【事後評価】地方における10代の居場所づくり支援事業|カタリバ[21年度通常枠]

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2025年3月末に事業完了した2021年度通常枠【地方における10代の居場所づくり支援事業|カタリバ[21年度通常枠]】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体  

事後評価報告|石川県珠洲市における小中高生向けのメディア教育拠点づくり|ガクソー(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|地域ネットワーク型ユースセンター金沢|YOUTH PACE(第3職員室)(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|子どもたちの明日になないろの橋をかける包括的プロジェクト|OMUTA BRIDGE(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|沖永良部島の10代に多様な機会と居場所を届ける、えらぶ未来教育事業|えらぶ手帖(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|高校生の主体性を育むたまり場「ぜん」のインキュベーション事業|WeD(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|総合支援型ユースセンター事業|こおりやま子ども若者ネットワーク(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|放課後スペース INBase|f.saloon(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|北海道砂川市「‘本当の社会で生きる力’を育む子どもの居場所」創造事業|みんなの(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|持続可能なユースサードプレイス運営モデルづくり@岩手町|SET(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|まちの縁側おのみちユースセンタープラットフォーム事業|むかいしまseeds(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|子ども・若者の居場所づくりを中心とした包括的支援|もも(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|高校生の居場所づくりプロジェクトSTUily|スタイリィ(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|ごのへラーニングセンター ~「Z世代×地域」における価値共創を目指した場づくり~|わのまち(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|中高生が自分たちで居場所を作る「ユースセンターづくり」プロジェクト|セブンシーズ(カタリバ|実行団体)[外部リンク] button icon


【事業基礎情報】

資金分配団認定特定非営利活動法人 カタリバ

[コンソーシアム構成団体]
特定非営利活動法人 エティック
事業名地方における10代の居場所づくり支援事業

<2021年度通常枠>
活動対象地域日本全国
実行団体・特定非営利活動法人 ガクソー

・一般社団法人 YOUTH PACE(一般社団法人 第3職員室)

・一般社団法人 OMUTA BRIDGE

・一般社団法人 えらぶ手帖

・特定非営利活動法人 WeD

・特定非営利活動法人 こおりやま子ども若者ネットワーク

・特定非営利活動法人 f.saloon

・特定非営利活動法人 みんなの

・特定非営利活動法人 SET

・特定非営利活動法人 むかいしまseeds

・一般社団法人 もも

・一般社団法人 スタイリィ

・一般社団法人 わのまち

・特定非営利活動法人 セブンシーズ

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2025年3月末に事業完了した2021年度通常枠【地方における学習・能力向上機会の拡充による選択格差の解消|北海道NPOファンド[21年度通常枠]】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体  


【事業基礎情報】

資金分配団公特定非営利活動法人 北海道NPOファンド
事業名地方における学習・能力向上機会の拡充による選択格差の解消

<2021年度通常枠>
活動対象地域北海道全域
実行団体・新冠町商工会

・一般社団法人 かやぶきの家まねきや

・株式会社 コエルワ

休眠預金活用事業に係るイベント・セミナー等をご案内するページです。今回は、NPO法人青少年自立支援センター、公益財団法人日本国際交流センター共催「初めて外国ルーツ当事者と出会う支援者に知ってほしい―外国ルーツ支援・基本のき― 」を紹介します。

初めて外国ルーツ当事者と出会う支援者に知ってほしい
―外国ルーツ支援・基本のき―

 近年、在留外国人が増加しているのはご存じですか?生活の中で外国ルーツの方を目にする機会も増えているのではないでしょうか。もしかしたら既に皆様の支援現場にも外国籍、外国ルーツの方々がつながり始めているかもしれません。その際、どのように対応したらよいのだろうと悩むことはありませんか?
 例えば、子ども食堂にイスラム教徒のお子さんがつながってきたり、生活相談の現場に日本語が話せない方々が来たりすることもあるのではないでしょうか。
本セミナーでは、2010年度より外国にルーツを持つ子供・若者を対象に日本語教育、教科学習支援、進学・就労支援などを実施してきたYSC・グローバルスクールが、外国ルーツ支援の現状や課題を整理しつつ、支援を考える上での基本となるポイントをお伝えいたします。
 また、今夏から公募を始める予定の休眠預金活事業の支援対象団体向け「外国ルーツ支援における地域的・分野的広がり応援事業」のプレ説明会も実施いたします。

 

【イベント情報】

日時2025年6月11日(水)13:00~14:30(※途中入退室可)
開催形式

オンライン配信(Zoom)

※開催日前日にZOOMのURLをご連絡いたします。
※希望者には、後日配信をいたします。
参加費無料
内容①ソーシャルセクターにおける外国ルーツの現状と課題の整理
➁休眠預金活用事業 支援対象団体向け「外国ルーツ支援における地域的・分野的ひろがり応援事業」(研修、基盤整備等)の説明
登壇者NPO法人青少年自立援助センター 定住外国人支援事業部責任者

田中 宝紀(たなか いき)
共催NPO法人青少年自立支援センター
公益財団法人日本国際交流センター
お申込み事前申し込み制 ※希望者のみ後日配信有
参加・後日配信希望の申し込みはこちら(2025年6月10日午後12時まで)
https://forms.gle/sxUkmPfPgYse2AHc8
お問い合わせNPO法人青少年自立支援センター
[E-mail]activity-support-24@npo-ysc.jp

 

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2024年3月末に事業完了した2020年度通常枠【ローカルな総働で孤立した人と地域をつなぐ|東近江三方よし基金】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体

事後評価報告|地域の応援者を増やして、みらいのかのうせいをもっとたかめよう!|みかた麹杜(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|引きこもりや精神障害があり孤立状態の人に社会参加の環境を創る|マーシ園(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|地域みんなで産前産後・子育てを応援!!|産前産後ケアはぐ(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|外国人住民のためのうんなん暮らし支援事業|うんなん多文化共生まちづくり協議会(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|個性を育む創造プロジェクト|3C「夢」Club実行委員会(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|桜ヶ池キャンプ場|ガラパゴス(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|みんなで走らす湖東のバス企画|湖東まちづくり(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|空き家を活用して命を守りつなぐ場づくり|Team Norishiro(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|空き家対策・移住・定住促進事業|なんとおせっ会 移住応援団(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|総働で地域につなぐ移住者支援拠点づくり|愛のまちエコ倶楽部(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|お寺初!おかあさん目線の雇用創出事業|テラまちコネクト(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon


【事業基礎情報】

資金分配団公益財団法人 東近江三方よし基金

[コンソーシアム構成団体]
・うんなんコミュニティ財団
・公益財団法人 南砺幸せ未来基金
事業名ローカルな総働で孤立した人と地域をつなぐ
<2020年度通常枠>
活動対象地域全国、市
実行団体・一般社団法人 みかた麹杜
・社会福祉法人 マーシ園
・産前産後ケアはぐ
・うんなん多文化共生まちづくり協議会
・3C「夢」Club実行委員会
・株式会社 ガラパゴス
・湖東まちづくり
・一般社団法人 Team Norishiro
・なんとおせっ会 移住応援団
・特定非営利活動法人 愛のまちエコ倶楽部
・テラまちコネクト

