『若者の「望まない孤独」支援モデル形成事業 調査報告書』を発行|育て上げネット

休眠預金活用事業の成果物として資金分配団体や実行団体で作成された報告書等をご紹介する「成果物レポート」。今回は、資金分配団体『認定特定非営利活動法人 育て上げネット〈22年度緊急支援枠〉』(※コンソーシアム申請(構成団体:READYFOR株式会社)が発行した報告書『若者の「望まない孤独」支援モデル形成事業 調査報告書』を紹介します。

若者の「望まない孤独」支援モデル形成事業 調査報告書

認定特定非営利活動法人 育て上げネット(東京都立川市)は、READYFOR株式会社(東京都千代田区)とコンソーシアムを組み、2022年度緊急支援枠(2次)の資金分配団体として、「若者の「望まない孤独」支援モデル形成事業」事業を実施し、この度、同事業の全国 9 都府県(東京都、埼玉県、千葉県、京都府、大阪府、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県)における調査をまとめた報告書を公開しました。

本レポートでは、育て上げネットが助成を行った各団体の運営する居場所の利用者に対し、「孤独・孤立感」が利用前後でどのように変わっていったのかをアンケートを通じて調査し、その結果やどのような成果が得られたかが掲載されています。ぜひ、ご覧ください。

【事業基礎情報】

資金分配団体認定特定非営利活動法人 育て上げネット
(コンソーシアム幹事団体)

【構成団体】
・READYFOR 株式会社
事業名若者の「望まない孤独」支援モデル形成事業
~「時間・距離・敷居」の壁を超える~

〈2022年度緊急支援枠〉
活動対象地域全国
実行団体・特定非営利活動法人 サンカクシャ
・特定非営利活動法人 Learning for All
・一般社団法人 パーソナルサービス支援機構
・一般社団法人 YOU MAKE IT
・特定非営利活動法人 キャリアbase
・学校法人 代々木学園
・認定特定非営利活動法人 D×P
・特定非営利活動法人 沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2023年3月末に事業完了した2020年度通常枠【社会的養護下にある若者に対する社会包摂システム構築事業|公益財団法人ちばのWA地域づくり基金[20年度通常枠]】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体


【事業基礎情報】

資金分配団公益財団法人 ちばのWA地域づくり基金
事業名社会的養護下にある若者に対する社会包摂システム構築事業<2020年度通常枠>
活動対象地域千葉県
実行団体・一般社団法人 はこぶね
・一般社団法人 いっぽの会
・株式会社 ベストサポート
・ちば子ども若者アフターケアコンソーシアム

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2024年3月末に事業完了した2020年度通常枠【ローカルな総働で孤立した人と地域をつなぐ|東近江三方よし基金】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体

事後評価報告|地域の応援者を増やして、みらいのかのうせいをもっとたかめよう!|みかた麹杜(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|引きこもりや精神障害があり孤立状態の人に社会参加の環境を創る|マーシ園(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|地域みんなで産前産後・子育てを応援!!|産前産後ケアはぐ(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|外国人住民のためのうんなん暮らし支援事業|うんなん多文化共生まちづくり協議会(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|個性を育む創造プロジェクト|3C「夢」Club実行委員会(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|桜ヶ池キャンプ場|ガラパゴス(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|みんなで走らす湖東のバス企画|湖東まちづくり(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|空き家を活用して命を守りつなぐ場づくり|Team Norishiro(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|空き家対策・移住・定住促進事業|なんとおせっ会 移住応援団(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|総働で地域につなぐ移住者支援拠点づくり|愛のまちエコ倶楽部(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|お寺初!おかあさん目線の雇用創出事業|テラまちコネクト(東近江三方よし基金|実行団体)[外部リンク] button icon


【事業基礎情報】

資金分配団公益財団法人 東近江三方よし基金

[コンソーシアム構成団体]
・うんなんコミュニティ財団
・公益財団法人 南砺幸せ未来基金
事業名ローカルな総働で孤立した人と地域をつなぐ
<2020年度通常枠>
活動対象地域全国、市
実行団体・一般社団法人 みかた麹杜
・社会福祉法人 マーシ園
・産前産後ケアはぐ
・うんなん多文化共生まちづくり協議会
・3C「夢」Club実行委員会
・株式会社 ガラパゴス
・湖東まちづくり
・一般社団法人 Team Norishiro
・なんとおせっ会 移住応援団
・特定非営利活動法人 愛のまちエコ倶楽部
・テラまちコネクト

