休眠預金等活用法に基づく資金分配団体(助成)の公募に申請をご検討中の皆さまに向けて、2023年度通常枠・緊急支援枠、2021年度・2020年度通常枠の資金分配団体である「ちくご川コミュニティ財団」の栁田あかねさんに、休眠預金活用事業に申請した背景と現在の活動についてのお話を伺いました。
休眠預金活用事業に申請した背景を自団体の活動と合わせて教えてください
一般財団法人ちくご川コミュニティ財団は、人の役に立ちたいという思いと活動をつなぐプラットフォームです。2019年に市民の力を得て、福岡県で初めてのコミュニティ財団として設立されました。
初めて休眠預金活用事業にチャレンジしたのは、2020年度通常枠の事業です。3か年の計画で、困難を抱える子ども若者の孤立解消と育成というテーマに絞って事業を進めました。次の2021年度通常枠の事業では、誰一人取り残さない居場所づくり、学びの場における子ども若者の孤立解消と育成というテーマで、いわゆる不登校の子ども若者をサポートする実行団体と3年間の事業を始めました。2023年度通常枠の事業では、困難を抱える家庭を取り残さない仕組みづくり、子ども若者とその家族のためのコレクティブインパクトと題した3か年の事業を始めました。さらに2023年度第4次募集の緊急支援枠の事業にチャレンジして、子育てに困難を抱える家庭へのアクセシビリティ改善事業、多様なつながりが生まれる仕組みづくりということで、限られた期間の中でとにかく支援が必要な層に、必要な支援を届けようという事業をスタートさせました。
ちくご川コミュニティ財団は、この4つの事業を一連の流れとして取り組んでおります。
申請を行うために準備で取り組んだことを教えてください
4つの事業の申請をはじめるにあたり、最初に取り組んだことは、自団体のメンバーで話し合うことからでした。どこに社会課題を感じているか、どの地域でその事業を調査分析していくかなどをメンバー全員で考え、同じ目標を持つところから始めました。
次に、その対象地域の中で調査を始めました。その地域で活動している様々な市民社会組織の方々にアンケートを取り、アンケートの中で明らかになった社会課題を解決するために、市民社会組織の皆さんや行政などにヒアリングをしていきました。ヒアリングの結果を分析し、評価アドバイザーにも相談しながら、事業設計を行いました。
実行団体の伴走支援の内容や工夫していることを教えてください
私たちの伴走支援はすごく強力で、すごく濃密なものになっています。また、分野も多岐にわたっております。
例えば、休眠預金活用事業ですごく大事されている評価です。事前評価、中間それから事後、それぞれの評価のフェーズに沿って伴走しています。もちろん評価に取り組むことは、ある意味負荷がかかることでもあると私たちも思っていますが、評価に取り組むことで実行団体の事業終了後に絶対、力はつくと思っていますので、出口戦略の一つとしても、評価については力を入れています。また、事業そのものの運営を持続可能なものにするための資金調達では、ファンドレイザーの資格を持つPOがしっかり実行団体の無理のないように計画を立て、その時抱えている悩みと照らし合わせながら、資金調達の計画を一緒に立てていきます。広報の面では、例えば、伝わるウェブサイトにするにはどうしたらいいのか、定款や規程類をどういうところにおけば団体が信頼を得られるかかなども、一緒に考えています。
それから日々、受益者や支援してくれる方に向けて、あるいはその地域の行政や企業の方々に向けても、様々なステークホルダーごとの情報伝達の仕方について一緒に考えています。SNSだけではなく、紙で作るニュースレターなどの定期刊行物、アニュアルレポートの発行や編集のアドバイスもしています。
休眠預金活用事業を通じて、よかったことについて教えてください
休眠預金活用事業で一番いいと思うのは、三層構造だということです。JANPIAと資金分配団体と実行団体が同じ目標に向かって社会課題解決のために走っていく、この仕組みがすごくいいなと私は思っています。資金分配団体である私たちが助成金を交付するというフローにはなっていますが、お金を届けだけではなくて、実行団体の伴走も行います。また、何より資金分配団体の私たち自身も、JANPIAに伴走されており、3者そろって同じ目標に向かっていけるのが一番いいと思っているポイントにです。
