「令和7年度 さんいん若者サポートネットワーク ニーズ調査報告書ー 社会的養護の若者と支援現場の声からー」
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JANPIAでは、事業の「社会の諸課題の解決を図る」という成果の観点で、外部の分野専門家により調査研究を実施しています。事業規模、重要性、国民的関心度、革新性の高さ、発展性等の観点よりJANPIAで対象事業を選定し、資金分配団体および実行団体とあらかじめ合意した上で行われます。
2019年度通常枠では以下の事業を選定し、調査研究を実施しました。
【事業名】
安全・安心な地域社会づくり支援事業
【調査対象】
<資金分配団体>更生保護法人 日本更生保護協会
<実行団体>特定非営利活動法人 ジャパンマック福岡
<実行団体>特定非営利活動法人 TFG
<実行団体>更生保護法人 滋賀県更生保護事業協会
【調査実施者】
・津富宏(静岡県立大学)
・竹中祐二(摂南大学(前北陸学院大学))
・松川杏寧(兵庫県立大学(前国立研究開発法人防災科学技術研究所))
・中村秀郷(西南学院大学)
・大澤望(一般社団法人インパクト・マネジメント・ラボ)
【調査研究報告書・要約】
本報告書は、更生保護法人日本更生保護協会を資金分配団体とする「安全・安心な地域社会づくり支援事業」の成果の可視化を第三者の立場から行うための調査研究(以下、調査研究)の結果をとりまとめたものである。更生保護とは、「犯罪をした人や非行のある少年を社会の中で適切に処遇することにより、その再犯を防ぎ、非行をなくし、これらの人たちが自立し改善更生することを助けることで社会を保護し、個人と公共の福祉を増進しようとする活動」(法務省2023a)のことである。
本事業における実行団体は、更生保護における最前線であるが、休眠預金活用事業はこれらの実行団体が資金分配団体の支援を受け、それぞれの活動地域において、3年間の支援提供期間を経て、どのような変化を遂げたのか、また、その変化の要因は何かを明らかにすることを目的とした。なお、本調査研究では、資金分配団体である日本更生保護協会に加えて、10 団体ある実行団体のうちの3団体(ジャパンマック福岡、TFG(田川ふれあい義塾)、滋賀県更生保護事業協会)を調査対象とした。
本調査研究は、以下の3つの問いに答え、さらに、考察と提言を行うこととした。
問1.実行団体の動きに起因して、被支援者(利用者) にどのような変化が生じているか。 休眠預金活用開始前-中間時点-休眠預金活用終了後で、ミクロレベルの支援(力)の質・量の進展を見る。
問2.実行団体の動きに起因して、地域の支援資源の関係性はどのように形成されているか。 地域における実行団体を中心とした支援の繋がりの変化(地域レベルのエコマップの進展)を見る。
問3.資金分配団体の動きに起因して、実行団体の展開にはどのような変化が起きているか。 休眠預金活用開始前-中間時点-休眠預金活用終了後で、資金分配団体による中間支援機能の変化と進展を見る
「問1」はミクロ(個人)レベル、「問2」はメゾ(地域=実行団体)レベル、「問3」はマクロ(事業全体=資金分配団体)レベルの問いである。
調査研究の結果、問1については、実行団体における支援(力)の質・量の向上が見られた。すなわち、より多くの対象者に対して、より質の高い支援を行うことが可能となった。なお、本事業における特徴は質と量のトレードオフが起きず、いずれも向上したことであり、非資金的支援の成果であると考えられる。問2については、エコマップ(生態系を図示したもの)を用いた継時的な検討を行った結果、実行団体において地域資源との関係性が量的にも質的にも進展したこと(その要因として、支援活動の構造化と見える化があったこと)が明らかとなった。問3については、本1事業が、更生保護分野における、日本更生保護協会のネットワーク中枢(伴走支援者)としての機能を強化したことを明らかにした。
考察においては、問1,2,3に対する知見を俯瞰しつつ、休眠預金制度の特徴に着目して、①公益性を持って民間資金を提供する休眠預金制度であるからこそ、更生保護という、国による法執行を骨格とし、その延長上に、保護司や更生保護法人、自立援助ホームといった形で、「民間」を国の事業に取り込み制度化してきた分野において、そうした制度に取り込まれてこなかった民間の団体に対して支援を行い得たこと、②本事業の成否を決めた要因として、資金分配団体による試行錯誤が許容されたこと、資金分配団体と実行団体のコミュニケーションの量と質が担保されたこと(後者については、「理想の生態系」という目標と、ロジックモデルと評価という手段の共有)を挙げた。
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