休眠預金活用事業に係るイベント・セミナー等をご案内するページです。今回は、一般社団法人NOTOTO.主催「能登復興 伝わる★広がる 広報の力 ~いっしょに能登に関わり応援したくなる広報・PRについてのパネルトーク&意見交換会~」を紹介します。
能登復興 伝わる★広がる 広報の力
~いっしょに能登に関わり応援したくなる広報・PRについてのパネルトーク&意見交換会~
能登に関連する報道や情報が急速に減り、注目や関心が薄れるなかで、継続的に個人や企業に関心を持ってもらい、関係を継続してもらうための広報やPRについて、専門家のゲストをお呼びしてパネルトークを行います。
後半はゲストを交えて能登各地で活動する方々とパネルトークや意見交換を行います。
【イベント情報】
日時 | 2025年9月3日(水)15:30 – 17:30 |
開催形式 | 会場+オンラインでのハイブリッド開催 (登録いただきましたメールアドレスにZOOMウェビナーのURLリンクをお送りいたします。) |
会場 | NOTOMORI.内イベントスペース (〒929-2372 石川県輪島市三井町洲衛10-11-1 のと里山空港第一駐車場内)【MAP】 |
参加費 | 無料 |
タイムスケジュール | 15:30~16:30 パネルトーク 16:30~17:30 ゲストを交えた意見交換会 (13:00~15:00は同じ会場でJANPIA主催「休眠預金を活用した災害支援事業への取り組み:これまでの取り組み事例から、能登のこれからを考える」が開催されます。要別途申込) |
ゲスト | ◇小原美和さん 映像制作プロデューサー/元NHKディレクター&プロデューサー/東日本大震災プロジェクト制作統轄/著者に「ドキュメント震災三十一文字〜鎮魂と希望〜」 ※登壇者変更がありました(9/1修正) ◇津田大介さん ジャーナリスト/メディア・アクティビスト/ポリタスTVキャスター・主宰 ◇松中権(司会進行・モデレーター) 一般社団法人NOTOTO. 共同代表/一般社団法人金沢レインボープライド共同代表 |
主催 | 一般社団法人NOTOTO. |
お申込み | 以下の申込フォームもしくはQRコードよりお申込みください。 https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfwgaJKI4drPV2tayeAfwrMh_E3C4W5Soy9crYI3VFZN96jKA/viewform?pli=1 |
お問い合わせ | 一般社団法人NOTOTO. [URL]https://nototo.jp/ |
★本イベントは、休眠預金を活用した事業です。
※一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)主催のイベントが、同日 13:00~15:00、同じ会場で開催されています。
JANPIA主催「休眠預金を活用した災害支援事業への取り組み ~これまでの取り組み事例から、能登のこれからを考える~」のご案内 | 休眠預金活用プラットフォーム)
休眠預金活用事業の成果物として資金分配団体や実行団体で作成された報告書等をご紹介する「成果物レポート」。今回は、資金分配団体 中国5県休眠預金等活用コンソーシアム(特定非営利活動法人ひろしまNPOセンター、公益財団法人とっとり県民活動活性化センター、公益財団法人ふるさと島根定住財団、特定非営利活動法人岡山NPOセンター、特定非営利活動法人やまぐち県民ネット21)が発行したレポート『2021年度通常枠 中国5県休眠預金等活用コンソーシアム休眠預金活用事業報告書』を紹介します。
2021年度通常枠 中国5県休眠預金等活用コンソーシアム休眠預金活用事業報告書 [2021.10-2025.3]
~人口や機会、経済などさまざまな格差の是正に向けて~
「中国5県休眠預金等活用事業2021」では、資金分配団体5団体と、中国地方5県に香川県を加えた実行団体7団体の計12団体が、多様な格差の是正をテーマに活動を行いました。
実行団体は、その専門性や地域性を活かし、体験機会の創出、支援環境の整備、地域経済の活性化、関係人口の増加といった活動を通じて、人口の格差、機会の格差、経済の格差の是正に取り組みました。資金分配団体である『中国5県休眠預金等活用コンソーシアム』は、社会的インフラの格差(特に地方や人口が少ない地域における市民活動団体の不足)に注目し、実行団体の事業支援や組織基盤の強化に取り組みました。