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2023年3月末に事業完了した2020年度通常枠【複数被災地における復興支援モデル構築事業|RCF[20年度通常枠]】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体


【事業基礎情報】

資金分配団一般社団法人 RCF
事業名複数被災地における復興支援モデル構築事業
<2020年度通常枠>
活動対象地域・熊本県人吉球磨地域
・岩手県陸前高田市広田町、矢作町、小友町
・愛媛県宇和島市旧宇和島市内、吉田町、三間町
・宮城県南三陸町
実行団体・特定非営利活動法人 宇和島NPOセンター
・一般社団法人 ドットリバー
・特定非営利活動法人 SET
・東北圏地域づくりコンソーシアム

今回のJANPIAスナップでは、JANPIA×RISTEX共催イベントを開催した様子をお届けします。

イベント概要

JANPIAはRISTEXとの共催イベントとして、2024年1月24日に第1弾ラウンドテーブル「孤立・孤独という社会課題にどう向き合うか?~直面する課題に立ち向かう現場×研究による予防的アプローチ~」、2月1日に、第2弾セミナー「現場と研究のつながりが社会課題解決を促進する~企業がつないだ事例「シングルペアレンツ・エンパワメント・プログラム」から~」を開催しました。

第1弾:ラウンドテーブル「孤立・孤独という社会課題にどう向き合うか?~直面する課題に立ち向かう現場×研究による予防的アプローチ~」

「社会的孤立・孤独」の課題に対し、当事者への日常的な直接の支援に取り組むJANPIAの民間団体と、孤立が発生する因子にフォーカスした研究に取り組むRISTEXの研究者が登壇し、相互の活動を知り、知見の交換を図るラウンドテーブルを行いました。

様々な孤独、孤立を考えるにあたり、フィールドが異なる皆様から、ご報告いただきました。
多様な世代へのアプローチ、アウトリーチ、子ども・若者(ユース世代)の分野では、相談できる場所がない、親に頼れないなどの事情を抱えているケースが多い。
また、地域によっては「世間体」を気にする人が多くオーダーメイド方式で対応している。本人が「孤立」している、「孤独」を自覚している人がいないなど地域の文脈を理解しながら支援することが必要であるというコメントがありました。

登壇者のご紹介

左から、一般社団法人Team Norishiro 理事 野々村 光子 氏、認定NPO法人D×P 代表理事 今井 紀明 氏、同朋大学 社会福祉学部 准教授 宮地 菜穂子 氏、弘前大学大学院保健学研究科 助教 櫛引 夏歩 氏、追手門学院大学 教授/広島大学 名誉教授 浦 光博 氏、JANPIA職員 高木陽子
左から、一般社団法人Team Norishiro 理事 野々村 光子 氏、認定NPO法人D×P 代表理事 今井 紀明 氏、同朋大学 社会福祉学部 准教授 宮地 菜穂子 氏、弘前大学大学院保健学研究科 助教 櫛引 夏歩 氏、追手門学院大学 教授/広島大学 名誉教授 浦 光博 氏、JANPIA職員 高木陽子

当日の動画

 動画〈YouTube[外部リンク]

第2弾:「現場と研究のつながりが社会課題解決を促進する~企業がつないだ事例「シングルペアレンツ・エンパワメント・プログラム」から~」

左から、ファシリテーター伊藤 健 氏、NPO法人全国ひとり親居住支援機構 代表理事 秋山 怜史 氏、武庫川女子大学 心理・社会福祉学部社会福祉学科 准教授/一般社団法人TICC共同代表 大岡 由佳 氏、アメリカン・エキスプレス 広報担当バイスプレジデント  佐藤 克哉 氏
左から、ファシリテーター伊藤 健 氏、NPO法人全国ひとり親居住支援機構 代表理事 秋山 怜史 氏、武庫川女子大学 心理・社会福祉学部社会福祉学科 准教授/一般社団法人TICC共同代表 大岡 由佳 氏、アメリカン・エキスプレス 広報担当バイスプレジデント  佐藤 克哉 氏