大阪府富田林市を拠点に、差別のない人権尊重のまちづくりの実現に向けて活動する「一般社団法人富田林市人権協議会」。時代の移り変わりから、地域コミュニティの低下が懸念されている昨今。2019年度の休眠預金活用事業(通常枠)では、「オープンなつながりでコミュニティをつなぎ直す」をテーマに、集いの場・居場所づくりや地域有償ボランティアシステムづくりなどに取り組みました。2022年度に採択された事業では、子ども食堂や居場所づくりをサポートしています。 今回は、同団体事務局長の長橋淳美さんにこれらの取り組みについてお話を伺いました。”

活動を始めたきっかけとは

富田林市人権協議会は、1984年に部落問題解決のための団体として設立されました。その後、市全域の人権問題全般を扱うようになり、現在は、人権相談に加え、就労支援事業、交流イベント事業、高齢者向け配食事業、子ども食堂や居場所の運営など幅広い活動を行っています。

お話を伺った、一般社団法人富田林市人権協議会 事務局長 長橋さん
お話を伺った、一般社団法人富田林市人権協議会 事務局長 長橋さん

「1922年に全国水平社(※)が結成された直後、地域内にも河内水平社が設立され、部落解放運動が盛んな地域ではありました」

昭和になり、国を挙げて部落問題に取り組む中で、児童館や市営住宅などが建設されます。その一つが、現在富田林市人権協議会の事務所がある富田林市立人権文化センターで、もともと解放会館と呼ばれていました。

「水平社結成から100年を迎えた今も、部落差別は解決していません。さらに、すべての人の人権を守るためには、福祉の充実が欠かせないという考えの基、市内で先駆けて始めたのが高齢者向けの宅配事業や子ども食堂といった福祉事業です」


※1922年に日本で初めて結成された全国的部落解放運動団体。2022年に結成100年を迎えた。

ニーズ把握から始まった「I♡新小校区福祉プロジェクト」

富田林市人権協議会が活動するのは、近鉄富田林駅から徒歩5分ほどの利便性の良いエリア。市内16校区あるうちの、富田林市新堂小学校区にあたります。市街地でありながら、中世からの古い街並みを残した町、駅近に新たに建てられたマンション群、海外からの労働者も多い中小企業団地などが混在し、さまざまな背景のある人々が暮らしています。

新堂地区の街並み
新堂地区の街並み

これまで新堂小学校区は、だんじり祭りを代表するように「古い町を中心に強い絆で結ばれていました」と話す長橋さんですが、時代の移り変わりと共に地縁は薄れつつあります。

「だんじりの引き手も少なくなり、地域コミュニティ力に綻びが生じてきています。同和問題にもアプローチしながら、地域の絆づくりに貢献できないかと考え、2019年度の休眠預金活用事業の助成(資金分配団体:一般財団法人 大阪府地域支援人権金融公社 )を受け、I♡新小校区福祉プロジェクトを開始しました」

I♡新小校区福祉プロジェクトの目標は三つあります。①身近な集の場づくり②誰もが参加できるボランティア活動の仕組みづくり③子どもを対象とした学習支援と居場所づくりです。

プロジェクトに取り組むにあたり、まずは住民のみなさんにアンケートを実施しました。 アンケートでは、「町内会へ加入しているか」「地域活動に参加したことがあるか」「今後やってみたいボランティア活動は何か」など、地域活動やボランティアに興味のある人のニーズを探りました。 校区の5,224世帯にアンケート用紙を配布し、回収率11.0%となる588の有効回答がありました。 アンケートからは、地域活動を活発にしていくためには、楽しく、学べて、たくさんの人と交流できる取組を行っていくことのニーズがあることがわかりました。同時に、悩みや困りごとを聞いたところ、健康や老後が気に掛かっている人が多く、孤独死を身近に感じている人が全体の46.1%いることが明らかになりました。

プロジェクトに取り組むにあたり、まずは住民のみなさんにアンケートを実施しました。 アンケートでは、「町内会へ加入しているか」「地域活動に参加したことがあるか」「今後やってみたいボランティア活動は何か」など、地域活動やボランティアに興味のある人のニーズを探りました。 校区の5,224世帯にアンケート用紙を配布し、回収率11.0%となる588の有効回答がありました。

アンケートからは、地域活動を活発にしていくためには、楽しく、学べて、たくさんの人と交流できる取組を行っていくことのニーズがあることがわかりました。同時に、悩みや困りごとを聞いたところ、健康や老後が気に掛かっている人が多く、孤独死を身近に感じている人が全体の46.1%いることが明らかになりました。

「57.3%が地域活動に参加したことがあると答え、7割程度の住民は機会があればボランティア活動を行ってもいいと考えていました。アンケートから、私たちが把握できていない、ボランティアをしたいという潜在的ニーズがあることがわかりました」

コロナ禍、集まれないからこそ生まれた数々の取組

そのような矢先、新型コロナウイルス感染症が蔓延。「①身近な集の場づくり」として、当初、各町の集会所を利用して、地域住民の集いの場・居場所づくりに取り組む計画を立てていましたが、見直しを余儀なくされます。
外出自粛により集まれない中、人と人の繋がりを強めたのが、SNSを活用した新たな繋がりづくりでした。

「プロジェクトメンバーもITツールには疎いのですが、スマホ教室、LINE活用教室を実施し、学びました。I♡新小校区福祉プロジェクトの公式LINEアカウントも開設し、情報発信をしています。プロジェクトの会議もLINE通話を使ってできるようになりました」

また、集まれないことを逆手にとり、2021年3月に「新小校区まち歩きスタンプラリー」を実施。校区に6ヶ所のスタンプポイントを設け、スタンプの数に合わせて景品をプレゼントする仕組みで、のべ833人が参加しました。

スタンプラリーの様子
スタンプラリーの様子

「助成金でお菓子やタオル、ティッシュなどを購入し、集めたスタンプの数に合わせてお渡ししました。長年、地域に住んでいても行ったことがない場所も多く、新たになまちを発見する機会になったとの声が届いています。また、小さいお子さんから家族連れ、高齢者までさまざまな方が参加できる企画で、楽しかったという方が多かったですね」

好評のため、2022年11月には第2回を開催。スタンプポイントも6ヶ所から8ヶ所に増やし、のべ1442人が参加しました。2023年11月には第3回を実施し、のべ2000人が参加。地域イベントとして定着しつつあります。

「スタンプポイントではクイズやゲームを準備しました。そのうちの1ヶ所では、公式輪投げ競技を取り入れていたのですが、子どもや高齢者、障害のある人など誰でも参加でき、健康づくりや世代間交流に効果があることがわかりました。校区全体に広げようと、助成金で輪投げセットを購入し、講習会を開催しました」

