• 公開情報
  • 2021年度

愛知県

【事後評価】母子家庭等住宅確保困難者に対する、居住から自立まで一気通貫サポート事業(特定非営利活動法人LivEQuality HUB)

報告書要約


本事業「母子家庭等住宅確保困難者に対する、居住から自立まで一気通貫サポート事業」は、収入減少やDV被害による住宅喪失リスクを抱える母子家庭に対し、住居提供から生活基盤の確立、社会的・経済的自立に至るまでの包括的支援を目的とした取り組みである。本事業は2022年5月から2025年2月まで、愛知県名古屋市及びその周辺地域を対象に実施され、多様なステークホルダーとの連携を通じた効果的な支援モデルを構築した。
事業期間中、居住支援窓口では延べ452件の相談を受け、229件の支援に繋がった。また、コレクティブインパクト勉強会には延べ372名が参加し、地域連携の基盤を強化した結果、支援物件の提供者は増加し、居住支援活動を通じて多くの母子家庭が安定した生活基盤を構築した。特に、入居者の社会的・経済的自立度合いを測定する評価では、入居後2年以上経過した世帯の100%が目標基準を達成したことが確認された。
本事業の主な成果として、以下が挙げられる。
1.住まいの安定化と生活基盤の確立
提供された住居は単なる物理的な居住スペースにとどまらず、行政や地域団体と連携した法的・心理的サポート、教育支援を含む包括的支援が行われた。これにより、母子家庭が地域社会に溶け込み、孤立することなく生活できる基盤が形成された。
2.多機関連携による総合支援の実現
DV被害者や支援ニーズが多岐にわたる母子家庭に対し、支援団体や地域の専門家との連携を強化することで、個別ニーズに対応した柔軟な支援が可能となった。例えば、生活保護申請の支援や教育機関との連携による子どもの学習支援が挙げられる。
3.潜在的な支援対象者への早期介入
従来支援に繋がりにくかった離婚調停中の母子家庭やDV被害者に対して、積極的なアウトリーチ活動を展開した。その結果、早期介入を通じて支援対象者の生活の安定化を実現した。
4.精神的ケアと地域社会との繋がりの形成
ワークショップやカウンセリングを通じて、入居者の精神的ケアを実施した。また、食料支援や地域イベントを通じて、母子家庭が地域社会の一員としての繋がりを構築するきっかけを提供した。
本事業の成功要因は、コレクティブインパクトを基盤とした連携モデルの構築にある。地域内外の多様なステークホルダーが一体となり、社会課題に対する解決策を協働で模索したことが、持続可能な支援体制の確立に寄与した。また、認定NPO法人としての資格取得やクラウドファンディングを通じた収益基盤の確立も重要な役割を果たした。
一方で、行政手続きの複雑さや制度の限界による支援の遅延といった課題も浮き彫りとなった。
これに対しては、継続的な行政関係者との対話を通じ、柔軟な支援体制の構築を模索する必要がある。
本事業の知見を基に、今後は成功モデルを全国に展開し、地域特性に応じたコンソーシアムを構築することで、より多くの家庭を支援することを目指す。引き続き、地域社会との連携強化と資源の有効活用を通じて、社会的包摂の実現に貢献していく考えである。

引用資料

RELATED

同じプロセスの関連ナレッジ

MORE

他のプロセスの関連ナレッジ