異なるセクターの協働による社会課題解決事業の参考となる事例として、企業が研究者と民間公益活動を行う団体をつなぎ実施している「シングルペアレンツ・エンパワメント・プログラム※」の事例を参考に、同じ社会課題解決を目指す研究者と非営利組織、企業がどのような役割をもって事業を実施してきたのかを振り返りながら、マルチセクターで協働するメリットや、有機的なつながりをつくるコツなど、課題解決において相乗効果を生むために役立つヒントについて、セミナー形式で行いました。

当日の動画

 動画〈YouTube[外部リンク]

当プログラムをマネジメントする立場であるAVPN伊藤氏をファシリテーターとし、秋山氏からは民間公益活動を行う団体の視点から、大岡氏からは研究者として、佐藤氏は企業として活動をサポートする立場から、シングルペアレントの居住問題とメンタルヘルスが、なぜセットで語られるのか?に目をむけ、シングルペアレントの背景を知り連携することで、シナジーを生み出している事例が紹介されました。
また、NPOなどの支援者が居住支援にかかわる様々な支援者がトラウマのことをよく知って関わる姿勢(トラウマインフォームドケア)を学ぶことで、トラウマを抱えたシングルペアレントの背景を尊重しながらケアをしていくことが重要であり、この連携事例が大きな意味を持つことが確認されました。
さらには、企業視点での連携における難しさやそれを克服するための工夫なども紹介され、それぞれが違う立場で同じ目標に向かって活動を推進することの意義が話し合われました。

シングルペアレンツ・エンパワメント・プログラム by American Express
アメリカン・エキスプレスの支援により2023年4月から2024年3月までAVPNが運営する事業です。複数の企業と非営利組織の連携により、対象者(いわゆる「シングルマザー」や予期せぬ妊娠をした方)が必要とする住まいとメンタルヘルスケアのサービスを提供しています。

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2022年3月末に事業完了した2019年度通常枠【中国5県休眠預金等活用コンソーシアム休眠預金活用事業|中国5県 休眠預金等活用コンソーシアム】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体


【事業基礎情報】

資金分配団中国5県 休眠預金等活用コンソーシアム
(幹事:特定非営利活動法人 ひろしまNPOセンター)
事業名中国5県休眠預金等活用コンソーシアム休眠預金活用事業<2019年度通常枠>
活動対象地域中国地方
実行団体・たすき 株式会社
・特定非営利活動法人 子どもシェルターモモ
・特定非営利活動法人 湯来観光地域づくり公社
・特定非営利活動法人 NPO狩留家

​​2013年に福岡県初のフードバンク団体として設立された、NPO法人フードバンク北九州ライフアゲインは、「すべての子どもたちが大切とされる社会」を目指し、子育て世帯を中心とした食料支援に取り組んでいます。コロナ禍で急増した「食料支援の需要」と「食品ロス」の問題を受けて、同団体は​​食料を配布するだけでなく、サプライチェーンの効率化やステークホルダーの連携促進にも尽力しています。食料品店、中間支援組織、行政等と協力して22年度に集まった食料品は136t以上。月35世帯ほどだった支援規模は​​​​月100〜150世帯​​にまで増加しました。こうした功績の背景にはどんな工夫があったのか。理事の​​​​​​陶山惠子さんにお話を伺いました。[コロナ枠の成果を探るNo.3]です。

​​「食料支援の需要」と「食品ロス」の問題に向き合い、延べ4,000世帯を支援​

​​子どもの通う学校が休校になり、働きに出られず、職を失った。自宅にこもる時間が増え、ストレスが蓄積されたことで家庭が崩壊した。2020年、新型コロナウイルスがもたらしたこのような問題は北九州市でも深刻を極めていた、と陶山さんは振り返ります。​

​​「コロナが原因で失職や離婚した家庭が増え、食料支援を求める世帯が急増。2019年度末には月30〜40世帯だったのが、2020年度にはゆうに100世帯を超えるほどに。同時に人の流れや物流が滞った影響で、土産品が売れ残ったり、給食用の食材も廃棄になったりと、食品ロスの問題も深刻化する一方でした」​

お話を伺ったNPO法人フードバンク北九州ライフアゲインの​​陶山惠子さん
お話を伺ったNPO法人フードバンク北九州ライフアゲインの​​陶山惠子さん

​​この問題に立ち上がったのが、陶山さんが理事を務める、NPO法人フードバンク北九州ライフアゲイン(以下、ライフアゲイン)です。同団体は、2013年の設立時より、食品ロスを食料支援につなげる環境活動と、経済的に厳しい子育て家庭への支援という福祉活動の両方に取り組んできました。​

