• 公開情報
  • 2021年度

富山県

【事後評価】福野まちなかリノベーション事業(一般社団法人 福野アソシエイツ)

団体
一般社団法人 福野アソシエイツ
種別
実行団体
事業
福野まちなかリノベーション事業
種別
通常枠(草の根活動支援事業)

報告書要約


<社会課題と中長期・短期アウトカム>
ひとり親家庭の半数は相対的な貧困と言われている。富山県にも2%近くのひとり親世帯
があり、ひとり親の子育てにおける経済的な困窮は子どもの成長に様々な影響を与える。
今回は夜間保育事業を中心とした事業に取り組み、ひとり親を直接対象者、その子どもた
ちを最終受益者とした事業を計画した。
この事業を展開することで、中長期的には子育て世帯の人たちが互いに支えながら、子
育てを行うコミュニティの形成をめざした。そして、ひとり親の世帯の子どももそうでない子供
も同じ子育てのコミュニティの中で育つことにより、親も子も社会から取り残されることのな
い地域を目指す。
そのために、「子どもが安心して過ごせる場所」「子どもを預ける親が安心して預けること
ができ安心して働ける」「地域の夜間保育に対する理解と協力」「夜間保育への保育士の協
力」を短期アウトカムとして様々な活動に取り組んだ。

<成果1―短期アウトカム―>
結果的に休眠預金活用事業の期間内では夜間保育事業で子供の預かりが実施できなかっ
たため「子ども」「親」に対しての成果は得られなかった。
事業計画当初に、夜間保育で預かる子どもと、保育をするスタッフは予定されていた。しかし、
計画途中に保育スタッフ予定者の協力が(家庭の事情により)困難となり、夜間保育で子供を
預かることができない状態となったことが、この事業を速やかに開始できなかった大きな要因と
してある。
ただし、事業を進める中でニーズのずれや子育て世代のより具体的な実態把握が必要である
と感じ、子育て世代調査アンケートを行うことで多くの知見を得ることができた。
夜間保育事業を始めるにあたり住民説明会を複数回行った。また、夜間保育施設がある地区
への住民アンケートの結果から、夜間保育の認知の広がりや理解は、一定程度広がっていた
ことが分かった。
地域の保育士OB会とのつながりをもつことや、地道に保育士を探す声かけを行うことで活動
に協力をする保育士を探すことができた。はじめは、この事業の必要性に懐疑的な部分もあっ
た方もおられたが、事業への思いや必要性を説明し、運営体制の検討に一緒に参加してもらう
ことにより、事業推進のための強い関係性が構築できた。

<成果2―波及効果―>
この事業を通した波及効果として、第1に夜間保育事業の施設が地域に存在することによっ
て子育てや女性への見方・考え方にいくつかの影響を与えた。例えば、夜間に他人や施設に
子供を預けて働くことが、これまで地域の選択肢として認識されていなかった。しかし、選択肢
の1つとしてあるということを示すことができた。同時に、女性の育児負担が多いという地域の
実態に対して、育児負担を女性ばかりに担わせず、制度を利用して負担を和らげ、ジェンダー
ギャップ解消にむけた1つの方法である、というイメージをもつことにつながった。
第2に、夜間保育事業を始めたことで、地域に夜間保育のニーズがあることを行政に示すこ
とができた。事業開始前までは行政に問い合わせても、夜間の保育のニーズは把握していな
かった。事業展開後は、夜間の育児サポートの必要性についても認知している様子がうかが
えるようになった。
第3に、子育て世代アンケート調査をしたことで、夜間保育のニーズが子育て世代全般に一
定程度あるということや、子育てサポートでどのようなものがあればいいか知ることができた。
地域の子育て世帯の実態も含めて、行政では認知していない量的、質的情報を得ることがで
きた。

<成果3―学び・知見―>
類似課題への取組に活かせる知見教訓もいくつか得られた。
第1に、事業を行う場所の地域への説明を丁寧に複数回行うことを通して、関心や理解を深めて
いくことは大事であるということ。
第2に、行政から有益な情報共有ができるようなしっかりとした関係をつくることが大切であること。
第3に、認可外保育の許可を得るためにクリアにしなければならないことが多い。ハード面(施設
面)では、古民家を活かすためには、消防設備と関連した施設の面積の扱いなどを意識した改修
を考えなければならないこと。ソフト面(スタッフ面)では、保育の管理職経験者がいることで、マ
ニュアル作成などがスムーズになることなども大きな学びであった。

<今後の課題>
第1に、夜間保育利用を増やすことである。そのため、施設の利便性を高める必要がある。当初
設定した時間帯や曜日を変更して運営するなど、柔軟な運営体制を作っていくことが必要である。
第2に、今後の資金調達の方法である。市とのつながりを生かし、夜間の子供の預かりの補助
の仕組みを生かしていくことを検討している。また、事業が展開していくようになれば企業からの支
援も資金調達の方法として想定している。

引用資料

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