この報告書では、公募で採択された実行団体と資金分配団体の社会課題解決に向けた活動の成果や課題、そしてこれからの展望をまとめています。
【事業基礎情報】
資金分配団体 | 特定非営利活動法人 ひろしまNPOセンター |
公益財団法人 とっとり県民活動活性化センター | |
公益財団法人 ふるさと島根定住財団 | |
特定非営利活動法人 岡山NPOセンター | |
特定非営利活動法人 やまぐち県民ネット21 | |
事業名 | 中国5県休眠預金等活用事業2021 |
活動対象地域 | 中国地方、香川県 |
実行団体 | 一般社団法人 フウド |
特定非営利活動法人 ほほえみの郷トイトイ | |
一般社団法人 鳥取クリエイティブプラットフォーム | |
ワークアット株式会社 | |
特定非営利活動法人 妊娠しぇるとSOS | |
特定非営利活動法人 未来ISSEY | |
特定非営利活動法人 三段峡-太田川流域研究会 |
事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2025年3月末に事業完了した2021年度通常枠【誰もが活躍できる信州「働き」「学び」「暮らし」づくり事業|長野県みらい基金[21年度通常枠]】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。
事業概要等
事業概要などは、以下のページからご覧ください。
事後評価報告
事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。
・資金分配団体
・実行団体
【事業基礎情報】
資金分配団 | 公益財団法人 長野県みらい基金 |
事業名 | 誰もが活躍できる信州「働き」「学び」「暮らし」づくり事業 <2021年度通常枠> |
活動対象地域 | 長野県内 |
実行団体 | ・長野県農業協同組合中央会 ・社会福祉法人 長野県社会福祉協議会 ・般社団法人 佐久産業支援センター ・特定非営利活動法人 長野県PS・ふくしネットセンターやさしなの ・一般社団法人 South-Heart ・株式会社 みみずや ・株式会社 イーエムアイ・ラボ |
事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2025年3月末に事業完了した2021年度通常枠【認知症の方々も安心・安全な外出を担保できるまちづくり|みらいファンド沖縄[21年度通常枠]】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。
事業概要等
事業概要などは、以下のページからご覧ください。
事後評価報告
事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。
・資金分配団体
・実行団体
【事業基礎情報】
資金分配団 | 公益財団法人 みらいファンド沖縄 [コンソーシアム構成団体] 公益社団法人 沖縄県地域振興協会 |
事業名 | 認知症の方々も安心・安全な外出を担保できるまちづくり <2021年度通常枠> |
活動対象地域 | 宜野湾市及びその周辺 |
実行団体 | ・医療法人 アガぺ会 ・合同会社 GreenStarOKINAWA ・特定非営利活動法人 グランアーク ・社会福祉法人 南風原町社会福祉協議会 ・社会福祉法人 西原町社会福祉協議会 |
特定非営利活動法人市民社会創造ファンドの研修交流会に、JANPIA助成事業部のプログラム・オフィサー 福田が登壇します。資金分配団体としての助成プログラムの企画立案やブラッシュアップにご関心のある方々に参考にしていただきたく紹介します。
■助成担当者のための研修交流会 第4回
~具体事例からひも解く~ 助成プログラムの「磨き方」編 のご案内
市民活動助成をより良いものにしたい―。そんな思いを抱きながら、日々模索や工夫を重ね、助成プログラムを運営する担当者。その実践には知恵や経験が凝縮されていますが、担当者の視点や悩みは、なかなか表に見えにくいものです。そこで「助成プログラムの磨き方」をテーマに、助成担当者が、どのように社会の変化やニーズをとらえて、助成事業を見直し・更新してきたのか、具体事例を掘り下げながら探っていきます。
この研修交流会をきっかけに、様々な組織で市民活動助成に携わる皆さま同士の、楽しくも深い交わりが生まれ育つことも期待します。市民活動助成に携わる方や関心をお持ちの皆様のご参加をお待ちしております。