今後は、校区内で町会対抗輪投げ大会の開催を目指しているとのこと。また、新しいスポーツとして、市内全域に広げていくことをも視野に入れて活動を始めるなどの波及効果も生まれています。

ニーズを顕在化した、ボランティア活動の仕組みづくり

こうしたスタンプラリーや輪投げ競技の実施を支えるのが、ボランティアスタッフです。「②誰もが参加できるボランティア活動の仕組みづくり」に向けて、I♡新小校区福祉プロジェクトでは、2021年3月から4月にかけて5回のオリエンテーションを開催し、ボランティアへの参加を募りました。

「これまで知り合いのツテを頼ってボランティアスタッフを探してきましたが、地域イベントの開催以外にも、高齢者向けの配食協力や子ども食堂の運営など活動が広がり、人手が足りなくなりました。オリエンテーションにてでは各回、約10名ずつの参加があり、私たちと繋がりがない人も足を運んでボランティア登録してもらうことができました」

ボランティア活動にはさまざまなものがあり、個々の希望に合わせてお願いをしています。例えば、子ども食堂のボランティア。毎週木曜日に富田林市立人権文化センターで実施しており、コロナ禍以前は70〜100食、コロナ禍では弁当形式で60〜70食を提供していました。調理ボランティアは午後2時から下ごしらえ、午後5時までに弁当を詰めて、子どもが来たら受け渡しをしています。

また、かねてから富田林市人権協議会では、ひとり暮らしの高齢者や体が不自由な校区内の高齢者に向けて毎日昼食を届けています。お弁当を届けながら、声をかけて安否確認をしたり、必要に応じて関係機関への繋ぎを行ったりするのがボランティアの役割です。

子ども食堂、配食の様子
子ども食堂、配食の様子

こうした活動に継続的に携わってもらえるよう、2021年4月には「わくわくボランティアカード」を考案。ボランティア参加1回につき1個のスタンプを押し、スタンプの個数に応じて商品券と交換できるようにしました。

「スタンプ10個なら地元のスーパーで使える500円分の商品券、スタンプ20個なら地元の婦人服店で使える1000円分の商品券に交換できます。これが予想以上に好評で、みなさん楽しみながらスタンプを集めてくれました」

2023年1月時点で、ボランティア登録は107名、ボランティアカードを利用した方はのべ1290回になり、繰り返しボランティアに参加してくれていることがわかります。

子どもの学習支援と居場所づくりにも着手

富田林市人権協議会は、こうして新たな企画にも積極的にチャレンジしてきました。2018年から始めた子ども食堂の運営も、当時、市内では初となる取り組みでした。その中で、長橋さんはかねてより子どもの学習支援の必要性を感じていたと振り返ります。

そこでプロジェクトの3つ目の目標に掲げたのが、「③子どもを対象とした学習支援と居場所づくり」です。

「子ども食堂を実施し、子どもを家まで送っていくこともありました。すると、特にひとり親家庭では誰もいない真っ暗な家で子どもが一人で過ごす時間が多いこともわかってきました。勉強に集中できる学習環境が整っていないことを目の当たりにし、どうにか学習支援を実施したと考えたいたのです」

実施に動き出す後押しとなったのが、今回の休眠預金活用事業でした。2022年4月から、子ども食堂と連携した小学生学習支援活動「ぽかぽか」を毎週木曜日の17〜19時、中学生向けの学習支援活動「陽だまり」を毎週火曜日18時半から19時半まで実施しています。

「発達障害のお子さんもいますので、一対一で学習支援ができる環境が理想です。謝礼金を確保できたことで、ボランティアの登録者が10数名増え、丁寧な関わりができるようになりました。高齢者のみならず、元教師や近隣大学の学生ボランティアも活躍してくれていますよ」

「ぽかぽか」に通っていた子どもが中学生になり、ボランティアとして受付など手伝いに来てくれるケースもある
「ぽかぽか」に通っていた子どもが中学生になり、ボランティアとして受付など手伝いに来てくれるケースもある

富田林市人権協議会では、学習支援の中で、勉強を教えるだけではなくレクレーションの時間もとっています。「ぽかぽか」では毎週後半の時間にボランティアの特技を活かしたレクレーションを実施し、ツアーコンダクターをしている人が「バーチャル海外旅行〜入国審査体験〜」を開催するなど、子どもが楽しみながら社会体験できる機会をつくっています。

実行委員会形式だからこその連携が活きた

プロジェクト発足時に掲げた3つの目標に向けて着実に成果をあげてきた富田林市人権協議会。しかし、これらは富田林市人権協議会のみの力で成し遂げられたものではありません。

「主体は私たちですが、民生・児童委員や社会福祉協議会、地域の診療所で構成されるメンバーでI♡新小校区福祉プロジェクト実行委員会を結成し、助成いただいた3年間、月に一度、定期的に委員会を開催し、市や小学校とも連携して事業を進めてきました」

ニーズ調査のために実施したアンケート調査で、校区全域を対象にし、全世帯に配布することができたのも、各町会の役員さんの力添えがあったから。また、スタンプラリーではスタンプポイントの設置や運営に当たっても、各町会の協力があったことで、校区内一体となった取組にすることができました。

ボランティア活動を入り口に、広がる可能性

多くの人の協力を得て、助成期間の3年を走り切った富田林市人権協議会。地域コミュニティを育むために実施した、まち歩きスタンプラリーやボランティアシステムづくり、子どもの学習支援と居場所づくり以外にも、さまざまな成果が現れ始めています。

代表的な例が、ボランティアから民生委員になった井上結子さんです。
かつて社会福祉協議会のボランティア活動に参加しながらも、病気で体の不調から一時的に離れていた井上さん。しかし、何かしら地域に貢献したいと、アンケートにボランティア希望と記載いただき、熱いオファーが届きました。

「最初にとったアンケートで一番に連絡をくれたのが井上さんでした。社会福祉協議会の和田さんと面識があったので、すぐさま連絡をとってもらい、関わってもらうことにしました。体の調子に合わせて、高齢者配食のボランティアから始めてもらい、今では子ども食堂や学習支援にも協力してくれています。また、さまざまなところに顔を出されて地域住民からの信頼される存在になり、今では民生委員も担ってくれています」

「家から近いので無理なくボランティアに通いやすい」と井上さん。
「家から近いので無理なくボランティアに通いやすい」と井上さん。

以前は、井上さんの体調を心配したお子さんが、定期的に顔を出してくれていたとのことですが、ボランティア活動を始めてから日に日に元気になる姿を見て安心し、今では逆に用事をお願いされたりするようになったそう。

