休眠預金活用事業に係るイベント・セミナー等をご案内するページです。今回は、鳥羽市×認定NPO法人SEEDS Asia共催「地域への愛着を基盤とした学校・地域安全モデル事業 防災リレー講座」を紹介します。
地域への愛着を基盤とした学校・地域安全モデル事業 防災リレー講座
近年、自然災害に加え、子どもたちを取り巻く事件や事故も多発しています。
こうした多様なリスクの中で、子どもの安心・安全を守り、そして「ここで暮らし続けたい」という想いをどう育むか――それは、地域の未来をどう築いていくかという問いでもあります。
このたび、認定NPO法人SEEDS Asiaは鳥羽市との共催により、全12回の防災講座を開催します。
第1回は「防災」と「地域への愛着形成」をテーマに、子どもを支える大人の役割と子ども自身の「自分を守る力」について考えます。
家族・学校・地域で、子どもに関わる方、あるいは防災に関わるみなさまにご参加いただきたい講座です。
第1回は「防災×地域への愛着形成」がテーマです。
子どもを支える大人の役割や、「自分を守る力」について一緒に考えませんか?
【イベント情報】
日時 | 2025年8月1日(金)14:00~15:45(質疑応答含む) (会場受付:13:30~、オンライン開場:13:50~) |
開催形式 | 会場+オンラインでのハイブリッド開催 |
会場 | 鳥羽商工会議所 3階 かもめホール+オンライン(Zoom) (〒517-0022 三重県鳥羽市大明東町1−7)【MAP】 |
定員 | 会場:120名 / オンライン:先着80名まで |
対象 | 鳥羽市民あるいは市内勤務の方(定員120名) ※オンライン参加のみ市外の方も受け付けます(先着80名まで) |
参加費 | 無料 |
プログラム(予定) | 第1回:「子どもの安全は大人たちの眼差しの先にある:子どもの健康・安全統制感とソーシャルサポート認知の関連性」 13:30 開場(オンラインは13:50開場) 14:00 趣旨説明 14:05 専門家によるご講義 15:05 小休憩 15:10 会場からの質疑応答・次回のリレー講座案内など 15:45 閉会 講師:藤田 大輔 先生 博士(医学) (大阪教育大学 教授、学校安全推進センター長) 【講師プロフィール】 2001年6月に発生した大阪教育大学附属池田小学校無差別殺傷事件の後、同校の学校長に就任。 被害児童のご家族との対話や、事件後の危機管理体制の再構築に尽力されました。 現在は、大阪教育大学 学校安全推進センター長を務めるほか、第13期中央教育審議会委員、日本安全教育学会理事長、文部科学省 学校安全の推進に関する有識者会議委員など、学校における安全の専門家として、国内外でご活躍されています。 |
共催 | 鳥羽市 特定非営利活動法人SEEDS Asia |
お申込み | ◆スマホ・タブレット端末をお持ちの方は、下記リンク(Googleフォーム)または以下QRコードからお申込みください。 https://forms.gle/Jz5AMbZm5WZZNnwk6 ※鳥羽市在住・在勤の方は、下記のお電話・メールでもお申込みいただくことが可能です。 <電話の場合> ・鳥羽市教育委員会 学校教育課 0599-25-1265 (電話でお申し込み希望の学校関係者のみ) ・鳥羽市 総務課防災危機管理室 0599-25-1118(電話でお申し込み希望の市民の方) <メールの場合> SEEDS Asia鳥羽プロジェクトオフィス ・Eメール:mitsuko.otsuyama@seedsasia.org ※申込締め切り:2025年7月18日(金) |