*ここでいう助成プログラムとは、助成機関/団体側が助成金を出すための仕組みとしての助成プログラムを指しており、助成を受けて活動するプロジェクトを指してはいません。
【イベント情報】
日時 | 2025年8月7日(木)13時30分~16時10分(予定) *終了後交流会(~16:45) |
開催形式 | 現地開催・オンライン開催 |
会場 | 全日通労働組合 大会議室C (〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-3-3全日通霞が関ビル 8階)【MAP】 |
定員 | 会場:定員 50名 オンライン:定員100名 ※オンラインの場合は1部までのご参加を予定しています。 |
対象 | 市民ファンド、コミュニティ財団で市民活動助成に携わる方 民間助成財団、企業、行政で市民活動助成に携わる方 NPO、中間支援組織、企業、大学、行政等で市民活動助成に関心をお持ちの方 |
参加費 | 会場参加費 一般:4,000円 当ファンド会員:2,000円 オンライン参加費 一般:5,000円 当ファンド会員:2,000円 |
プログラム(予定) | 13:30 オープニング・趣旨説明 13:40 第1部 トークセッション,公開座談会 助成担当者が語る『助成プログラムの磨き方』」 助成事例に関わる担当者が、助成プログラムの見直し・更新 (磨き方) について、具体事例をもとに多角的に掘り下げ、 紐解いていきます。 ー進 行:米田 佐知子氏 (企画委員/子どもの未来サポートオフィス) ー事例提供:山田 絵美 (特定非営利活動法人市民社会創造ファンド) *第3回「現場ニーズを踏まえた助成プログラムの企画開発に ついて」で報告した「スミセイコミュニティスポーツ推進助成 プログラム」事例を出発点とします。 ートークセッション参加 ・福田 文 氏(一般財団法人日本民間公益活動連携機構) ・美濃部 真光 氏 (企画委員/一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト) ・鷲澤 なつみ 氏(企画委員/公益財団法人トヨタ財団) *助成担当者が、助成プログラムを見直す・磨く際の視点に 着目していきます。 14:55 質疑応答 *10分 15:05 休憩(10分) 15:05 第2部 グループ交流 「トークセッションを踏まえ、共に語ろう」 複数グループに分かれ、事例報告をもとに、感想の共有や意見 交換を行います。 16:10 閉会 山岡 義典(特定非営利活動法人市民社会創造ファンド 理事長) ~16:45 交流会 *任意参加 ※プログラム構成は変更になる場合があります。 |
主催 | 特定非営利活動法人 市民社会創造ファンド *研修交流会企画委員:多賀俊二、美濃部真光、武藤良太、 米田佐知子、鷲澤なつみ、山田絵美、駒井雅子 |
後援 | 認定特定非営利活動法人 茨城NPOセンター・コモンズ 特定非営利活動法人 市民活動センター神戸 一般社団法人 社会デザイン・ビジネスラボ 公益財団法人 助成財団センター 社会福祉法人 中央共同募金会 認定特定非営利活動法人 日本NPOセンター 公益財団法人 ひょうごコミュニティ財団 一般社団法人 全国労働金庫協会 |
お申込み | 下記Peatixの参加申込フォームよりお申し込みください。 https://civilfund20250807.peatix.com/ |
お問い合わせ | 特定非営利活動法人 市民社会創造ファンド(担当:駒井・山田) [Mail]fund_seminar@civilfund.org [TEL]03-5623-5055(平日10時~17時) |
休眠預金活用事業に係るイベント・セミナー等をご案内するページです。今回は、特定非営利活動法人地球市民の会主催「防災×ネットワーク~食べて、語って、学ぼう!~」を紹介します。
防災×ネットワーク
~食べて、語って、学ぼう!~
私たちは、地域で日本人も外国人も隔てなく安心して暮らすことができ、平時にも有事にも互いに助け合うことのできる地域社会づくりを目指しています。
そのような社会を実現するために、私たちが一体何を考えているのか?!をまず知ってもらうための説明会を開催します!
佐賀市での第一回目の説明会は交流会と同時開催いたします。
(県内他エリアでも随時開催していきますので今回参加できなくても大丈夫!)
パキスタン料理を囲んで、災害のこと、防災のこと、私たちにできること…お互いのことについて話してみませんか?
