【事後評価】コミュニティファンドによる地域の資金循環と若手支援者を生み出す人材育成事業(一般財団法人ぐんま未来基金)
報告書要約
本報告書は、一般財団法人ぐんま未来基金が実施した「コミュニティファンドによる地域の資金循環と若手支援者を生み出す人材育成事
業」について、3年間の活動成果とその達成度を検証し、今後の持続的発展に向けた課題と展望を明らかにしたものである。
まず、アウトプットの観点では、県内初のコミュニティ財団の設立を実現し、寄付者数337名・寄付総額403.8万円と、基本財産目標を上回
る成果を収めた。また、設立記念助成では8団体への支援を実施し、ローカルファンドでは4地域にプログラムオフィサーを配置するなど、
地域における資金循環の仕組みづくりを推進した。若手人材の育成は1名にとどまったが、複数の研修プログラムを通じて実務スキルの向上
が図られた。イベント出展やキャラバンを含む接点形成は延べ243名にのぼり、地域認知の向上にも寄与した。
次に、アウトカム(成果)の達成度については以下の通りである。
「きざしに寄り添う仕組みづくり」については、助成団体へのヒアリングを通じて、団体ごとの課題感に応じた柔軟な伴走支援が評価され
た。組織運営やファンドレイジング、会計などにおける具体的な支援が提供され、助成団体間の連携・協働も生まれている。
「きざしを育む仕組みづくり」については、助成件数や地域ファンドの寄付額は目標に届かなかったものの、新たな実行主体の立ち上がり
や、寄付キャンペーンの展開など、地域に新たな動きと可能性が生まれた。助成先の多くは初めて助成金を受け取る団体であり、社会課題
への第一歩を後押しできた点が評価される。
「きざしをつなぐ仕組みづくり」では、金融機関や支援団体との接点拡大が見られたが、連絡会は準備段階にとどまり、エコシステム構築
には今後の継続的な取り組みが求められる。
加えて、本事業から得られた主な学びとして、「多様な主体による連携には、共通言語の形成と対話の機会が不可欠であること」「社会課
題の捉え方やアプローチの違いを認識し、調整する力が財団に求められること」が挙げられる。マルチステークホルダーの協働により、多
角的な視点で事業設計・評価が行える強みも確認された。
一方で、人的リソースの不足、支援体制の整備不全、意思決定の遅れなどの課題も明らかとなった。今後の展望としては、安定的な組織
運営、多様な助成メニューの構築、地域連携の深化に加え、非資金的支援を通じた団体基盤の強化、寄付キャンペーンの戦略的展開が求め
られる。
本事業は、ぐんまの地に新たな資金循環のきざしを示し、「支援する人」「実行する人」「寄付する人」の連携を促す新しい社会モデルへの
第一歩となった。これを礎に、持続可能な地域社会の実現に向けたさらなる挑戦が期待されると考える。
引用資料
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