「幼児から大人までの継続的支援枠組構築の為のA型事業所設立事業」(実施期間:2023年4月28日~2026年2月28日、実施地域:熊本県球磨郡湯前町および近隣地域)の事後評価結果を取りまとめたものである。
湯前町では障がい者(手帳所持者)が342人、うち生産年齢に該当する層も相当数にのぼる一方、人吉球磨圏域内の就労継続支援A型・B型事業所は限られ、受け皿が不足している状況にあった。加えて農業分野では高齢化率45.6%を背景に担い手不足が深刻化しており、耕作放棄地の増加が地域課題となっていた。さらに、グループ会社(株式会社常笑)が運営する放課後等デイサービス卒業後の就労先が地域になく、児童期支援から就労期支援への接続に空白が生じていた。本事業は、常笑ファームが中核となり、1既存の就労支援多機能型事業所「絆」(A型・B型)の経営引継ぎによる就労支援事業の開始、2計量機等の設備導入と作業の切り出しによる障がい者の能力に応じた作業環境の整備、3施設外就労先の開拓による就労機会の拡大、YouTube等のSNSを活用した農福連携の情報発信、を組み合わせて、農業の人手不足と障がい者の就労機会不足を同時に解決する基盤づくりを目的として実施した。事業期間中、A型・B型多機能型事業所の運営を開始し、利用者数は引継ぎ時の16名(A型6名・B型10名)から24名(A型10名・B型14名)へ拡大し、目標の15~20名を超過達成した。計量機の導入により袋詰め作業の効率が約3倍に向上し、1日あたりの出荷量が増加した。施設外就労では5事業所との連携を実現し、製材所・農園・清掃業務等の多様な作業先を確保した。農地面積も当初の2~3haから4.5haへ拡大し、2024年度のグループ売上は約6,500万円、2025年度は猛暑により売上減少したが約5,500万円(中長期目標1億円に対し進捗率65%)に達する見込みとなった。
短期アウトカムとして、(1)作業の切り出しと配置換えの仕組みにより、障がい者のレベルに応じた作業環境が整備されたこと、(2)グループ内の児童や支援学校の生徒の体験活動受け入れが実現し、グループ法人間での職員の情報共有体制が構築されたこと、(3)利用者自身が自分の能力に合った作業を選択できる状態が実現したこと、(4)施設外就労を通じて地域企業・農家における障がい者の受け入れと作業人員の安定確保が進んだこと、(5)施設見学やSNS等での活動発信を通じて、障がい者に対する理解促進の環境整備が進んだこと、を確認した。
一方、近隣農家との連携は活動時間帯のミスマッチ(農家の収穫は早朝5時前後、事業所の活動時間帯と不一致)により当初計画どおりには進まず、一般就労への移行も本人の環境変化への不安から方針転換を余儀なくされるなど、助成終了後の持続化に向けた重点課題が残る。今後は、外部就労の一部内製化による経営基盤の強化、職員のスキルアップ(法定研修以外の専門研修の導入)、六次加工(干し芋等)による農業の高付加価値化、農家へのスポット活用の再提案を通じて、モデルの定着と横展開を図ることが期待される。

引用資料

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