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山梨県

第三者評価|「甲信地域支援と地域資源連携事業 」第三者報告書

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概要

事業の「社会の諸課題の解決を図る」という成果の観点について、評価の信頼性及び客観性を確保するため、外部の第三者により評価を実施しています。事業規模、重要性、国民的関心度、革新性の高さ、発展性等の観点よりJANPIAで対象事業を選定し、資金分配団体および実行団体とあらかじめ合意した上で、自己評価とは独立した形で評価が行われます。

2020年度通常枠では以下の事業を選定し、第三者評価を実施しました。
〈事業名〉甲信地域支援と地域資源連携事業
〈資金分配団体〉甲信地域休眠預金分配コンソーシアム

幹事団体:特定非営利活動法人富士山クラブ
構成団体:公益財団法人長野県みらい基金
〈実行団体1〉特定非営利活動法人 河原部社
〈実行団体2〉特定非営利活動法人 bond place
〈実行団体3〉特定非営利活動法人 スペースふう
〈実行団体4〉一般社団法人 信州上田里山文化推進協会
〈実行団体5〉特定非営利活動法人 こどもの未来をかんがえる会
〈評価実施者〉 チームやまびこ(浅井美絵、鈴木綾、中谷美南子)

【本報告書の要約】
本件評価は、甲信地域休眠預金分配コンソーシアム(特定非営利活動法人富士山クラブ、公益財団法人長野県みらい基金)が資金分配団体を務めた包括的支援プログラム「甲信地域支援と地域資源連携事業」の事業成果の可視化を試みた第三者評価である。この包括的支援プログラムは、山梨県及び長野県の中山間地や農山村などにおいて、少子高齢化が進む中、子ども・若者が自ら課題を解決する力を持てる地域づくりを推進することを目的に実施された。包括的支援プログラムの傘下には5つの実行団体による多様な事業が展開され、多くの関係者をつなぎながら、地域資源を「再発見・再生」し、子ども・若者が事業の「対象」から課題解決の担い手である「主体」となる仕組みを築くことを試みた。第三者評価は、外部者主体で評価を実施するという目的に合わせ、自己評価とは異なるが補完できる手法・基準を採用したうえで評価に臨んだ。特に当事業においては、事業デザインが多岐にわたり、多くの関係者が影響を及ぼしながら複雑かつ予測できない形でアウトカムが発現することも予見されたため、ルーブリックを活用したアウトカムの評価、システム思考と関係者分析、アウトカム・ハーベスト等の評価手法を複層的に適用し、当事業の成果の可視化を図った。

まず資金支援にかかる評価結果として、測定手段として合意された4つの領域「地域資源の活用」「居場所づくり」「子ども・若者の課題解決能力」「地域連携事業」で策定されたルーブリックと照合した結果、事業全体の進捗は4段階による評価において「3.8」であるとの結果がでた。当事業においては事業完了時に「4」の達成を目標としていたことを踏まえると、事業完了時点において概ね目標値を達成したと結論づけられる。 また資金分配団体が提供した非資金的支援においても、各実行団体の事業フェーズや団体の状態などを個別に捉え、各団体に必要な支援をその都度行っている点、コンソーシアムの2団体による複層的な支援を行っている点、介入の度合いが深く、事業提案や人脈の具体的紹介などにも及んでいる点が特徴として明らかになった。実行団体側もが資金分配団体による伴走支援を通じて多くの組織的変化を遂げたという証言があり、事業運営と組織運営の改善にもつながっていることが確認できた。資金分配団体による非資金的支援が、当事業の成果を促進させる大きな要因になっていると考えられる。 事業を通じて得られた資金分配団体および実行団体の知見の多くが明らかになった。「子ども・若者が自ら課題を解決する力を持てる地域づくり」を目指す際に鍵となるテーマ「子ども・若者とはなにか」「どのような機会や能力が必要か」「どのように地域が変化すればいいか」に対しての資金分配団体および実行団体の考え方や認識において、事業開始時と完了時を比較した結果、本質的な変化はみられなかったが、事業の実施過程を通じて、概念の整理や状況の理解が進み、目指す状態の解像度が高くなった。また、これらの鍵となるテーマ以外にも、例えば地域から制度・政策への働きかけについて、自組織の在り方について、中長期アウトカムへ向けた取り組みについて等、特筆すべき知見を多く得られた。これらの知見は他の休眠預金活用事業にも適用できるものでもあり、今後の草の根事業や、子ども・若者分野の事業に対して示唆に富む内容である。ここまでの評価を踏まえ、以下事業関係者ごとに提案をまとめた。