【イベント情報】
日時 | 2025年6月29日(日)10:00~13:00 |
開催形式 | 現地開催 |
会場 | 佐賀県国際交流プラザ研修室 (〒840-0826 佐賀県佐賀市白山2行目1番12号 佐賀商工ビル1階)] 【MAP】 |
定員 | 先着約20人 |
対象 | 「どんな活動をしますか?」「私にもできますか?」など、 防災や災害について知りたい人、活動したい人、 いろんな人と繋がりたい人、ぜひご参加ください。 |
参加費 | 入場無料 |
プログラム(予定) | ※やさしい日本語使用 ①今までの佐賀での災害について ➁防災×ネットワークの活動について ③美味しい料理が食べられます 10:10~ パキスタン料理づくり 11:30~ 料理を食べながら説明を聞いてOK! ①今までの佐賀での災害について ②防災×ネットワークの活動について ③ディスカッションなど 12:30~ 片付け 13:00 終了 ▶ぜひ活動ページもチェック! ※休眠預金を活用した事業です |
主催 | 特定非営利活動法人地球市民の会 |
お申込み | 以下参加申込フォームまたは以下QRコードよりお申し込みください。※先着約20人 https://forms.gle/wSB45VChRwJKrZdA8 ※申込締め切り:2025年6月26日(木)まで (ご不明点があれば、「特定非営利活動法人地球市民の会」へ お問合せください) |
お問い合わせ | 特定非営利活動法人地球市民の会 [Mail]office@terrapeople.or.jp [TEL]0952-24-3334 |
株式会社オヤモコモは、佐賀県佐賀市を中心に、鳥栖市や福岡県久留米市などの親子を対象に、交流イベントや母親の起業支援などに取り組んでいます。産後に悩みを抱えたり、孤立したりしがちな親たちを支援したい——そんな思いから2012年に設立されました。2023年度の休眠預金活用事業(緊急枠、資金分配団体:一般財団法人ちくご川コミュニティ財団)に採択され、「もっと気軽に悩みを打ち明けられる仕組みを」との願いを込めて、オンライン双方向型情報サービス「みてるよ」の運営事業をスタート。今回は、代表取締役の山下千春さんに、活動の背景や事業の広がりなどについて伺いました。
母親たちの孤立は、社会課題。つながり合える深い交流を
日本では核家族化が進み、祖父母などに頼って子育てをするケースは減少しています。その結果、産後の不安や悩みを一人で抱え込み徐々に孤立してしまう母親は少なくありません。そうした人たちに寄り添い、居場所を提供しているのがオヤモコモです。設立は2012年。当時、山下さんには7歳、5歳、2歳の3人の子どもがいました。子育て真っ最中の多忙な時期に、なぜ自らこうした活動を始めたのでしょうか。
山下千春さん(以下、山下)「私自身が出産後、孤独でとてもさみしい思いを感じていたんです。それは出産前に抱いていた“赤ちゃんと暮らす”イメージとはかけ離れたものでした。どこかへ出かけても大人と会話するのはわずかで、知らない土地で子育てを始めたので仲の良い友人もいないし、夫は仕事が忙しくて帰りが遅い。“子育てって、こんなに寂しさや孤立感の中でするものだったのか”と、現実を突きつけられた気がしました。3人の子どもを育てながら感じたのは、私と同じような思いをしているお母さんがとても多いということ。これは個人の問題ではなく、社会全体の課題だと感じました。だからこそ母親同士がつながれる居場所をつくりたいと、オヤモコモの活動を始めたんです」

子育てセンターやパパママ教室といった、行政が手掛ける子育て支援の場は存在するものの、そこでの交流は一時的なものにとどまりがちです。そうではなく、もっと深い関係性を築ける場が必要だと、山下さんは考えました。自身が子育ての渦中にあったからこそ見えた課題や気付きを拾い上げ、当事者目線での支援のかたちを模索していったのです。
まず着手したのは、母親が主役になれるコミュニティづくり。子育ての悩みを共有したり、親子で楽しんだりすることも大切ですが、特に重視したのは、母親自身が心から楽しめる時間をつくることでした。