​​コロナ禍において、ライフアゲインがLINE公式アカウントコミュニティ463名に対して実施したアンケートによると、257件あった回答のうち約7割が「家計の中で最も『食費』を充実させたい」と回答。こうした現場のニーズを出発点に、食料支援の体制を強化し、食品ロスの増加を食い止めるため、ライフアゲインによる休眠預金活用事業ははじまりました。​

実施したアンケートの結果
実施したアンケートの結果

​​事務所の近くに食品を保管するための倉庫を借り、スタッフを雇用したり、食品棚や搬入用の機材を購入したり。休眠預金を主に食品の管理環境や体制を整えるために活用することで、より幅広い層へのスムーズな食料支援につながったと言います。​


​​「主な支援の対象は子育て世帯ですが、生活困窮者の方たちにも、必要に応じて行政やケースワーカーさんを通じて食料支援をすることがあります。北九州市が積極的に取り組んでいる『子ども食堂』や連携先の大学で自主的なフードパントリー(※)を実施しました」​

​​※​​日々の食品や日用品の入手が困難な方に対して、企業や団体などからの提供を受け、身近な地域で無料で配付する活動のこと​

大学で実施したフードパントリー
大学で実施したフードパントリー

​​​​2022年末までの事業期間を経て、​​ライフアゲインが食品提供先として連携する福祉施設、および支援する団体の数は145団体(自治体福祉課・社会福祉協議会を除く)にのぼり、食品を提供した企業は188団体へ。​

​​​​食料支援件数は延べ4,000世帯を超え、寄贈された食品の受け入れ重量は2021年は110t、2022年度は130t以上​​と、一般的なフードバンク事業と比較し、圧倒的な規模での支援実績を記録しました。​

​​100を超える団体や行政と連携し、支援のアウトリーチを強化​

​​なぜ、これだけの規模で各所から食品が集まり、支援が可能になったのか。取材を通じて見えてきたのは、​​ステークホルダーとの連携力の強さ​​。それを証明した取り組みの一つが、​​食料配布のサプライチェーンの効率化です。​

2019年、​​ライフアゲインは福岡県リサイクル総合研究事業化センターが主催する「食品ロス」をテーマとした研究事業にチームリーダーとして参画し、複数の団体と協力して、食品ロスの削減に向けた取り組みを進めることに。​ ​結果、福岡県内でフードバンク活動の機運を高めるために新設されたのが、「福岡県フードバンク協議会」です。

​​​​2019年、​​ライフアゲインは福岡県リサイクル総合研究事業化センターが主催する「食品ロス」をテーマとした研究事業にチームリーダーとして参画し、複数の団体と協力して、食品ロスの削減に向けた取り組みを進めることに。​ ​結果、福岡県内でフードバンク活動の機運を高めるために新設されたのが、「福岡県フードバンク協議会」です。
​​​​研究事業の一環で県庁で行った食品ロスに関する合意締結式の様子

「現在、県内には8つのフードバンク団体が活動していますが、個別に食品を提供してくれる企業を開拓するのは大変ですし、企業にとっても一つひとつの団体と合意書を結ぶなどの対応をするのは相当な手間になります。逆に言えば、それらが解消されたなら、より多くの食品が効率的に集まるはず。そう考え、フードバンク団体と食品を提供する企業をつなぐ窓口の機能を一箇所にまとめるために協議会を設置しました」​

​​食品寄贈企業の開拓を始め、寄贈された食品の受付や管理、フードバンク団体への支援を呼びかける啓蒙活動や行政への政策提言を含む広報活動…。こうした役割を福岡県フードバンク協議会が積極的に担う体制が実現したことで、以前よりも集まってくる食品の数は格段に増えたと言います。​

そして、なにより重要なのは、集まった食品をいかに必要としている人に届けるか。​​北九州市内における相対的貧困世帯は母子世帯だけでも7,000にのぼると推測される一方、2019年度末時点で、ライフアゲインが支援する子育て世帯は50にとどまっていました。​ ​​当事者からの支援要請を待つのではなく、こちらから積極的に当事者とつながっていく「アウトリーチ」を強化する。​​その必要性を実感したライフアゲインは、支援希望者とつながるLINE公式アカウントを開設し、行政と連携して団体の活動を広く告知。これが支援者の拡大に大きく貢献したと、陶山さんは話します。​
​寄贈された食品

