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  • 2021年度

岡山県

【事後評価】危機的妊娠をした居場所のない妊婦のシェルターとなる建物の建設・運営と就労支援への準備(NPO法人 妊娠しぇるとSOS )

報告書要約


2023年、1人の女性が産む子どもの数の指標となる「合計特殊出生率」は1.20となり、統計を取り始めて以降 最も低くなったことが厚生労働省より報告された。また、2023年の1年間に生まれた日本人の子どもの数は72万7277人となり、前年より4万3482人減少。こちらも、1899年の統計開始以降、最も少なくなった。 これほど子どもの人数が減少しているにも関わらず、2022年度中に、全国232か所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は214,843 件と、対前年度比+3.5%、7,183件増加し、過去最高となっている。こども虐待による死亡事例等の検証では、こども家庭審議会児童虐待防止対策部会(2023年4月設置)に設置されている「児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会」において検証が行われており、2024年9月に第20次報告が発表された。
その報告書によると、2022年(令和4年)4月1日から2023年(令和5)年3月31日までの間に発生、又は表面化した児童虐待による死亡事例は65例(72人)であり、そのうち、心中以外の虐待死は56人であった。その56人のうち 0歳児は25人(44.6%)、また、0歳のうちの月齢0か月児が15人《60.0%》であり、第5次から18次までの総虐待死のうち、新生児の0日死亡は17%に上ると報告されている。
「妊娠」という言葉には「幸せ」「未来」というイメージがあるが、中には、誰にも言えない思いがけない妊娠に一人で悩むこともある。妊娠・出産は女性のライフステージに大きな影響を与えるが、予期せぬ妊娠の場合、その節目節目で迷いや戸惑いがあり、決断を迫られながら葛藤するため、誰かに話しながら自分の立場や意思を確認していく作業が必要になる。たとえ望んだはずの妊娠であっても妊娠を知ったパートナーが失踪し妊娠が継続できなくなったり、経済的に育てられないと不安になったりすることもある。望まない妊娠の場合は、思い悩み 誰にも相談できないまま自宅や公園で出産し、その直後に実子を殺害してしまう新生児の0日虐待死の事例が発生する危険性が高まる。子どもの虐待死の中で一番多いのが、この0日虐待死であり、岡山県内でもこのような事例が見受けられる。名前を名乗らなくても、電話やメールにより相談できる窓口で相談が行えることや、病院を未受診だったり妊娠届けが出来ていなかったりする方にもアウトリーチから支援につなげることで、「妊娠」をきっかけに孤立することなく、幸せに生きられる社会の実現を目指し、産む・産まない、育てる・育てないにかかわらず、すべての妊娠に寄り添った支援ができるよう、2022年2月にNPO法人妊娠しぇるとSOSを立ち上げ、2022年6月より相談窓口「おかやま妊娠SOSしぇると」を開設した。開設時の相談員は助産師7名、保健師1名、精神保健福祉士1名、社会福祉士1名、公認心理師1名で、毎日14時から20時に相談を受け付けている。
妊娠について葛藤を抱える方々の相談の中には、相談のみでは十分な支援ができないケースがあった。妊娠したことを誰にも言えないと思っていても、いつまでも内緒にしておくことはできない。妊娠したことが発覚し、親との関係性が悪くなったり彼と連絡が取れなくなったりして、自宅でも実家でも落ち着いて過ごせず、友人宅やネットカフェを転々とするという相談が入るようになった。特に、産みたい・産むしかないという相談の中に落ち着ける居場所がない方がおられた。
入り口となる相談窓口と共に、受け皿となる居場所の必要性を実感し、休眠預金活用事業により、2023年4月から中四国地方では初めての居場所のない妊婦さんの一時的な宿泊場所を開設した。その結果、2023年11月から2024年12月末までに6名の妊婦の入所があった。
今回、休眠預金活用事業での事後評価をここに作成し、報告書とする。

引用資料

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