【事後評価】生きづらさを抱える人も幸せになれる地域の居場所づくり(特定非営利活動法人 よってカフェ)
報告書要約
1. 課題
発達の偏りなどが要因となって人との関わりや親子関係に困難を抱えている児童・保護者が地域には確実に存在しており、公的な支援の手は差し伸べられているものの、つながるタイミングが遅く、困難がより大きくなって抱えきれなくなったところで表れることも多い。いかなる仕掛けをつくれば、早期発見やタイムリーで適切な支援につながるのかということについて、仮説を立て検証を進めてきた。
2. 中長期アウトカム
「南砺市井波地区の小学生が放課後の居場所やフリースクールを活用することで自己肯定感をもって生活でき、保護者も支援を受けられることで幸せな子育てができる。」
上記の中長期アウトカムを設定し、本事業では居場所づくりや支援体制を以下のように構築した。
・『障がいのある児童が行くところ』ではなく、普段から慣れ親しんでいる遊び場に行く感覚で支援が受けられる。
・親は行かせたいが本人は行きたがらない、という状態ではなく、本人が行きたいと言うから行かせてあげている、という場所で支援が受けられる。
・そこに集まっている児童は、特性の有無に関わらず他の児童と自然に関係を持ち、人との関わりを楽しみながらトラブルも程よく経験し、それを通して成長していくことができる。
3. 活動・アウトプットによる対象者の変化
発達特性がある児童は平均的・一般的な声かけや関わりでは想定外の反応が返ってくることがあるため、一般的な児童の放課後の受け皿である学校併設の児童館等では問題児扱いされてしまうことも多い。そのような児童にとって安心して自分らしく居られる受け皿ができることで、特別な重い相談ではなく、日常の些細な困りごとから、ささやかな成長の報告まで気軽に細かく共有できるつながりが生まれた。
また、既存の公的支援の受け皿であった適応指導教室等には見られなかった自由で楽しい雰囲気を作り出したことで、対象児童本人が『行きたい』という気持ちを持つようになり、保護者にとって連れて行かなければならない場所ではなく、本人が行きたがっているから行かせてあげる場所になったことで、保護者にとっての『連れ出し負担』を減らすことができた。
4. 波及効果
楽しい居場所づくりを進めた結果、児童どうしの関わりから新たな『楽しみ』が生み出され、居場所としての魅力がますます磨かれていった。それとともに、やりたいことがあることによって、児童相互の関わりにおいても熱量が高く、そのためにトラブルになることもあるが、総じて、やりたいことのために我慢もする、嫌なことがあっても居場所には来る、など、大人が単独で支援するよりも効果的に行動変容を促すきっかけになることがあった。
5. 学び・知見
公益活動の多くが長らく行政によって担われてきた地域では、民間事業者も公益の担い手であるという意識が乏しくなりがちで、特色ある活動が生まれても大きく発展させづらかったのではないか。本事業によって着手した、持続可能な民間事業体として効率よく公益活動を続けるための電子化や省力化のノウハウは今後の地域における貴重な資産の一つとなる。
また、民間団体が類似の活動をする団体どうし、相互につながり連携したネットワークをつくっていく取り組みは、現場の声を地域の行政に反映させるためにも、新たな民間事業の参入を促すうえでも有効である。
6. 課題と今後の活動について
一つの法人で複数の事業を展開し、相互に関連をもたせることによって間口を広げ、支援を必要としている人とつながる機会を向上させた。最終的には事業を①居場所事業②支援事業③スクール事業の3つに整理した。今後、経済的に、あるいはニーズ面で自団体には抱えられない児童・家庭について適宜他団体や行政・教育機関と連携して受け皿につなぐという形で支援の輪をさらに充実させつつ、本事業でつくりあげた強味を活かした支援を継続させていく。
引用資料
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