お問い合わせ | 認定特定非営利活動法人SEEDS Asia [HP]https://www.seedsasia.org/ |
休眠預金活用事業に係るイベント・セミナー等をご案内するページです。今回は、特定非営利活動法人ながのこどもの城いきいきプロジェクト主催「≪長野市緊急時における子ども支援ネットワーク学習会≫緊急時の子ども支援の連携について考える」を紹介します。
≪長野市緊急時における子ども支援ネットワーク学習会≫
緊急時の子ども支援の連携について考える
長野市では、子ども支援に携わる関係者・災害支援NPO等と行政・社協がともに立ち上げた「長野市緊急時における子ども支援ネットワーク」が中心となり、緊急時の子ども支援に向けた体制づくりを行っています。
その活動の一環として、支援者の学び合いの機会として、令和2年度から毎年学習会を実施しています。
今年度は、小児科医の皆様を中心に昨年10月に立ち上げられた「長野県小児科医会災害対策WG」及び、地域の防災力向上を目指して活動されている「日本防災士会長野県支部」の皆様とともに学び合う機会を持たせていただけることになりました。
それぞれの活動を知り、緊急時の子ども支援の連携について、参加者の皆さんとともに考える機会となればと思っています。
【イベント情報】
日時 | 2025年7月27日(日)14:00~16:00 |
開催形式 | 会場+オンラインでのハイブリッド開催 |
会場 | 長野県県民文化会館 第2会議室(ホクト文化ホール) (〒380-0928 長野県長野市若里1丁目1-3)【MAP】 ※オンラインの参加も可能です! |
定員 | 会場:50名 / オンライン:50名 |
スケジュール | 14:00~14:05 開会 14:05~15:55 緊急時の子ども支援の連携について考える 【活動発表①】 長野県小児科医会災害対策WG 天野 芳郎 氏 【活動発表②】 日本防災士会長野県支部 支部長 大久保 隆志 氏 【活動発表③】 長野市緊急時における子ども支援ネットワーク事務局 【パネルディスカッション】 15:55~16:00 閉会 |
主催 | 特定非営利活動法人ながのこどもの城いきいきプロジェクト |
共催 | 長野市緊急時における子ども支援ネットワーク |
協力 | 長野県小児科医会 日本防災士会長野県支部 |
後援 | 長野市 長野市教育委員会 長野市社会福祉協議会 |
お申込み | 電話または以下QRコードよりお申し込みください。 [TEL]090-5082-8559 (平日:10:00~17:00) |
お問い合わせ | 特定非営利活動法人ながのこどもの城いきいきプロジェクト [TEL]090-5082-8559 (平日:10:00~17:00) |
休眠預金活用事業に係るイベント・セミナー等をご案内するページです。今回は、特定非営利活動法人地球市民の会主催「防災×ネットワーク~食べて、語って、学ぼう!~」を紹介します。
防災×ネットワーク
~食べて、語って、学ぼう!~
私たちは、地域で日本人も外国人も隔てなく安心して暮らすことができ、平時にも有事にも互いに助け合うことのできる地域社会づくりを目指しています。
そのような社会を実現するために、私たちが一体何を考えているのか?!をまず知ってもらうための説明会を開催します!
佐賀市での第一回目の説明会は交流会と同時開催いたします。
(県内他エリアでも随時開催していきますので今回参加できなくても大丈夫!)
パキスタン料理を囲んで、災害のこと、防災のこと、私たちにできること…お互いのことについて話してみませんか?