また、「民生委員の役割も変わってきた」と、以前から民生委員を代表してプロジェクトに関わっている川喜田敏音さんは話します。

「コロナ以前、この取り組みが始まるまでは、民生委員を名乗っているだけで積極的に活動されている方は少ないのが現状でした。しかし、プロジェクトが始まったことで、活動の幅が広がりました。スタンプラリーの時には、民生委員を各ポイントに配置して、まちのことを紹介したり、地域住民と会話をしたりしてもらうことができました。同じ地域に住んでいても、同じ学区でも距離が離れていると、接点がなく、知らないこともたくさんあります。僕らの活動を紹介する機会が増え、ネットワークも広がったのが大きな成果です」

川喜田さん
川喜田さん

市内全域に子どもの居場所をつくる、次のチャレンジへ

2022年度で助成期間は終了しましたが、その後も、取り組みは「新堂小学校区交流会議」と連携する形で継続しています。

また、2022年度には、富田林市社会福祉協議会とNPO法人きんきうぇぶとコンソーシアムを組み、特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ が実施した休眠預金活用事業(通常枠)の公募に採択され、「人をつなげ支え合う持続可能な富田林市子ども食堂・居場所づくりトータルコーディネート事業 」に取り組んでいます。

「これからはますます居場所づくりが求められるのではないかと思い、チャレンジすることにしました」

目指すことは二つで、一つは市内16校区全てに、地域住民が誰でも訪れられるこども食堂や居場所を作ること。もう一つは、既存の子ども食堂や地域の居場所が持続的に運営していけるよう地域フードバンクを設立し、安定的な食材提供ができる環境を整えることです。

「生活保護や社会保険等の制度のはざまが大きく、僕らのところに相談があるのは働いていても困窮に陥っているワーキングプアの方が中心です。失業したり出産したりして働けなくなった途端に、生活が不安定になってしまう。そのような方に、子ども食堂で食事を食べてもらい、安定的な仕事を提供できるようにしたいです。ゆくゆくはフードバンクも雇用の場にしていければと考えています」

地に足のついた事業を続けてきたからこそ見えてきた地域ニーズ。そして、それに必要な事業を外部のリソースと内部のネットワークや担い手を組み合わせて展開してきた富田林市人権協議会。
「今後はファンドレイジングも強化しながら、事業を継続していきたい」と、長橋さんは意気込んでいました。

【事業基礎情報①】

実行団体

富田林市人権協議会

事業名
あい新小校区福祉プロジェクト
活動対象地域
大阪府富田林市
資金分配団体
一般財団法人 大阪府地域支援人権金融公社
採択助成事業2019年度通常枠

【事業基礎情報②】

実行団体

富田林市人権協議会

<コンソーシアム構成団体>

・特定非営利活動法人 きんきうぇぶ

・実行団体名 社会福祉法人富田林市社会福祉協議会

事業名
人をつなげ支え合う持続可能な富田林市子ども食堂・居場所づくりトータルコーディネート事業
活動対象地域
大阪府富田林市
資金分配団体
特定非営利活動法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
採択助成事業2022年度通常枠

千葉県北部の柏市、我孫子市、白井市、印西市などにまたがる湖沼・手賀沼。ここをフィールドに、地域の人々がつながり、縁をつくるコミュニティを運営しているのが「手賀沼まんだら」です。2019年の設立以来、イベントや場づくりに取り組んでおり、2020年と2022年度の休眠預金活用事業(コロナ枠)を活用したことで、コミュニティプレイスの創出や共食プロジェクトなど、さらに活動の場を広げてきました。今回は、「子ども」と「地域」をキーワードにはじまったという団体の取り組みや、設立から5年が経過してこそ思う活動のおもしろさ、今後の展望などについて、代表の澤田直子さんにお話を伺います。

子どもが成長して気づいた、地域コミュニティの重要性

「手賀沼まんだら」が設立されたのは、2019年1月のこと。代表・澤田直子さんが子育てを経験する中で感じるようになった、地域とのつながりに対する考え方の変化が、立ち上げの背景にはありました。

「子どもが成長して小学生になった頃、地元の公園で遊んだり、ご近所さんのお宅に伺うような機会が増えて、地域とのつながりを意識するようになりました。それまでは、手賀沼に暮らしていても、家族で遊びにいくとなったら他の市や他県のショッピングセンターやキャンプ場でした。けれども、小学生になった子どもたちは、どんどん地域に馴染んでいく。そういう環境の変化が、考え方の変化を生み出しました」

インタビューに答える澤田さん
インタビューに答える澤田さん

澤田さんは、当時、手賀沼ではない別の市の社会福祉協議会職員として勤務していました。地域同士のつながり、コミュニティをつくる重要性を誰よりも理解していた一人です。ところが、澤田さん自身地元の手賀沼一帯では、そういった地域内でのつながりがありませんでした。そこで、澤田さんは勤務していた社会福祉協議会を退職し、手賀沼でコミュニティづくりの活動をはじめることを決意。同じような課題感を抱えているママ友に声をかけ、「手賀沼まんだら」としての第一歩を踏み出したのです。立ち上げ初期の取り組みは、フィールドワークをはじめとした、子どもたちが手賀沼の自然や社会とつながりをつくる目的のアクティビティを中心としたものでした。その後、1年足らずでコロナ禍に差し掛かり、団体としての意思も変化していきます。「これまで学校に通っていた子どもたちが、急に家庭へと戻されました。いつまで休校が続くのかわからない世の中で、せめて子どもが楽しく過ごせる居場所をつくりたい。そう感じるようになり、一時のアクティビティやイベントだけではなく、長期的に子どもが集える場所づくりに取り組み始めました」 手始めとして、手賀沼の地主さんが所有していた山を一部借りて、子どもたちと一緒に山小屋やアスレチックづくりを行うことに。すると、澤田さんの目に映ったのは、家とも学校とも異なる、第三の居場所を知った子どもたちの朗らかな様子でした。子どもたちが安定的に集える空間をつくる重要性を感じた澤田さんは、休眠預金を活用した助成事業の公募に応募。本格的な居場所づくりへと舵を切ったのです。

二つの取り組みで休眠預金活用事業に採択

「手賀沼まんだら」では、応募した休眠預金活用事業で2度採択をされています。1度目が、2020年度コロナ枠として採択された、孤立解消の為のコミュニティプレイス〈ごちゃにわ〉の創出。コロナ禍を経て実感した、子どもたちの居場所をつくるための取り組みです。2度目は、2022年度コロナ枠として採択された、「共食」をキーワードに据えたプロジェクトでした。〈ごちゃにわ〉では、手賀沼一帯に暮らす子どもたちをはじめ、子育てに課題を抱えた父母、話し相手の欲しい高齢者、そして冬越しの場所を求める生物までもが集えることを目指した場所づくりを実施しました。澤田さんは、この空間づくりを経て、リアルな場が生み出す大きな影響を実感したといいます。「空間が生まれたことによる一番の変化は、地域の人々や地域にゆかりのある企業が頻繁に訪れるようになったことです。それによって、何気ない話から生まれる新しいアイデア、おもしろい企画などが数多くあり、それらをイベントとして実施するような流れができていきました。コミュニティの輪がどんどんと広まる感覚があり、手賀沼という地域で場づくりを行う喜び、やりがいを今まで以上に感じられるようになった気がします」
核家族化が進行する現代の日本、そしてコロナ禍という人との繋がりが希薄になりがちな状況では、家庭の悩みや困りごとをシェア、相談できる機会はそう多くはありません。けれども、地域コミュニティが生まれたことで、家族それぞれの困りごとを解消するタイミングができたり、これまでは経験できなかったさまざまな体験、アクティビティの機会をつくることができるようになりました。

