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  • 2021年度

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【事後評価】防災・減災にかかる⼥性のリーダーを創出する事業(認定特定非営利活動法人いわき放射能市民測定室)

報告書要約


2011年の東日本大震災は地震・津波・原発事故が同時に起きた複合災害である。地震や火山国であり、海に囲まれ原発にも囲まれている日本では、今後も同様の災害が起きる可能性がある。本事業は災害が毎年頻発する中、「たらちね」が今後起こり得るかもしれない原子力災害に備えるため、11年かけて構築した経験や技術を伝承し、同様の災害発生時に役に立つ女性リーダーを育成するべく、原子力防災事業を遂行したいと考えた。

事業成果として、自身が講師となり教える側へ成長できている事例や修了生の行った防災減災活動から、原子力防災の特性を理解し、説明できる能力を持った人材育成に成功し、その人材は全国に広がったと考える。修了生同士の物理的な距離はあるが、原子力防災の共通土台や、協働作業ができるなどの「心理・認識・活動土台・つながりの距離」が築けたことは、今後各地で起きうる災害に備えるためのネットワークが広がったと評価したい。
人材育成の成功要因は、放射能測定技術や知識を惜しみなく伝承したことや、「なぜ測定することが必要なのか?」この土台をしっかり伝えたことである。そこが伝わったことで、修了生自身の防災活動で”原発災害の話を入れたことはなかった”から、平時の今だからこそ、”原子力防災が必要である”と自分事に置き換えて行動へ移す原動力となった。

外部要因として、ツール利用が挙げられる。原子力災害に敏感な人もいれば、無関心な人もいて、情報の捉え方も違うため、言葉だけで伝える難しさも感じていたことから、ツールを利用し正確な情報を発信できたことや、そこから話しやすさが生まれ、大変有益であったと捉えられた。

次に内部要因として、ふたたび原発事故が起きてしまったとき、同じような経験をしてほしくない、必ず役立てほしいと、福島の経験を基にノウハウを共有したことである。「私たちと同じような経験はしてほしくない」というたらちねの思いが伝わったことも大きいが、「同じ経験はしないよう、地域や家族を守りたい」と参加女性のエンパワーメントが発揮されたことも大きい。

福島第一原子力発電所の事故の時、被ばく防護のあり方を知っていた人は、実際に近隣の方にアドバイスを行った経緯がある。今回、人材育成がなされたことで、もし、原子力災害が起きた時、居住地域の住民に対し、被ばくの防護の呼びかけができる。放射能の危険性や被ばくの防護の呼びかけができることは、多くの市民の被ばくの軽減につながる。また同じように測定することも求められる。そこには一定の時間と賃金、技術を準備して測定にいたるまでの時間が予想される。今回、測定技術を獲得したことで、この期間を短くすることができる。そうしたことで子どもたちをはじめとした命を守る・少しでも安全な地域を作る・健康を守るなどの社会課題解決へ繋がると考える。

今、日本では、千鳥海溝巨大地震、南海トラフ大地震など、大規模災害が起きることが予測されている。それは、いつ起きるかわからない。
たらちねでは、原子力防災に関わる方や関心をもつ人、地域での対話数が増えていくよう、福島での経験を伝え、助成期間終了後も地道に活動し続けていく必要性を感じている。

引用資料

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