申請を考えている方へメッセージをお願いします
休眠預金活用事業の資金分配団体になると、たくさんの仲間と出会うことができます。例えば、ちくご川コミュニティ財団の場合、最初はたったひとりのPOしかいませんでしたが、事業を始めて4年目の今は6人のPOがいます。自分たちの団体での仲間がだんだん増えていくだけではなく、地域で一緒に社会課題を解決するための仲間、つまり実行団体の方々と出会うことができます。
さらに、全国にいる資金分配団体の仲間と出会うことができます。横のつながりがどんどん広がっていくことによって、自分たちが日々やりたいことや解決したいことに向けてグッと背中を押してもらえる。そんな存在に、この休眠預金活用事業を通して出会えると思っています。
ぜひ、資金分配団体にチャレンジして、まだ出会っていない仲間のに出会ってください。
〈このインタビューは、YouTubeで視聴可能です! 〉
(取材日:2024年6月13日)
事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2023年3月末に事業完了した2020年度通常枠【中国5県休眠預金等活用事業2020|ひろしまNPOセンター[20年度通常枠]】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。
事業概要等
事業概要などは、以下のページからご覧ください。
事後評価報告
事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。
・資金分配団体
・実行団体
【事業基礎情報】
資金分配団 | 特定非営利活動法人 ひろしまNPOセンター |
事業名 | 中国5県休眠預金等活用事業2020 <2020年度通常枠> |
活動対象地域 | 中国地方 |
実行団体 | ・ブエンカミーノ ・特定非営利活動法人 まなびデザインラボ ・特定非営利活動法人 はぐ ・特定非営利活動法人 あかね ・特定非営利活動法人 西部ろうあ仲間サロン会 ・特定非営利活動法人 ピアサポートつむぎ ・特定非営利活動法人 石州きずなの里 |
事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2024年3月末に事業完了した2020年度通常枠【ローカルな総働で孤立した人と地域をつなぐ|東近江三方よし基金】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。
事業概要等
事業概要などは、以下のページからご覧ください。
事後評価報告
事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。
・資金分配団体
・実行団体
【事業基礎情報】
資金分配団 | 公益財団法人 東近江三方よし基金 [コンソーシアム構成団体] ・うんなんコミュニティ財団 ・公益財団法人 南砺幸せ未来基金 |
事業名 | ローカルな総働で孤立した人と地域をつなぐ <2020年度通常枠> |
活動対象地域 | 全国、市 |
実行団体 | ・一般社団法人 みかた麹杜 ・社会福祉法人 マーシ園 ・産前産後ケアはぐ ・うんなん多文化共生まちづくり協議会 ・3C「夢」Club実行委員会 ・株式会社 ガラパゴス ・湖東まちづくり ・一般社団法人 Team Norishiro ・なんとおせっ会 移住応援団 ・特定非営利活動法人 愛のまちエコ倶楽部 ・テラまちコネクト |
事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2022年3月末に事業完了した2019年度通常枠【NPOによる協働・連携構築事業|中部圏地域創造ファンド】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。
事業概要等
事業概要などは、以下のページからご覧ください。
事後評価報告
事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。
・資金分配団体
・実行団体
【事業基礎情報】
資金分配団 | 一般財団法人 中部圏地域創造ファンド |
事業名 | NPOによる協働・連携構築事業 〜寄り添い型包括的支援で困難な課題にチャレンジ!創造性を応援!〜 <2019年度通常枠> |