ごちゃにわの活動に集まる子どもたちの様子
ごちゃにわの活動に集まる子どもたちの様子

「最初は、子どもたちが地域社会に溶け込める場所をつくりたいという思いばかりでしたが、実際に〈ごちゃにわ〉をつくってみると、お父さんやお母さんたちの居場所にもなっているように感じる場面が多々ありました。子育てという共通のキーワードがあるからか、場に集う親御さんたちも、知らず知らずのうちに仲良くなり、助け合える仲になっていたようです」最初こそ、実験の意味合いもあり、こぢんまりとした運営を予定していた〈ごちゃにわ〉。ところが、澤田さんの想像以上に、そういった場を必要とした地域の人々は多かったようです。現在では、小中学校の林間学校や、総合学習の授業の一環で〈ごちゃにわ〉を活用したいといった申し出が多数集まるほど。年間では600人以上の子どもが集う、手賀沼屈指の居場所として成長しました。

ごちゃにわの活動に集まる子どもたちの様子②
ごちゃにわの活動に集まる子どもたちの様子②

子どもたちの「食」の関心をどう高めていくのか?

「手賀沼まんだら」では、その後も、〈ごちゃにわ〉の運営だけでなく新しい取り組みも実施しています。特に、現在推し進めているのが、2022年度コロナ枠にて採択された「共食」のプロジェクト。手賀沼の豊かな自然を活用しながら、子どもたちの食に対する関心を高めることを目的に実施しています。「〈ごちゃにわ〉を運営しながら次なる取り組みを考えているなかで、衣食住のにフォーカスを当てたいと考えるようになりました。暮らしの根本的な要素であると同時に、食は人の心を癒やしたり、コミュニケーションを生み出すきっかけになると思ったからです。「ごちゃにわ」を始めたときから、食が与える影響の大きさを実感していました」

子どもたちが収穫をお手伝いしている様子
子どもたちが収穫をお手伝いしている様子

このプロジェクトでは、手賀沼の風土に対する学びや食育を促進するため、5つのステップでプログラムを実施しています。子どもたちが参加することはもちろん、親御さんや近隣の農家さんの協力を仰ぐことで、地域コミュニティにおける多様なつながりをつくり出すことも目指しました。

① 〈ごちゃにわ〉内で食材を育て、収穫する
②手賀沼 流域農家さんから食材を購入したり、農作業を手伝ったり、思いのヒアリングなどを行う
③ 入手した食材を使ってどんな料理をつくるのか、メニューを考える
④ 食材の持つストーリーや思いを伝えるため、月に一度〈ごちゃにわ〉内で子どもレストランをオープンする
⑤ 月に一度、親子のエンパワメントの場として「食」に関する研修を開催する

「学校や習い事、塾などで忙しい子どもたち、忙しく働く親たちと話をする中で、家庭での「食」に対する重要度が下がってきていることを感じていました。それなら調理の機会を家庭以外の場所でも体験できないかなと考えるようになりました。」

子どもたちが料理をしている様子
子どもたちが料理をしている様子

そういった背景から、食材を知る機会、調理を学ぶ機会、食文化に触れる機会などを用意した、多角的なプログラムを実施しました。手賀沼には、生き物と畑の共生を目指す農家さんや、安心安全においしく食べられる平飼いニワトリの農家さんなど、一次産業に携わる魅力的な人々も数多くいます。そういった人の協力を仰ぐことで、子どもたちが「食」を知る、考える機会創出を目指しました。

プロジェクトの内容。4つのプログラムで構成されています。
プロジェクトの内容。4つのプログラムで構成されています。

自走しながら地域社会に溶け込む子どもたち

このプロジェクトを実施する際、澤田さんは、子どもたちに「与える」だけではなく「創り出してもらう」ことも意識しているそうです。それは、能動的に関わる機会を用意することで、子どもたちの成長を促したいという思いから。

具体的には、23回ほどプログラムに参加してくれた子どもに、参加者としてだけではなく運営者として仕事を任せることで、プログラムを創る側に回ってもらっているのだそう。その役回りは、イベントの様子を撮影するカメラマン係、プログラム内で使用するノート作成係など、多岐にわたります。

「子どもたちの興味関心に触れる機会を少しでも多くつくるためと思って始めたことですが、彼らに仕事を任せてみて、大人があっと驚くような成長を遂げてくれるのだと知りました。たとえば、カメラマンを担当してくれている子が、SNSに投稿された写真を見て、『こんなカットがあったほうがわかりやすいはず』と撮影プランを考えてくれたり、ノート作成係の子は『このページにはこのイラストがあったほうが楽しんでもらえるかな?』と、アップデートプランを提案してくれたり。自主的に次のレストラン開催に向けてオリジナルレシピを考案してきてくれた子もいたほどです」 

最初は受け身でプログラムをこなしているだけだった子どもたちが、高いモチベーションを抱きながら、自分自身の得意なことを活かして運営に携わってくれる。想像をはるかに上回る子どもたちの成長には、澤田さんをはじめとした、大人のほうが圧倒されるばかりだといいます。

手賀沼まんだらで過ごす子どもたちの様子
手賀沼まんだらで過ごす子どもたちの様子

「ほかにも、今まではお兄さん、お姉さんに頼ってばかりいた低学年の子どもたちが成長する様を見ることも多々あります。プログラムによっては、幼稚園生や小学1〜3年生のみを対象とする場合があるのですが、そういったときに率先して動いてくれるのは、今までなにもできなかったように見えた小学校低学年の子どもたち。高学年がどう助けてくれていたのかをよく見ていて、幼稚園生の子どもたちのサポートをしながら、主体的な姿勢で運営に携わってくれています」

「食」というキーワードを起点にはじまったこのプロジェクト。もちろん、プログラムを経て、食に関する学びや意識の変化も見られています。ただ、それ以上に、環境さえあればどこまででも変化できる子どもたちの無限の可能性を知る機会にもなったそう。共創による、地域コミュニティの大きな力を、この取り組みを通して、澤田さんは実感しています。

「手賀沼まんだら」が思い描く未来

2019年の設立から5年。時代の潮流にあわせて数多くの取り組みを行ってきた「手賀沼まんだら」ですが、現在は、将来を見据えた戦略立案、プロジェクト企画なども推進しているタイミングです。それにあたっては、資金分配団体であるNPO法人ACOBAが提供する、専門家派遣も活用しているのだそう。