そして、なにより重要なのは、集まった食品をいかに必要としている人に届けるか。​​北九州市内における相対的貧困世帯は母子世帯だけでも7,000にのぼると推測される一方、2019年度末時点で、ライフアゲインが支援する子育て世帯は50にとどまっていました。​ ​​当事者からの支援要請を待つのではなく、こちらから積極的に当事者とつながっていく「アウトリーチ」を強化する。​​その必要性を実感したライフアゲインは、支援希望者とつながるLINE公式アカウントを開設し、行政と連携して団体の活動を広く告知。これが支援者の拡大に大きく貢献したと、陶山さんは話します。

「市内の各区役所に案内を設置し、2021年の冬休み前には行政からの提案で、児童扶養手当の受給者を対象とした配布物の中にチラシを同封してもらいました。送付先は約1万人。当初は300世帯だった支援対象の幅を、思い切って1,000世帯にまで広げました。支援希望者にはLINE公式アカウントへの登録を促したところ、新たに1,200名とつながることができたんです 

​​食料支援のボックスの中身​
​​食料支援のボックスの中身​

​口コミの力も相まって活動の認知はさらに広がり、取材時点でLINE公式アカウントに登録している支援希望者は1,800名にまで増加しました。現在も学校の長期休み前には、LINEを通じて食料支援の希望を聞いています。

​​「共に助け合う心」の強さ。未来の孤立を防ぐために​

ステークホルダーとの連携により、これまで以上に幅広い世代への食料支援が実現したころ、ライフアゲインの事務所には支援利用した方からのお礼のメッセージが続々と届き始めました。

 

「孤独じゃないと実感して勇気づけられた」「私たち家族のことを想ってくれる人がいると実感して元気が出た」ーーそんな感謝の声が溢れる中、とりわけ胸を打たれたメッセージについて、陶山さんは話してくれました。 


「中学生の女の子から、こんな手紙が届いたです。『ありがとうございます。これでお母さんと一緒にご飯が食べられます。お母さんはいつも私達がお腹いっぱい食べられるようにと、余りものばかりを食べて、まともな食事をしていません。食料を届けてくれたおかげで、家族みんなでご飯を食べられることが何より嬉しいです』と。食料支援を希望する人の生活は、私たちが想像するよりもはるかに厳しいのだと思い知らされると同時に、必要な人に支援が届くことの意義を実感できた瞬間でした」 


​​「私は決して独りじゃなかった」。食料支援を受け取った多くの人がそう感じたように、ライフアゲインもまた、支援を実施する中でステークホルダーによるサポートの心強さを実感していました。​

​​「1,000世帯に食料支援のボックスを届ける際、梱包作業がとにかく大変だったんです。そこで食料を寄贈してくださった企業にお声がけをしたら、多くの方が箱詰めのボランティアに参加してくれました。また、送料を賄うためにクラウドファンディングで支援を募ったら、目標金額を超える120万円の寄付が集まりましたし、資金分配団体の一般社団法人全国フードバンク推進協議会さんも他団体の参考になる情報を共有してくださるなど、常に相談しやすい関係性を築いてくださいました。​

​​あとは何より、活動を続ける中で行政との関係性が変化してきたなと実感しています。最近では市が主催するフードバンクの事業に対して提言を求められることもあり、相互に頼り、頼られる関係性が醸成されてきたなと感じています」​

エフコープ生活協同組合と連携して行った食品配布の様子
エフコープ生活協同組合と連携して行った食品配布の様子

つながり続ける関係の中で、助けを求めることは決して恥ずかしいことじゃないーー「家計は苦しいけれど、食料支援を受けるのは抵抗がある」という人も少なからずいる中、ライフアゲインはそんなメッセージを発信し続けてきたと言います。 


困っている人には手を差し伸べ、自分が困っているなら周りに助けを求める。ライフアゲインの“共助”の姿勢は周囲にも伝播し、大きな力となって、誰一人孤立しない未来を引き寄せ続けるに違いありません。

 