活動対象地域 | 中部圏(長野、岐阜、静岡、愛知、三重の5県) |
実行団体 | ・特定非営利活動法人 アイダオ ・特定非営利活動法人 侍学園スクオーラ・今人 ・特定非営利活動法人 上田映劇 ・愛知県県営住宅自治会連絡協議会 ・県営保見自治区 ・特定非営利活動法人 トルシーダ ・保見プロジェクト(中京大学) ・外国人との共生を考える会 ・特定非営利活動法人 かしもむら ・特定非営利活動法人 馬瀬川プロデュース ・一般社団法人 aichikara ・学生団体 加子母木匠塾 |
事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2022年3月末に事業完了した2019年度通常枠【北海道未来社会システム創造事業|北海道総合研究調査会】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。
事業概要等
事業概要などは、以下のページからご覧ください。
事後評価報告
事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。
・資金分配団体
・実行団体
【事業基礎情報】
資金分配団 | 一般社団法人 北海道総合研究調査会 |
事業名 | 北海道未来社会システム創造事業 〜休眠預金活用による道内地域課題の効果的・効率的な解決に向けて〜 <2019年度通常枠> |
活動対象地域 | 北海道 |
実行団体 | ・特定非営利活動法人 ezorock ・特定非営利活動法人 地域生活支援ネットワークサロン ・公益財団法人 さっぽろ青少年女性活動協会 ・株式会社 ヒトココチ ・北海道レインボー・リ ソースセンター L-Port ・一般社団法人 ちくだいKIP ・特定非営利活動法人 かしわのもり「ここから実験室」 ・一般社団法人 国際交流団体ブロック ・特定非営利活動法人 旭川NPOサポートセンター ・特定非営利活動法人 飛んでけ車いすの会 |
事業完了にあたり、成果の取りまとめるために実施されるのが「事後評価」です。事後評価は、事業の結果を総括するとともに、取り組みを通じて得られた学びを今後に生かせるよう、提言や知見・教訓を整理するために行われます。今回は、2022年3月末に事業完了した2019年度通常枠【市民社会強化活動支援事業|まちぽっと】の事後評価報告書をご紹介します。ぜひご覧ください。
事業概要等
事業概要などは、以下のページからご覧ください。
事後評価報告
事後評価報告書は、以下の外部リンクからご覧ください。
・資金分配団体
・実行団体
【事業基礎情報】
資金分配団 | 認定特定非営利活動法人 まちぽっと |
事業名 | 市民社会強化活動支援事業 <2019年度通常枠> |
活動対象地域 | 全国 |
実行団体 | ・特定非営利活動法人 芸術家と子どもたち ・特定非営利活動法人 フリースクール木のねっこ ・特定非営利活動法人 くるみー来未 ・特定非営利活動法人 全国女性シェルターネット ・認定特定非営利活動法人 びーのびーの ・一般社団法人 栃木県若年者支援機構 ・特定非営利活動法人 エコ・コミュニケーションセンタ-(ECOM) ・特定非営利活動法人 コミュサーあおもり ・特定非営利活動法人 東京里山開拓団 ・特定非営利活動法人 Tansa (旧:ワセダクロニクル) |
若者が安心して過ごすことができて、夢や悩みを共有できる場所と機会を提供したい。そんな思いで20年11月に開設されたのは、長野県岡谷市にある「子ども・若者STEPハウス みんなの古民家」(以下「みんなの古民家」)です。立ち上げたのは、20年度緊急支援枠〈資金分配団体:公益財団法人長野県みらい基金〉の実行団体NPO法人子どもサポートチームすわ。同法人の理事長 小池みはるさんは、不登校の子どもたちを支援するフリースクールの活動を20年以上続けています。フリースクールを卒業した後に引きこもりに戻っていく子どもたちの現状を知り、「次の居場所が必要だ」と考えて、みんなの古民家を開設しました。みんなの古民家を続ける思いなどについてお聞きしました。
フリースクールを卒業した後の居場所づくり
みんなの古民家を運営するNPO法人子どもサポートチームすわは、岡谷市の隣にある諏訪市で、1997年からフリースクールを運営してきました。