<実行団体に向けての提案>
1. 地域の「子ども・若者が自ら課題解決できる地域づくり」を目指し、当事業完了後も活動を継続できるよう尽力する。特に、子ども・若者が「支援の対象」から課題解決を担える「主体」に転換できる仕組み・仕掛けをコミュニティ内で持続的に運用し、一人でも多くの子ども・若者が地域社会に本質的に「参加」できるように事業資金と人員の確保に努める。
2. 地域社会における子ども・若者の「参加」に着目し、子ども・若者の実質的影響力を高めるための道筋を描くと共に、子ども・若者の権利やその保障に向けて勉強会を開催し、国内外の子ども・若者が中心に置かれた実践について情報収集する。
3. 各自の自己評価報告書をはじめ、休眠預金活用事業で得た知見や今後の展望などを公開し、地域の関係者に対してその情報を還元し関係者と協議を深める。

<資金分配団体に向けての提案>
1. 地域の「子ども・若者が自ら課題解決できる地域づくり」を目指し、各実行団体の事業が当事業完了後活動を継続できるよう支える。一人でも多くの子ども・若者が地域社会に本質的に「参加」できるように事業資金と人員の確保に協力する。
2. 山梨県において今まで課題視されていた中間支援機能の整備に向け、当事業に関わった関係団体同士がその経験を活かし、より広域の団体を対象とした伴走支援を実施できるよう、連携体制の強化に努めることが期待される。
3. 山梨県のソーシャルセクターの人材育成が一気に加速するよう、各団体の学びの機会を相互活用できるようコーディネートする。

<休眠預金活用事業制度に向けての提案>
1. 非資金的支援や資金分配団体の役割の一層の明確化を図る。特に実行団体への伴走支援以外の非資金的支援として何が期待されているのか、その期待が非資金的支援計画の中に随時反映されているかの確認を行い、JANPIA側も資金分配団体の目指す成果を支えることが重要と考えられる。 2. 本件評価ではJANPIAのPOによる資金分配団体への伴走支援が、事業に影響を及ぼすことを明らかにした。資金分配団体の経験値や事業内容、そして事業が置かれている文脈などを十分に考慮し、JANPIA担当POも事業成果を高める役割を担うという姿勢で伴走支援に関わることが肝要である。また、事業期間を越えて知見や学びを共有する役割はJANPIAのPOが担う必要がある。
3. 当事業のように、実行団体のアウトカムと資金分配団体が掲げた地域包括プログラムのアウトカムに一見乖離が見られ、事業全体のアウトカムの特定とその達成状況の把握に困難が生じるような案件は「バラエティ型案件」として事業の戦略性が低いと判断されがちだが、アウトカムの乖離を関係者間で折衝しながら探索的に明確にしていくプロセスに、民間公益活動における創意工夫の捉え方や新しい学びを得られるような機会が多く内在していることが期待できる。わかりやすいプログラム理論に基づいた案件ばかりではなく、このような特性を持つ案件も採用し続けることが、今後の民間公益活動の在り方や意義などにおいて重要な示唆を得るきっかけになると考える。

引用資料

資金分配団体

お問い合わせ先

  • 甲信地域休眠預金分配コンソーシアム(幹事団体:認定特定非営利活動法人富士山クラブ )

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