山下「子どもを持つと、仕事や趣味などで身につけたスキルや経験、好きなことがあるにもかかわらず、”自分はお母さんだから“という思いにとらわれて、そのことに目を向けなくなってしまいがちです。オヤモコモでは、そんなお母さんたちに何がしたいかを尋ねて、自らイベントなどを企画してもらい、それを実現できるようにサポートしています」
例えば、料理が好きでカフェを開きたいという夢を持つ人は、子どもと一緒に食を楽しめるカフェイベントを開催。ハンドメイドが得意な人には、作ったものを販売できる場所を提供しました。「自分が主役になって講師をしたり、何かをお披露目したり。お母さんたちの“やりたい”を集めた場づくりなんです」と山下さんは語ります。
どうすれば支援を続けられるか。継続のための試行錯誤
徐々にネットワークを広げ、活動は順調に進みましたが、その一方で資金面での課題が浮上します。山下さんがイベント運営費などを自ら負担し、手弁当での活動を続けざるを得ない状況に追い込まれていたのです。
山下「私がお金の苦労を背負ってみんなの笑顔を支えているような状態で、なんとかしようと寄付集めにも奔走しましたが、限界がありました。大変な思いをしてお金をいただいても、誰かのお力を借りて活動する責任ものしかかり、継続は難しいと判断しました」
そこで、なんとか自分たちで活動資金を生み出そうと始めたのが、オリジナルのベビー用品の開発と販売です。事業開始当初は山下さんが個人事業主として運営していましたが、これを機に株式会社として法人化。そうして収益化を図りながら、「どうすればもっと力になれるだろうか」と試行錯誤を重ね、活動は今年で13年目を迎えます。現在は代表取締役として事業を率いながら、「若い人たちにバトンをつなぎたい」とスタッフの育成にも力を入れています。
そんな山下さんが長く構想していた事業がありました。それは、親がより気軽に子育ての悩みを相談できる仕組みづくりです。トライアルとして、山下さん自身がLINEを通じて悩みに応えるサービスをスタートさせましたが、悩みを抱える人に真摯に対応したいと思えば思うほど、時間も労力もかかるものでした。
山下「利用者の皆さんに『もし有料のサービスだとしたら、いくら払えますか?』と聞いたところ、『サブスク(定額制)のような形で、月々1000円くらいなら』という声が返ってきました。ものすごく丁寧に、一つひとつお返事しても月に1000円なのか……と思い、このやり方で継続はできないと判断したんです」
そこで山下さんが着目したのが、AIチャットボットを活用したお悩み相談のシステムでした。これを事業として実現するため、休眠預金活用事業への応募を決意。社会課題の解決などを目的とした公益的な活動ではNPOなど非営利団体向けの補助金制度が多い中、株式会社でも申請できるという点は、休眠預金等活用制度を選んだポイントの一つでした。
24時間365日何でも話せるAIが、子育ての心強いサポーターに
2023年度の「緊急枠」として採択されたことを受け、スタートしたのが、オンライン相談サービス「みてるよ」です。LINEを通じて利用できるAIチャットボット型の仕組みで、先輩ママのキャラクター「マミさん」が24時間365日、利用者の質問や悩みに対して、自動で応えてくれます。年配の方には「AIなんて」と眉をひそめられることもあるそうですが、若い親は抵抗感なく活用しているとのこと。AIといっても機械的に回答するのではなく、「つらいわね」「よくわかるわ」など優しい言葉で寄り添い、必要な情報を丁寧に伝えるようにプログラムされています。2024年12月〜2025年2月の3カ月間で相談件数はのべ948件に上り、実施した満足度アンケートでは、利用者の91.5%が最高評価の5をつけるなど、高い満足感が示されました。
山下「最近のお母さんたちは特に、誰かに弱音を吐くことを極端に恐れているようです。“何かあっても行政に頼りたくない”と考える人も少なくありません。それは、周囲から“ダメな親と思われてしまうのではないか“と不安に感じるから。国や自治体が資金を投入してさまざまな産後サービスを打ち出していますが、そこにアクセスするのは気が引けるというのです。本当はSOSを出したいほど苦しい状況でも、自分の中に抱え込んでしまう。その結果、虐待などの問題につながってしまうケースもあります」

