• 公開情報
  • 2021年度

兵庫県

【事後評価】地域で支える母子ハウス事業(宝塚NPOセンター)

団体
宝塚NPOセンター
種別
実行団体
事業
地域で支える母子ハウス事業
種別
通常枠(ソーシャルビジネス形成支援事業)

報告書要約


本事業では、兵庫県宝塚市小林地域においてシングルマザーハウスの運営を実施した。一般的にはシングルマザーに対して住まいを提供することに特化する傾向にあるが、本事業では住まいの支援に加え、キャリアコンサルタントによる就労支援、フードバンク等を活用した生活支援、臨床心理士による心理支援等の多様な支援をパッケージとして提供し、シングルマザーが自立するための期間として運営を行った。多様な支援を提供することにより、4年間という定期借家契約期間内での自立に向けて、具体的に自立した生活を設計し実現することに対する伴走支援を実施することができた。また、食糧支援を提供することにより生活費に占める食料費の割合を低減し、Withを退去した後の生活のための貯蓄の形成などにも貢献することができたと考えられる。さらに、心理士による面談を通じて、シングルマザーが抱える子育てに対する孤独感や職業・生活の安定に対する不安感を和らげることができていることも、支援を受けるシングルマザーの実態を通じて確認することができた。

加えて、本事業では、シングルマザーハウスの運営を一般賃貸住宅型で実施することに加え、コミュニティルームを設置し地域に開く形で運営した。これにより現在、主流となっているシェアハウス型のシングルマザーハウスにおいて懸念される入居者同士の関係性から生じる生活上の課題や地域での暮らしの定着度が低く結果的にシングルマザーの自立を妨げる可能性などに対してもアプローチした。結果として、入居者同士の関係性は良好に経過し、子ども同士の関係性が生まれ、関係性が良好な状態のタイミングでは、コミュニティルームを活用した「ごはん会」を入居者同士で開く等、適当な距離感でのコミュニティの創出に貢献できたと考えられる。一方で、子ども同士の関係性が変化すると「ごはん会」が開催されなくなるなどの事象も見られたが、こうした関係性の違いは子どもがいる家庭においては起こり得ることであると考えられ、大きな問題とはなっていない。

コミュニティルームでは、大学連携や地域活動連携を積極的に行うことができた。コミュニティルーム内の家具作成を目的として開かれたDIY会(「とんかちDay」と命名)を実施したことを皮切りに、「縁日Day」や「お下がり服交換会」などの地域活動のイベントの実施を行うことができた。こうした地域活動の場には入居者の子ども達も参加する姿が見られ、一定程度の効果があったと考えられる。また、こうした活動から派生して「おかえり食堂」「いってらっしゃい食堂」のような地域住民が活躍する場づくりの支援も実施することができた。こうした取り組みが評価され、企業からも食料品、本の提供などの多様な支援を受けることができ、食糧支援につながるコミュニティフリッジの運営も実施することができた。

上記のような支援を伴うシングルマザーハウスの運営形態について、地域での理解も深まったことで、要保護児童対策地域協議会に参画することとなり、シングルマザーハウスの運営者として地域活動に貢献するという成果も得ることができた。

外部評価委員からも、「多様な心理支援がワンパッケージで提供され、形骸化していない」点や「コミュニティルームを媒介とした地域活動の展開」が高く評価され、こうしたシングルマザーハウスの運営事業における住まいの提供以外の活動の必要性を感じられる結果となった。

今後の展望として、入居募集者が募集住戸に対して30倍と高倍率となり、こうした住まいへのニーズが明らかになる中で、同一地域内においてシングルマザーハウスとして展開する住戸数を向上させ、コミュニティルームをハブとして、地域にこの価値を展開することで、同様の課題を持つより多くの世帯に貢献できるとともに、運営資金的にも安定性が向上すると考えられる。

引用資料

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