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  • 2021年度

大阪府

【事後評価】地域エコシステムにつなげる地域防災女性ファシリテーター養成事業(一般財団法人 大阪男女いきいき財団)

報告書要約


本事業は、女性の活躍が災害の困難を軽減する地域創り(災害支援事業)「女性のエンパワメントで高める地域の防災力リーダー育成事業」
の取組みとして、大阪をはじめとする関西圏において「地域防災女性ファシリテーター養成事業」を実施したものである。
地域防災女性ファシリテーター養成事業では、主に養成講座の開催、講座修了者によるコミュニティの形成への支援、地域防災活動への女
性の参画を働きかける啓発活動に取り組んだ。

短期アウトカムとしては、地域防災女性ファシリテーター養成講座の成果は、防災分野の知識と実践をはじめ、女性のリーダーシップ、ファシリテ
ーションスキル、アクションプランづくりを習得した修了者が3年間で新たに55名を輩出し、実際に自ら所属するコミュニティなどで活動を開始して
おり、延べ 114 件の実践活動が生まれた。

次に、講座修了者によるコミュニティの形成を支援し、対面での交流会を3年間で6回実施し延べ200名が参加するなど修了者コミュニティが
設立できた。仲間・相談相手との出会い、スキルアップといった交流・研修の支援の仕組みが始動し、修了者のエンパワメントに寄与した。
啓発活動の成果は、事例集の作成・配布や講演会等を通じて、防災・減災活動に女性が参画することの重要性・必要性を啓発する機会が
10 件と増えた。このように、短期アウトカムについては設定した目標を達成することができた。
中長期アウトカムである防災・減災活動における女性リーダーの増加及び女性リーダーが地域社会に理解され有効である事業と認知されてい
る状態への変容に対しては、本事業は、地域防災女性ファシリテーターの輩出とその活躍を促進させ、地域の防災力向上に向けた実践活動の
増加をもたらしているとともに、行政の審議会委員の輩出など政策・方針決定過程への参画を後押した。また、大阪府議会や大阪市会におい
て、女性リーダーの育成や活躍の重要性を提起する端緒の役割を果たすなど、地域社会にインパクトを及ぼした。直接的には講座での55名の
修了者の輩出とその活動 114 件の増加によって、地域社会に好影響を与えた。

さらに、講座のプログラムに加え、仲間との出会いがネットワークを広げ、コミュニティを生み出し、修了者の自信や意欲を高めるとともに、行動
する勇気を醸成した。また、修了者はリーダー像を再定義し、リーダーシップのありかたに関して考え方や見方が変わり、自分なりのリーダー像を
捉え、リーダーシップを発揮している。

一方、ジェンダー意識は地域に根強く残っており、修了者は変化を望むものの慎重さが必要とも考えている。なお、変化の兆しも実感している。
また、養成講座がメディアの取材を受け、女性ファシリテーターとして学んでいく様子が発信されたり、横浜・熊本での「ぼうさいこくたい」のセッシ
ョンで 2023・2024 年度の 2 年連続で取り上げられたり、大阪府議会及び大阪市会において女性の参画促進が議論されるなど、間接的にもア
ウトカムが発現してきている。

一方、中長期アウトカムである防災・減災活動における女性リーダーの増加に関しては、参考指標とした大阪市における地域防災リーダーの女
性比率については、19.3%から 20.1%までは上昇したが目標指標の 30%までには至っていない。

波及効果としては、修了者によるコミュニティの形成への支援を、対面やオンライン、SNS も活用しながら運営したところ、修了者同士の情報交
換・共有が始まり、活動を相互に助け合ったり、活動を一緒に企画・実施したりするなど、当初は想定していなかった修了者同士の連携や協働に
よる活動が活発に行われた。

次に、実行団体として本事業を3年間にわたり展開したことにより、養成講座及び修了者コミュニティへの形成支援などを通じて、事業の企画・
実施、受講者への面談といったフォローやサポートにかかる経験やノウハウを組織に蓄積できたとともに、修了者及び修了者コミュニティが、当財
団が今後に防災に関する取組みを行う際の人的資源となったことも、本事業の波及効果である。

さらに、資金分配団体である「地域創造基金さなぶり」のコーディネートにより、全国6都市の実行団体が連携し実施した「ジャパン女性防災リー
ダーサミット 2025」を契機に、広域的な女性防災リーダー講座の修了者ネットワークを構築したことで、平常時の交流が生まれ、災害時に遠隔で
の共助活動が期待できるようになったことも波及効果である。
副次的効果としては、2024 年 1 月に発災した能登半島地震において、発災後まもなく修了者とともに被災地支援活動を始動させ、女性向け
支援物資としてポーチのセッティングや輪島市等での活動 4 回を実施した。また、これらの活動で得た被災地での知見や教訓を自らの所属する
コミュニティで報告会を開催するなど、リーダーシップを発揮できたことがあげられる。さらに、修了者の自治体の審議会委員や区政会議委員など
の政策・方針決定過程への参画がみられた。

今後の課題としては、地域防災女性ファシリテーター養成講座の修了者の輩出及び修了者コミュニティへの支援を図り、より一層修了者の活
動が拡大・充実するとともに、それらの活動を広く情報発信することにより、防災・減災活動にジェンダー平等や多様性の視点を取り込むことの意
義が地域社会に浸透するように努めていく。

引用資料

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