周りの人に頼ることを避ける親たちにとって、何でも遠慮なく話せるAIの存在は想像以上に心の拠り所となっているそうです。
山下「都市部ではなく、佐賀のような地域でAIが受け入れられるか不安でしたが、そんな心配は不要でした。特に初めての子育てだと、24時間気を張りつめて、ちょっとしたことでも不安になってしまう。ネットで検索しても正解が分からずに疲れてしまうんです。マミさんは、『あなたは頑張っているわよ』と、明るく励ましてくれるキャラクター。それに救われる人も多いようです」
悩みに応えてもらってもAIにはお礼は不要ですが、「ありがとう」「いつも助かっています」といった、まるで人間を相手にしているかのような返信をする利用者もいるのだとか。人間相手ではないからこそ、噂が広がったり、批判されたりする心配がなく、真夜中でもすぐに返事をもらえる。そんなAIの特性が、子育てに悩む親たちにとって大きな安心感につながっています。
休眠預金活用事業を通して得たリアルな声を、より良いサービスづくりに生かす
休眠預金を活用した事業のもう1つの柱は、交流イベントの企画・開催です。「みてるよ」を通じて参加者を募り、「オンラインだけでなくリアルなつながりも育みたい」という山下さんの思いがかたちになりました。イベントには運営スタッフの確保が必要でしたが、休眠預金を活用した助成金を基にスタッフの増員を図ったところ、想像以上の反響がありました。
山下「『他のお母さんの力になりたい』と申し出てくれる人がとても多くて。地域の中に、こんなにも同じ思いを持った人がたくさんいるのかと驚きました。私自身も産後うつになりかけた苦しい経験があったのですが、支援に手を挙げてくれた人たちの中にも、過去の自分の経験をきっかけに、行動してくれる人がたくさんいたんです」
現在はエリアごとに担当者を配置して、赤ちゃんのタッチケア、抱っこひもの使い方講座、ランチ会といったさまざまなイベントを企画し、親同士の交流を促しています。リアルなネットワークで情報交換を行い、人には言えないことはAIのマミさんに話す。2つの異なるサポートが、親たちの力になっています。

8カ月の緊急枠の助成期間が終了した今、課題は資金の確保です。AIの利用にかかる従量課金やLINEの月額利用料、交流会の広報費や人件費など、活動を続けるために必要な経費を捻出する必要があります。現在はクラウドファンディングに加え、企業・こども園などにスポンサーとしての協力を呼びかけているところだそう。幸いにも、子ども園からの出資が決まり、「この勢いでスポンサーを増やしていきたい」と山下さんは意欲を語ります。
「みてるよ」を通して多くの親たちのリアルな声を聞けたことは、企業として今後のサービスを考える上でも大きな手がかりとなりました。また、休眠預金活用事業への応募をきっかけに、これまで組織として脆弱だった部分を、資金分配団体のサポートを受けながら強固にしていったことも大きな成果の一つです。
山下「経理やガバナンス、コンプライアンスといった企業運営の基盤をこの機会にしっかり固めることができました。『みてるよ』の事業を進めていくだけで精一杯だった中、資金分配団体のちくご川コミュニティ財団さんには、細やかにご指導いただいてとても感謝しています。今、周囲で不登校支援などの活動を始めている方もいて、そうした人たちにも休眠預金活用事業の良さを伝えています」
900件を超える相談のやり取りから見えた、親たちのリアルな思い。これを大切な指針として、より良い子育て環境を目指して、オヤモコモの挑戦は続きます。
■資金分配団体POからのメッセージ
オヤモコモ様の取り組みは、AIを活用して親たちの孤立に寄り添うという点で、今回の休眠預金活用事業における「アクセシビリティ改善」という目的に非常に合致していました。とくに「AIだからこそ言えることがある」という当事者のリアルな声が見えたことは、大きな成果だったと感じています。また、短期間の中でも人材募集やネットワークづくりに力を尽くし、今後の発展に向けた基盤も築かれました。これからも、この事業で得た知見やつながりを生かし、より多くの親子支援に取り組まれることを期待しています。