20年以上にわたり、不登校の子どもたちが自分のペースで学べるよう支援を続けるなかで、巣立っていく子どもたちの“その後”に課題を感じていたと理事長の小池みはるさんは言います。

「フリースクールを卒業した後に家で引きこもりになったり、就職しても続かなかったりする子どもたちをたくさん見てきました。フリースクールに通っている期間は私たちがサポートできますが、本当に『引きこもり』になってしまうのは、その後なんですよね」

フリースクールを卒業した後も、子どもたちが安心して過ごせる居場所をつくりたい。その必要性を強く感じた小池さんは、新たな拠点の立ち上げを検討。場所を探していた小池さんに、ある出会いが訪れます。
「私が拠点をつくろうとしている話を聞いた方から、『古民家使う?』と電話をいただいたんです。とはいえ岡谷と諏訪は離れているし、連絡をいただいた当初は消極的でした。でも試しに子どもたちと一緒に見に来たら、一目で気に入ったんです。それが、この物件でした」
子どもから大人まで、誰もが集える「居場所」

「みんなの古民家」があるのは、岡谷駅から車で10分ほどの住宅地。敷地内には、築150年ほどの母屋、蔵と納戸があります。
2020年8月、次なる居場所をこの古民家に決めた小池さんは、活動の資金源として休眠預金の活用を申請し、古民家の改装を進めました。そして現在は、不登校の子どもたちや引きこもりの若者たちが安心して過ごせる居場所として、週に4日間開放。現在、定期的に通って来るのは小学生が2人。他にも中学生や高校生が訪れます。
場所を構えてみて、さまざまな事情を抱えた子どもや大人がいることを実感したと言います。
「例えば、専門学校を卒業した後に引きこもりになった27歳の男性が、ここに来るようになりました。彼は調理師の免許を持っていて、今ではここのスタッフとして週2回食事をつくってくれています。なぜみんなの古民家に通うようになったのかを聞いてみると、『人と普通に話せるのが良かった』と言うんです。他にも、『友だちが欲しかったから来た』と答える子がとても多くいます。
場を開くまでは、居場所をつくるだけでなくもっと具体的な支援を検討していたので、場を開いてみて初めて、彼らが一番求めていたことに気づかされました」

みんなの古民家では、子どもたちに向けたイベントや勉強会だけでなく、保護者向けの座談会も定期的に開催し、包括的なサポートの場になっています。
ある時は、引きこもって10年が経つ40歳の子どもがいる親御さんから、小池さんのもとに相談の電話がかかってきました。
「親御さんと私たちがつながっていれば相談を受けられますが、子どもが30代や40代にもなってくるとご家族が疲れてしまって、途中で連絡がなくなることも少なくありません。だからこそ『みんなの古民家』は、同じ経験をしている親御さんどうしが気持ちを分かち合える場所にしていきたいですし、年齢や事情に関わらず誰でも居場所にしてもらえたらと思います」
助けられる存在から、助ける存在へ
みんなの古民家を立ち上げてから、2023年で3周年。子どもたちが集まり、会話が生まれるなかで、助け合いの場面がたくさん見られています。
「みんなの古民家には個室がなくて、隠し事ができない空間です。誰かがポツリと悩みを話すと、『僕もそうだったよ』『焦らないでいいよ』と子どもたちが思いつくまま話している光景をよく目にします。引きこもっていた経験を誰かに話すことで、誰かの役に立てる。子どもたちは決して『支援を受けるだけ』の存在ではないことを実感しています」
さらに、かつて支援を受けていた子どもたちが、みんなの古民家で誰かをサポートする仕事に就くケースも生まれています。
「フリースクールを卒業して、今は古民家のスタッフとして働いてくれている人もいます。彼らの残りたい気持ちと、他に就職できるところがなかった現実の結果ですが、だんだんと循環が生まれてきました。
現在は、みんなの古民家の運営はほとんどスタッフに任せていて、私はなるべく入らないようにしています。スタッフの間で『ここに来る人に大切なのは、友だち・お腹を満たすこと・お金の使い方を学ぶことの3つ』といった話をしているようですね。毎月のイベント企画も、スタッフが考えています」

