• 公開情報
  • 2022年度

滋賀県

【事後評価】自然体験と生活体験で、地域と繋がり生きる力を身につけられる学びの場づくり(日野里山フリースクール)

報告書要約


活動の概要
本事業は、学校に行きづらさを抱える子どもとその保護者が、安心して過ごし、学び、地域とつながることのできる場を地域の中につくることを目的として実施された。日野里山フリースクールでは、平日の継続的な開校を基盤に、子ども一人ひとりの状態や気持ちに寄り添いながら、学習活動、自然体験、生活体験を日常の中に位置づけてきた。また、保護者に対しては、相談対応や交流の機会を通じて孤立を防ぎ、「一人で抱え込まなくてよい」関係づくりを行ってきた。
さらに、地域住民やボランティア、学校、行政との関係づくりにも力を入れ、子どもの育ちを地域全体で支える土台づくりが進められた。
アウトプットの達成状況
フリースクールの開校、学習支援、子ども同士のミーティング、自然体験・生活体験、地域ワークショップ、講演会、見学会、行政・学校との協議など、計画された活動の多くは継続的に実施された。特に、学習支援や子ども同士の話し合い、地域住民を講師としたワークショップ、行政との懇談については、計画値を上回る実績が確認されている。一部、通信発行など情報発信の面で未達の項目はあったものの、全体としては計画どおり、またはそれ以上の水準で活動が行われた。
アウトカムの達成状況
本事業を通じて、学校以外にも安心して過ごせる居場所が地域の中に具体的に存在することが、子どもや保護者にとって実感を伴って示された。子どもたちは「ここに来ると安心できる」「毎日が楽しい」と感じながら過ごしており、自己肯定感や主体性の回復が確認されている。また、自然体験や生活体験が日常の学びとして定着し、地域の自然や人との関わりが、子どもの育ちに生かされている。保護者についても、相談できる相手や場とつながることで孤立が緩和され、自分や子どもを肯定的に捉え直す変化が見られた。さらに、学校や行政との連携が進み、出席認定や行政資料への掲載など、公的な仕組みの中でフリースクールの役割が認識され始めている。
総合評価
本事業は、当初設定したアウトカムの多くを達成し、子ども・保護者・地域・行政それぞれに対して意図した変化をもたらしている。特に、「多様な子どもの居場所・学びの場が確保され、子どもたちが自分らしく育っていくことのできる地域」という中長期アウトカムに向けて、具体的な実践と関係性の構築が着実に進んだ点は大きな成果である。一方で、事業の継続に向けた安定的な財源確保や人材体制の強化といった課題も明らかになっている。これらの課題に対しては、行政委託事業化の動きや、地域・関係機関との連携を通じた支援体制づくりが進みつつあり、今後の持続的な展開に向けた基盤は整い始めている。本事業の取り組みは、完成されたモデルを提示したというよりも、地域の中で試行錯誤を重ねながら、子どもを真ん中に据えた関係性を育ててきた点に大きな価値がある。その実践は、同様の課題を抱える他地域にとっても、十分に参考となるものであり、今後の広がりが期待される。

引用資料

RELATED

同じプロセスの関連ナレッジ

MORE

他のプロセスの関連ナレッジ