(一般財団法人ちくご川コミュニティ財団 理事/事業部長 庄田清人さん)
【事業基礎情報】
実行団体 | オヤモコモ |
事業名 | 産後のセーフティネット構築プロジェクト「みてるよ」(2023年度緊急支援枠) |
活動対象地域 | 佐賀市東部、神埼市・吉野ヶ里町・鳥栖市・基山町・みやき町・上峰町、久留米市、小郡市などちくご川エリア |
資金分配団体 | 一般財団法人ちくご川コミュニティ財団 |
採択助成事業 | 子育てに困難を抱える家庭へのアクセシビリティ改善事業 |
休眠預金活用事業の成果物として資金分配団体や実行団体で作成された報告書等をご紹介する「成果物レポート」。今回は、資金分配団体 公益財団法人みらいファンド沖縄が発行したレポート『「認知症と共生する これからの地域づくり白書」わたしが認知症になっても、自分らしく生き続ける社会を目指して』を紹介します。
認知症と共生する これからの地域づくり白書~わたしが認知症になっても、自分らしく生き続ける社会を目指して~
我が国では、65歳以上の10人に約1人が認知症、3人に約1人が認知機能に関わる症状があると推定されています。
この白書は認知症の方々に対して「地域」でできることを、当事者の「外出支援」と「居場所づくり」という視点から調査と実証に取り組んだ5団体とともに作成した報告と提案です。
この事業に至った馴れ初めは、2007年に愛知で起こった、認知症の方が起こしてしまった踏切事故に対して、鉄道会社がその家族に高額賠償請求を起こした訴訟が、メディアをにぎわせていた2016年初頭(同年3月に最高裁が逆転判決無罪に!)のことでした。
この訴訟は、「家族が責任を問われるなら、認知症患者は家に閉じ込めておくしかないということか」という問いを世に投げかけました。
ちょうどそのころ(公財)みらいファンド沖縄に持ち込まれた、自動販売機を通して社会貢献ができないかという相談案件があり、前段の問いへのソリューションとして、自販機の特徴を活かした捜索システムを事業開発しようということで、徘徊時(当時は道迷いを徘徊という言葉を使っていた)に、早期に認知症の方を見つける「ミマモライド」というシステムを開発し、その事業会社を起こすこととなります。ミマモライドが沖縄県宜野湾市に採択され、一定の手応えが出てくる中で、道迷いになってしまう方々の自治体のエリアを超えて見守る必要性から、その広域化と認知症の方々の行ける場所の開発を目論んだ「認知症の方々も安心・安全な外出を担保できるまちづくり事業」を企画し、休眠預金活用事業に採択される運びとなったのです。
公募により、5つの団体を採択し、2022年から事業はスタートします。コロナの余波も色濃く残る時期、事業自体は様々な理由で進捗が遅れ、決して順風満帆といえる足取りとはいえないものでした。これらの固難に対して、事業担当のプログラムオフィサーは奮闘し、課題を共有し、一緒に乗り越える伴走をしてもらったことに敬意を表します。
この道程で我々は多くの気付きがあり、何度かの路線変更を経て事業を遂行し、この白書発行にたどり着きました。
この事業はこれまでの地域での「見守り」という活動のあり方に一石を投じるのもとなったと確信しております。私どもの提案を、これから示す報告とともに味わっていただければ幸いです。
【事業基礎情報】
資金分配団体 | 特定公益財団法人 みらいファンド沖縄 |
公益社団法人 沖縄県地域振興協会 | |
事業名 | 認知症の方々も安心・安全な外出を担保できるまちづくり |
活動対象地域 | 宜野湾市及びその周辺 |
実行団体 | 認定特定非営医療法人 アガぺ会 |
合同会社 GreenStarOKINAWA | |
特定非営利活動法人 グランアーク | |
南風原町社会福祉協議会 | |
西原町社会福祉協議会 |
休眠預金活用事業の成果物として資金分配団体や実行団体で作成された報告書等をご紹介する「成果物レポート」。今回は、資金分配団体『公益財団法人南砺幸せ未来基金、公益財団法人東近江三方よし基金、公益財団法人うんなんコミュニティ財団 ローカルコミュニティファンド連合(以下、「HUN」)〈21年度通常枠〉』が作成したレポート『Consortium HUN 社会的困難者を支えるローカルアクション 事業報告書 2021ー2024年度』を紹介します。