立ち上げ前から地域の方を中心にさまざまな方がサポートに加わってくれたそうで、場を開いた後もその関わりは続いています。
「地域と関わるなかで、区長さんが『引きこもっている子どもたちが地区に何人もいるのはわかってはいるけど、家庭のことだから、これまで口を出せなくて……』とおっしゃっていたのが印象に残っています」
みんなの古民家ができたことで地域に生まれた、新たなつながり。今では近隣の住民から、引っ越しや草むしりの手伝い、高齢者の買い物支援など、単発の仕事が入ることもあるそう。みんなの古民家から、地域のつながりが広がっています。

小池さんは、みんなの古民家に通う人たちが、もっと自分で稼ぐことのできる事業をつくりたいと考えています。
「例えば農園に行っても、収穫して売るだけの“いいとこどり”だけでなく、事業の一通りを自分たちの手でできるようにすることで、責任と社会性を持つ経験を提供したいと思っています」
近々、生活クラブとの協働でパン屋を始める計画があるそう。さらに、敷地内の蔵を使って何か新しいことができるように、小池さんの私費を使って改装しました。
「この古民家は、あくまでも走り出すための場所です。ここで準備をして社会へと走り出せるように、市の支援を活用したり自分で探せるようにサポートしたりと、自立のために背中を押していきたいです」

支援を継続するための3年目の課題
一方で、みんなの古民家3年目に向かって、運営の課題も見えてきました。
大きな悩みは資金面。休眠預金の事業年度が終了し、その他の助成金活用をはじめ、資金確保の方法を模索しています。
「どんな法人格にするのがいいのか、お金をどうしていくか、毎日悩んでいます。いただいた助成金や寄付を使っていくだけではなく、資金を増やしていく仕組みを考えなくてはいけないですね」
もう一つ、早急に必要なのは、引きこもっている子どもや若者たちに直接アクセスする広報活動です。現在はスタッフや子どもたちがSNSで発信しながら、公民館活動が盛んな岡谷の土地柄を活かしてチラシを置いてもらうなどの連携を進めています。
「これまではチラシやウェブサイトで広報してきましたが、それらにアクセスするのはほとんどが親御さんです。引きこもっている当事者と親御さんとの関係性が良好でない場合も多いですから、親御さんだけでなく『みんなの古民家』を求めている当事者に情報を伝えられるように、方法や手段を変えていかなくてはと考えています」

小池さんと子どもたちは、資金の目処がつけば、みんなの古民家で「文化祭」がしたいと話しているそうです。「引きこもりの人もそうでない人も、障がいのある人もない人も、誰でも来てほしい」と小池さんは話します。
「今の社会では、誰が引きこもりになってもおかしくありません。ですから誰もが引きこもりへの理解を深められる機会をつくったり、引きこもっている子どもたちのエネルギーをいかに引き出せるかを考えたりしていきたいですね。
生きるという点ではみんな同じ。場があれば助けることができるし、私たちや皆さんが助けられることもあるでしょうから、これからもみんなの古民家を続けていきたいです」
取材後、子ども・若者STEPハウスは、 NPO法人子どもサポートチームすわから独立。また、現在、公益財団法人長野県みらい基金が運営するサイトで、クラウドファンディングを実施中です。
【事業基礎情報】
実行団体 | 特定非営利活動法人子どもサポートチームすわ |
事業名 | コロナ禍の発達特性のある子ども・若者支援 |
活動対象地域 | 長野県諏訪市、岡谷市周辺地域 |
資金分配団体 | 長野県みらい基金 |
採択助成事業 | 2020年度コロナ枠 |