「『手賀沼まんだら』を運営しているメンバーは、現在、私を含めて5名。そこに、6人目として戦略立案やマーケティングの得意な専門家を一時的に招き、団体の方向性や意思を表すための”ビジョンボード”というものを制作しています」

ビジョンボードとは、今まで文脈や空気感のみで意思疎通されてきていた、団体の役割や意味を可視化して表現した絵図。「手賀沼まんだら」に携わる人の数、規模が大きくなってきている今のタイミングで、価値観をお互いに共有するべく制作したものです。こうした具現化を行うことで、「手賀沼まんだら」の歩む未来も、より明確化してきています。

「『手賀沼まんだら』を立ち上げたことで、地域コミュニティの重要性を改めて実感する機会になりました。現在、取り組んでいるプロジェクトは、引き続き継続していきたいと強く思いますし、子どもたちをはじめ、手賀沼の人々のよりどころになりたいとも感じています。けれど、組織を大きくしたいという野望はあまりありません。ただ、必要としてくれる人にとっての居場所になれたら。そういうシンプルな願いを再認識できました」

学校や家庭だけではない、サードプレイスとして機能できるように。恵まれた自然との触れ合いや、子どもたちとのコミュニケーションが促進される場として、これから先も「手賀沼まんだら」は歩みを続けていくのでしょう。

「私たちのこの取り組みは、手賀沼だから実現できたものではなく、日本各地で実現できるようなものだと思います。そして、こういった場所を必要としている子どもたちはきっと全国にたくさんいる。もっと暮らしやすい世の中を実現するために、日本各地にこうした地域コミュニティが誕生してほしいと、今まで以上に願うようになりました」

澤田さんの願いが伝播し、人から人へとつながって大きな輪として成長したのが「手賀沼まんだら」。思っていたよりもずっと、その輪は強固で、豊かで、未知の価値を教えてくれたものでした。だからこそ、そうした共感が広がることでつくられる、心強く、力強いコミュニティの誕生を乞い願い、澤田さんは今日も「手賀沼まんだら」の活動を続けています。

【事業基礎情報①】

実行団体手賀沼まんだら
事業名孤立解消の為のコミュニティプレイスの運営
活動対象地域千葉県
資金分配団体特定非営利活動法人 ACOBA
採択助成事業2020年度コロナ枠

【事業基礎情報②】

実行団体手賀沼まんだら
事業名手賀沼版「美味しい革命」〜食べることは生きること〜
活動対象地域手賀沼流域(我孫子市、柏市、松戸市、流山市)
資金分配団体特定非営利活動法人 ACOBA
採択助成事業2022年度コロナ枠

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2022年3月末に事業完了した2019年度通常枠【障害児等の体験格差解消事業|公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体

事後評価報告|障がい児等の体験格差解消事業|SHIPMAN(公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|障害児等の体験格差解消事業|FEEL(公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|カヌーを通じての共生社会、インクルーシブの実現|宮城県障がい者カヌー協会(公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|体験格差解消事業|身体教育医学研究所(公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|障害児やひとり親家庭のための運動支援|龍ケ崎市B&G海洋クラブ(公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|みんなの海project|オーシャンファミリー(公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|障がい児のためのサーフィンスクール|Ocean’s Love(公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|障がい児等の体験格差解消事業|海の達人(公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|障害児等の体験格差解消事業|あそびとまなび研究所(公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|プロジェクト豊夢(ホーム)|コバルトブルー下関ライフセービングクラブ(公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団|実行団体)[外部リンク] button icon


【事業基礎情報】

資金分配団公益財団法人 ブルーシー・アンド・グリーンランド財団
事業名障害児等の体験格差解消事業
〜水辺の自然体験を通じて障害児や養護施設の子供の人間形成を図る〜

<2019年度通常枠>
活動対象地域全国
実行団体・有限会社 SHIPMAN
・株式会社 FEEL
・宮城県障がい者カヌー協会
・公益財団法人 身体教育医学研究所
・龍ケ崎市B&G海洋クラブ
・認定特定非営利活動法 オーシャンファミリー
・認定特定非営利活動法人 Ocean’s Love
・特定非営利活動法人 海の達人
・特定非営利活動法人 あそびとまなび研究所
・特定非営利活動法人 コバルトブルー 下関ライフセービングクラブ

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2022年3月末に事業完了した2019年度通常枠【北海道未来社会システム創造事業|北海道総合研究調査会】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体

事後評価報告|持続的な北海道に向けた関係人口を活用した次世代育成事業|ezorock(北海道総合研究調査会|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|若者たちの自立プロセスを地域の社会資源として活用するための仕組みづくりのモデル事業|地域生活支援ネットワークサロン(北海道総合研究調査会|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|北海道若年女性支援ネットワーク事業|さっぽろ青少年女性活動協会(北海道総合研究調査会|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|学校の長期休みを中心にした函館圏のセンターとなる学童保育所の開設|ヒトココチ(北海道総合研究調査会|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|SNSによるセクシュアル・マイノリティ専門相談「にじいろTalk-Talk」|北海道レインボー・リソースセンターL-Port(北海道総合研究調査会|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|多様な「ひとのつながり」でレジリエントな子どもを育成する次世代型ヘルスケア体操コミュニティの構築|ちくだいKIP(北海道総合研究調査会|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|ここから実験室|かしわのもり(北海道総合研究調査会|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|青少年育成グローバル事業|国際交流団体ブロック(北海道総合研究調査会|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|空き家整理の担い手に!生活困窮者の自立支援事業|旭川NPOサポートセンター(北海道総合研究調査会|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|「車いすの学校」を活用した“三方よし!”の社会的弱者支援|飛んでけ車いすの会(北海道総合研究調査会|実行団体)[外部リンク] button icon


【事業基礎情報】

資金分配団一般社団法人 北海道総合研究調査会
事業名北海道未来社会システム創造事業
〜休眠預金活用による道内地域課題の効果的・効率的な解決に向けて〜
<2019年度通常枠>
活動対象地域北海道
実行団体・特定非営利活動法人 ezorock
・特定非営利活動法人 地域生活支援ネットワークサロン
・公益財団法人 さっぽろ青少年女性活動協会
・株式会社 ヒトココチ
・北海道レインボー・リ ソースセンター L-Port
・一般社団法人 ちくだいKIP
・特定非営利活動法人 かしわのもり「ここから実験室」
・一般社団法人 国際交流団体ブロック
・特定非営利活動法人 旭川NPOサポートセンター
・特定非営利活動法人 飛んでけ車いすの会

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2022年3月末に事業完了した2019年度通常枠【外国ルーツ青少年未来創造事業|日本国際交流センター】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体