Consortium HUN 社会的困難者を支えるローカルアクション 事業報告書 2021ー2024年度
公益財団法人南砺幸せ未来基金(富山県南砺市)は、公益財団法人東近江三方よし基金(滋賀県東近江市)、公益財団法人うんなんコミュニティ財団(島根県雲南市)とコンソーシアムを組み、2021年度通常枠(草の根活動支援事業)の資金分配団体(『東近江・雲南・南砺ローカルコミュニティファンド連合(HUN)』)として、「社会的困難者を支えるローカルアクション」事業を実施し、この度、同事業の富山県南砺市・滋賀県東近江市・島根県雲南市における活動をまとめた報告書を公開しました。
地方市域では、人口減少や超高齢化が進む中、自助、互助、共助、公助の仕組みが脆弱化し、地域全体の課題解決力が問われています。
3市では、小学校区や旧町域を基盤とした地域自治組織が立ち上がり、地域課題に取り組み一定の成果を挙げている一方で、行政や地域自治組織だけでは社会的困難者の実態把握や対応に限界があるのが現状です。
また、地域には社会的困難者を応援する意欲ある団体が存在しますが、人的・資金的な基盤が脆弱であり、さらなる応援が求められています。
こうした課題を解決するため、「複雑化・複合化した社会課題はローカルアクションでしか解決できない。」を合言葉に、東近江三方よし基金、うんなんコミュニティ財団、南砺幸せ未来基金の3つのコミュニティ財団が連携しました。
それぞれが持つ地域資源を活かし、多様な主体が協働して地域課題の解決に取り組むとともに、市民自らが応援する仕組みを構築することで、「未来資本」を創出する取り組みを進めています。
本事業は、これらの取り組みを全国に広げていく挑戦でもあります。
本報告書では、「休眠預金活用事業・2021年度通常枠・草の根活動応援事業・全国ブロック」の資金分配団体として、私たちが取り組んだ活動や成果、目標達成の状況をまとめています。
【事業基礎情報】
資金分配団体 | 公益財団法人南砺幸せ未来基金(コンソーシアム幹事団体) 〈コンソーシアム名〉 東近江・雲南・南砺 ローカルコミュニティファンド連合 【構成団体】 ・公益財団法人南砺幸せ未来基金 (幹事団体) ・公益財団法人東近江三方よし基金 ・公益財団法人うんなんコミュニティ財団 |
事業名 | 社会的困難者を支えるローカルアクション 〈2021年度通常枠〉 |
活動対象地域 | 富山県南砺市・滋賀県東近江市・島根県雲南市 |
実行団体 | ・躍動と安らぎの里づくり鍋山 ・株式会社CNC ・特定非営利活動法人まちづくりネット東近江 ・一般社団法人ぐるり ・特定非営利活動法人喜里 ・あそびばキッチン実行委員会 ・東近江FCレジリエンス ・お産&子育てを支える会 ・一般社団法人umi ・一般社団法人福野アソシエイツ ・特定非営利活動法人よってカフェ ・農事組合法人大鋸屋営農組合 |
事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2023年3月末に事業完了した2020年度通常枠【被災者の心の健康とコミュニティを守る事業|ふくしま百年基金[20年度通常枠]】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。
事業概要等
事業概要などは、以下のページからご覧ください。
事後評価報告
事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。
・資金分配団体
・実行団体
【事業基礎情報】
資金分配団 | 一般財団法人ふくしま百年基金 |
事業名 | 被災者の心の健康とコミュニティを守る事業 <2020年度通常枠> |
活動対象地域 | 福島県 |
実行団体 | ・特定非営利活動法人 コースター ・ふくしまこども食堂ネットワーク ・一般社団法人 Teco ・認定特定非営利活動法人 いわき放射能市民測定室 |