最後に陶山さんは、団体の今後についてこう語ってくれました。 


「昨今は物価高騰の問題もあり、子育て世代はもちろん、さまざまな事情から困窮し、孤立している人が増え続けています。私たちとしては、フードバンク事業を着実に続けながら、これまで以上に福祉活動にも力を入れたいなと。取り組みの一つとして、2022年からは家庭訪問型の子育て支援の準備も進めており、新しく借りた事業所ではさまざまな困りごとに耳を傾ける相談室を開こうと考えています。今後は食料支援を入口に、支援を必要としている一人でも多くの人とつながり、安心できる関係性を築くことで、困ったときには気軽に頼ってもらえる存在になりたいです」 

 

 

 

【事業基礎情報】

実行団体認定特定非営利活動法人フードバンク北九州 ライフアゲイン
事業名コロナ禍でも届く持続可能な食支援強化事業
活動対象地域北九州市及び近郊地域
資金分配団体一般社団法人 全国フードバンク推進協議会
採択助成事業2020年度新型コロナウイルス対応支援助成

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2022年3月末に事業完了した2019年度通常枠【こども食堂サポート機能設置事業|全国食支援活動協力会】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体


【事業基礎情報】

資金分配団一般社団法人 全国食支援活動協力会
事業名こども食堂サポート機能設置事業
<2019年度通常枠>
活動対象地域全国
実行団体・一般社団法人 こどもの居場所サポートおおさか
・特定⾮営利活動法人 寺⼦屋⽅丈舎
・社会福祉法人 那覇市社会福祉協議会
・一般社団法人 コミュニティシンクタンク北九州

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2022年3月末に事業完了した2019年度通常枠【沖縄・離島の子ども派遣基金事業|みらいファンド沖縄】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体


【事業基礎情報】

資金分配団公益財団法人 みらいファンド沖縄
事業名沖縄・離島の子ども派遣基金事業
<2019年度通常枠>
活動対象地域沖縄
実行団体・特定非営利活動法人 豊見城市体育協会
・株式会社 ハブクリエイト
・一般社団法人 沖縄県サッカー協会

事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2022年3月末に事業完了した2019年度通常枠【NPOによる協働・連携構築事業|中部圏地域創造ファンド】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。

事業概要等

事業概要などは、以下のページからご覧ください。


事後評価報告

事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。

・資金分配団体

・実行団体

事後評価報告|孤独を生み出さないための居場所作りの整備|アイダオ(中部圏地域創造ファンド|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|UEDA次世代支援プロジェクト|侍学園スクオーラ・今人(中部圏地域創造ファンド|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|うえだ・こどもシネクラブ|上田映劇(中部圏地域創造ファンド|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|多文化多様性の輝く保見団地プロジェクト|愛知県県営住宅自治会連絡協議会(中部圏地域創造ファンド|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|子どもから高齢者まで、住民が考える多国籍団地自治|県営保見自治区(中部圏地域創造ファンド|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|つながりで作る多文化多様性が輝く地域|トルシーダ(中部圏地域創造ファンド|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|保見に新しい風を!|保見プロジェクト(中京大学)(中部圏地域創造ファンド|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|外国人による地域活動推進と多言語情報発信プロジェクト|外国人との共生を考える会(中部圏地域創造ファンド|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|自然と生きる若者集団プロジェクト|かしもむら(中部圏地域創造ファンド|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|自然とふれあう活動による地域づくり事業|馬瀬川プロデュース(中部圏地域創造ファンド|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|山村地域における若者の体験学習と継続的な交流の場の創出|aichikara(中部圏地域創造ファンド|実行団体)[外部リンク] button icon 事後評価報告|若者の木造建築学習を通じた山村再生事業|加子母木匠塾(中部圏地域創造ファンド|実行団体)[外部リンク] button icon


【事業基礎情報】

資金分配団一般財団法人 中部圏地域創造ファンド
事業名NPOによる協働・連携構築事業
〜寄り添い型包括的支援で困難な課題にチャレンジ!創造性を応援!〜

<2019年度通常枠>
活動対象地域中部圏(長野、岐阜、静岡、愛知、三重の5県)
実行団体・特定非営利活動法人 アイダオ
・特定非営利活動法人 侍学園スクオーラ・今人
・特定非営利活動法人 上田映劇
・愛知県県営住宅自治会連絡協議会
・県営保見自治区
・特定非営利活動法人 トルシーダ
・保見プロジェクト(中京大学)
・外国人との共生を考える会
・特定非営利活動法人 かしもむら
・特定非営利活動法人 馬瀬川プロデュース
・一般社団法人 aichikara
・学生団体 加子母木匠塾