【事業基礎情報】

資金分配団公益財団法人 日本国際交流センター
事業名外国ルーツ青少年未来創造事業
〜外国にルーツをもつ子供・若者の社会的包摂のための社会基盤作り〜
<2019年度通常枠>
活動対象地域全国
実行団体・特定非営利活動法人 IKUNO・多文化ふらっと
・社会福祉法人 さぽうとにじゅういち(さぽうと21)
・特定非営利活動法人 ABCジャパン
・特定非営利活動法人 glolab
・一般社団法人 DiVE.tv
・特定非営利活動法人 アレッセ高岡
・特定非営利活動法人 青少年自立援助センター

人生で初めて海に入った日のことを、覚えていますか? 飛行機に乗ること、旅行に行くこと、自由に海で泳ぐこと。そんな体験をかけがえのない思い出として、医療的ケア児とその家族に届けている団体があります。2019年度通常枠の実行団体である「NPO法人Lino」です(資金分配団体:公益財団法人 お金をまわそう基金)。今回はLinoが立ち上げ当初から続けてきた、沖縄海洋リハビリツアーに密着。医療的ケア児とその家族が体験した初めての海、その先にLinoが目指す社会のあり方について、Lino代表の杉本ゆかりさんのお話とともにお届けします。

人生で初めて海に入る日

どこまでも晴れ渡った青空の下に広がる、南国の美しく澄んだ海。

沖縄県恩納村(おんなそん)の海では、大人も子どもも誰もが一緒になって、穏やかに海を眺めたり海に入って水遊びを楽しんだりと、それぞれの楽しみ方で海を満喫しています。

この海で2022年10月1日から3日に開催されたのが、NPO法人Lino(以下「Lino」)による「沖縄海洋リハビリツアー」です。

「海洋リハビリ」とは、生きるために医療的なケアを必要とする医療的ケア児に向けて、マリンスポーツの体験を提供すること。人工呼吸器や胃ろうなどを日常的に使用しているため、海に入ることが難しい医療的ケア児が、豊かな人生経験を得られるように実施されています。

Linoの沖縄海洋リハビリツアーは、2018年から実施されており、今回が6回目の開催。3日間の行程でメインイベントとなる海洋リハビリは、2日目の午前中に実施されました。

当日は朝から快晴。沖縄らしく、10月初旬にして最高気温30度と、海に入るのにぴったりな気候になりました。 まずは8時から、砂浜で開催されたヨガで1日をスタート。沖縄で海洋リハビリに取り組む団体・チャレンジドオーシャンのスタッフに教わりながら、医療的ケア児の家族も参加していました。

当日は朝から快晴。沖縄らしく、10月初旬にして最高気温30度と、海に入るのにぴったりな気候になりました。 まずは8時から、砂浜で開催されたヨガで1日をスタート。沖縄で海洋リハビリに取り組む団体・チャレンジドオーシャンのスタッフに教わりながら、医療的ケア児の家族も参加していました。

ヨガを終えたら、いよいよ海洋リハビリが始まります。準備を終えた医療的ケア児と、サポートに入るチャレンジドオーシャンのスタッフで顔合わせをしてから、順番に砂浜へ。海洋リハビリツアーで使用している「ホテルモントレ沖縄 スパ&リゾート」は、ホテルの部屋から砂浜の直前まで車椅子を使って移動できます。

今回参加した医療的ケア児は5名。うち4名が海に入るのはほとんど初めてだそうで、どこか緊張した様子です。

Linoの海洋リハビリツアーでは毎回、さまざまなアクティビティを用意。出発前に参加者向けのオンライン説明会にて、海洋リハでできることとやりたいことを確認し、それぞれの障害や性格に合わせてアクティビティを選択しました。

5人中4人が最初に参加したのが、船底から海の中が見えるグラスボートです。親子や兄弟で一緒に船に乗り込むと、あっという間にサンゴの見えるポイントへ。ガラス越しに好きな魚を探したり、海風に吹かれたり、思い思いに海上での時間を過ごします。

楽しい海上の旅は、あっという間に終わりました。船の乗り降りは、スタッフがお手伝いします。

続いて4人の医療的ケア児がチャレンジしたのは、ドラゴンボート。通常はボートの外側に乗ることが多いですが、医療的ケア児は姿勢を保っていられるようにボートの内側に座りました。

とはいえ、直接水しぶきがかかるドラゴンボートには出発前からどきどき。それでもKさんは、水しぶきが一番かかる先頭を引き受けてくれました。

初めての体験にどきどきしていたのは、医療的ケア児だけではありません。実はともに乗り込むお母さんが海上で酔いやすいとお話しされていました。

それでも娘と一緒に初めてのドラゴンボートを体験できるように、グッと力を入れて乗船します。初めての体験を前にする気持ちは、医療的ケアを必要とする当事者であろうとそうでなかろうと、みんな同じなのです。

帰ってきたときには全身ずぶ濡れでしたが、「親子で初めてドラゴンボートに乗って、海の色が変わる境界まで行けたことと、そのときに見た景色が忘れられません」との声が聞けました。

また、海との近づき方は人それぞれです。グラスボートにもドラゴンボートにも乗らなくても、波打ち際に座って、全身で波を体感したり、浮き輪で泳ぐ参加者もいました。

一人用の浮き輪をつけられない参加者も波に揺られる体験ができるように、全身を預けられる大きな浮き輪を用意。お母さんと一緒に海を楽しみました。さらにサップボードも登場。お母さんたちも、お子さんと一緒に初めての体験を満喫していました。

あるお母さんが「子どもの体力がないだろうと思っていたけれど、体力を発揮する機会がなかっただけなのかも」と話すほどに、医療的ケア児ひとりひとりが思いっきり海と向き合っていた4時間。 保護者の方々から「まさかうちの子どもが、初めてのことをここまで体験できると思っていなかった」と、お子さんの普段見られない表情に満足する声が多数聞けました。

そこにいた誰もが自分だけの「初めて」を経験したひとときは、きっと記憶に強く残ることでしょう。

医療的ケア児と一緒に旅行ができる人を増やす機会に

この海洋リハビリツアーを主催しているLinoの掲げるビジョンは、「健常者・障害者という垣根をなくし、自然と人が集まり、共存・助け合う世界をつくる
~ Diversity & Inclusionな世界の実現 ~」。代表理事の杉本ゆかりさんが2018年に立ち上げました。

杉本さんは娘が2歳半のときに医療的ケア児になって以来、家族として娘を支えています。自分が親にしてもらったことを娘にも全て経験させたい、との思いで、娘をハワイに連れて行ったり一緒に映画を観に行ったりと、積極的に出かけてきました。

「飛行機に乗って海外に行くことは大変だけれど、娘が飛行機に乗ったその先に楽しみがあると理解してから、飛行機に乗っている時間を我慢していられるようになったんです。本人にとって楽しみなことなんだなと伝わってきて、私もすごく嬉しかったです」

杉本さんも海洋リハビリに毎回親子で参加している。お子さんは泳ぐのが大好き。

子どもと一緒に体験してきた、かけがえのない思い出の数々。それによる子どもの変化を強く実感したからこそ、杉本さんは、他の医療的ケア児も同じように経験できたら、と思うようになっていきます。

「障害がなければ、親と一緒に旅行に行くことってあるじゃないですか。でも障害があると、『飛行機に乗るには人工呼吸器を持ち込めるのか、チケットをどう取ればいいのかわからない』『空の上で発作が出たらもうおしまい』と、飛行機に乗ることをあきらめざるを得ない人がたくさんいる。

でも、ちょっと頑張ってみたら得られるものがものすごくたくさんあるので、行ってみたい人には経験させてあげたかったし、それが難しいならお手伝いをしたいなと思いました」

この思いから、2018年にLinoを立ち上げてすぐに、沖縄海洋リハビリツアーの開催を決めます。重い障害を抱える子どものお母さんに、「沖縄にできればもう一回行けたらいいなと思っている」と打ち明けられたことがきっかけでした。

「呼吸器をつけていたり喉に穴が空いていたりすると、海に入るってすごくリスクが高くなるんです。学校ですら、なかなかプールに入れない。でも私は看護師で、看護師の先輩たちもサポートしてくれるから、工夫したら頑張れるんじゃないかと思って」

こうして沖縄で初開催した海洋リハビリツアーでは、チャレンジドオーシャンとタッグを組み、人工呼吸器をつけた参加者が海に入れたといいます。1回目の実施を経て杉本さんは、海洋リハビリの価値を強く実感しました。

「医療的ケア児の保護者が年齢を重ねたら、子どもを旅行に連れて行けなくなりますよね。でも医療的ケア児を旅行に連れていくサポートをしたことがある人が増えたら、旅行に行きたいと願う医療的ケア児を誰でも連れていけるようになる。だから海洋リハビリを続けていこうと決めました」

休眠預金の活用をきっかけに、関わる人が増えた

より多くの医療的ケア児に豊かな体験を届けるために、活動2年目に休眠預金活用事業への申請を決めた杉本さん。2019年度通常枠に実行団体として採択され、休眠預金活用事業をスタートします。

Linoに伴走する資金分配団体は、公益財団法人お金をまわそう基金です。生まれたてだったLinoにとって特に重要だったのは、「Linoを知ってもらうこと」でした。

「お金をまわそう基金の方が、Linoの活動を広めるために一緒に考えてくれて、いろいろな人とつなげてくれました。おかげでLinoを知ってくれる人が増えて、協力してくれる人も出てきたんです」

例えば、以前は全ての業務を杉本さんが対応していたことで、少しずつ手が回らない部分が出ていたのだそう。しかし休眠預金活用事業がスタートしたことで理事が加入し、協力者が増え、運営体制が安定していきました。

「団体としての意識が変わって、『私がここは責任を持って担当するよ』と言ってくれるメンバーが内部から出てきました。最近では社会人ボランティアの方々が関わってくれるようになって、それぞれの経験値をもとにLinoをどんどん良くしてくれています」 まずはLinoを知ってもらうこと。そう考え、協力者を増やすことからはじまった活動ですが、事業期間3年の間にLinoとしてできることを着実に増やしてきました。

「この3年間で組み立ててきたことは全て、休眠預金があったからこそ実現できました。関わってくれる人が増えたのって、休眠預金を活用するようになって団体として信用を得られたことが、理由として大きかったのかなと。自分のお金を使って活動していたら、ここまで多くの人と関わることはできなかったなと思いますね」

こうして少しずつ活動の幅を広げながら、Linoの目指す「自然と人が集まり、共存・助け合う世界」に向けて前進しています。

誰もが助け、助けられることを「当たり前」にする

Linoの海洋リハビリは、誰もが混ざり合える場です。
医療的ケア児かそうでないか、大人か子どもか、参加者なのか運営者なのか、泳げるのか泳げないのか。

Linoのつくり出す場には、一般的にいわれるそのような境界線はありません。その場にいた誰もが当たり前のように助け、助けられ、それぞれの「初めての体験」に体当たりしながら、一緒に過ごしています。

「海洋リハビリではあえて親子で離れてみる機会もつくって、お母さんだけでサップを経験してもらったり、スタッフが付き添う形でお子さんだけで泳いでもらったりしています」と杉本さんが話すとおり、親子に限らず、お互いに助け合いながら一緒に楽しむ関係性が生まれていました。

自分の子どもが気づいたら誰かに面倒を見てもらっていて、逆に自分も誰かに手を差し伸べる。杉本さんはこうした「ごちゃ混ぜ」の場で育まれる関係こそが、Linoの目指す社会のあり方につながっていくと考えています。

「障害を持っている子どもの親って、自分が子どもをつきっきりで見ることが多いから、全部面倒を見ようとしちゃうんですよね。でももし安心して子どもを預けられる存在がいたら、自分は離れられる。

そうやって誰かを頼る機会が結果的に、親である自分がこの世を去った後も子どもはきっと安心して生きていけるだろうな、と思えることにつながると思うんです」

自分がいつか、子どものそばにつきっきりでいられなくなる未来。そんな未来を見据えている杉本さんだからこそ、「自然とお互いに支え合える社会」を実現する一歩目として、Linoの場づくりを大切にしているのです。

海洋リハビリの日、医療的ケア児がのびのびと遊んでいる姿を笑顔で見つめながら、ある保護者の方が聞かせてくれました。 「子どもは本当は、海が好きだったんだなと今日わかりました。それなのに10年も連れて来られなくて、こんなに喜んでいる姿を見ていて申し訳ない気持ちになりました」

海洋リハビリの日、医療的ケア児がのびのびと遊んでいる姿を笑顔で見つめながら、ある保護者の方が聞かせてくれました。 「子どもは本当は、海が好きだったんだなと今日わかりました。それなのに10年も連れて来られなくて、こんなに喜んでいる姿を見ていて申し訳ない気持ちになりました」

日常的に医療的ケア児を全力でサポートしている保護者が、子どもへの「申し訳ない」という感情を抱え込まなければいけない現実があります。

誰も「申し訳ない」と思うことなく、望むように旅行ができること。子どもの将来に対して親が安心することができ、親子で今をもっと楽しむことができること。
そんな「当たり前」を可能にする関係性を育むために、Linoはこれからも、支え合いの輪を広げていきます。

取材・執筆:菊池百合子



【事業基礎情報】

実行団体
特定非営利活動法人 Lino
事業名
重症心身障害児・者と家族の学びの場を確保と生活の充実を図る事業
活動対象地域
全国
資金分配団体
公益財団法人 お金をまわそう基金
採択助成事業
医療的ケア児と家族の夢を寄付で応援

<2019年度通常枠>


「お金をまわそう基金」さんでも、今回のツアーが記事化されています。ぜひご覧ください!