【イベント情報】
日時 | 2025年6月29日(日)10:00~13:00 |
開催形式 | 現地開催 |
会場 | 佐賀県国際交流プラザ研修室 (〒840-0826 佐賀県佐賀市白山2行目1番12号 佐賀商工ビル1階)] 【MAP】 |
定員 | 先着約20人 |
対象 | 「どんな活動をしますか?」「私にもできますか?」など、 防災や災害について知りたい人、活動したい人、 いろんな人と繋がりたい人、ぜひご参加ください。 |
参加費 | 入場無料 |
プログラム(予定) | ※やさしい日本語使用 ①今までの佐賀での災害について ➁防災×ネットワークの活動について ③美味しい料理が食べられます 10:10~ パキスタン料理づくり 11:30~ 料理を食べながら説明を聞いてOK! ①今までの佐賀での災害について ②防災×ネットワークの活動について ③ディスカッションなど 12:30~ 片付け 13:00 終了 ▶ぜひ活動ページもチェック! ※休眠預金を活用した事業です |
主催 | 特定非営利活動法人地球市民の会 |
お申込み | 以下参加申込フォームまたは以下QRコードよりお申し込みください。※先着約20人 https://forms.gle/wSB45VChRwJKrZdA8 ※申込締め切り:2025年6月26日(木)まで (ご不明点があれば、「特定非営利活動法人地球市民の会」へ お問合せください) |
お問い合わせ | 特定非営利活動法人地球市民の会 [Mail]office@terrapeople.or.jp [TEL]0952-24-3334 |
休眠預金活用事業の成果物として資金分配団体や実行団体で作成された報告書等をご紹介する「成果物レポート」。今回は、実行団体『保見団地プロジェクト[資金分配団体:一般財団法人 中部圏地域創造ファンド〈19年度通常枠〉]』が発行したパンフレット『保見団地将来ビジョンブック』を紹介します。
保見団地将来ビジョンブック
「住みやすく楽しい保見団地に」という想いのもと、色々な団体や人たちの力を合わせて3年間取り組んできた保見団地プロジェクト。
コロナ禍での苦労も乗り越え、その成果として、わたしたちの「夢」がたくさんつまった将来ビジョンが作成できたことを、心から喜んでいます。
この将来ビジョンを作成した後も、住民の方々と一緒に様々な取組を行い、ビジョンに盛り込まれた「夢」をひとつでも多く、現実のものにしていきたいと思っていますので、今後とも、よろしくお願いします。
【事業基礎情報】
資金分配団体 | 一般財団法人 中部圏地域創造ファンド |
事業名 | 日本社会における在留外国人が抱える課題解決への支援と多文化共生 |
活動対象地域 | 愛知県 |
実行団体 | <保見団地プロジェクト:チーム構成団体> |
愛知県県営住宅自治会連絡協議会 | |
県営保見自治区 | |
特定非営利活動法人 トルシーダ | |
保見プロジェクト(中京大学) | |
外国人との共生を考える会 | |
採択助成事業 | <2019年度通常枠> NPOによる協働・連携構築事業 副題:寄り添い型包括的支援で困難な課題にチャレンジ!創造性を応援! |
台風、地震、豪雨、洪水、土砂災害……日本はその立地や地形、気象などの条件から、災害が発生しやすい国土と言われています。いつどこで起きるかわからない災害に備えて活動されているのが、資金分配団体(2019年度通常枠)である「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)」と、その3つの実行団体である「北の国災害サポートチーム」「いわて連携復興センター」「岡山NPOセンター」です。4団体が目標として掲げている共通のキーワードが「ネットワークの構築」。4団体への取材から、災害時に地域内外の団体が連携するためには、平時から組織を超えたつながりが大事だということが見えてきました。
災害時に求められる「ネットワーク」とは?
そもそも災害時に「ネットワーク」の形成が求められるようになった背景について、 特定非営利活動法人(NPO法人)全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)のプログラム・オフィサー(PO)である鈴木さんにお話を伺いました。
国内で大きな災害が発生したとき、支援の仕組みはまだまだ確立できていない現状があります。その現状があらわになったのが、2011年の東日本大震災でした。
一口に「民間の支援組織団体」と言っても、普段の活動領域も活動テーマもさまざま。東日本大震災では多様な団体が現場に入ったものの、それらの団体をどこが受け入れて調整するのか明確に決まっておらず、現場で混乱が発生したのです。
そうなると、どこでどのような支援が入っているのかわからず、支援を行う関係者間でも連携を取ることも難しくなりました。このように、災害支援に入る団体は多くあってもその連携が取れていないと、広範囲での効率的な支援が難しくなってしまいます。
そこで立ち上げられたのが、JVOADです。東日本大震災での経験を踏まえて、支援の調整ができる環境を整えた仕組みづくりを目指し、各都道府県での災害支援のネットワーク構築を目指しています。
この「ネットワーク」にはさまざまな関係の構築が必要とされますが、JVOADが特に重視しているのが、主に制度による支援を行う「行政」、災害ボランティアセンターを中心的に運営する「社会福祉協議会」、NPOや企業などが含まれる「民間の支援団体」による「三者連携」です。
JVOADは全国域でこの体制づくりを試みながら、同時に都道府県域でも三者の連携を目指しています。今回ご紹介する実行団体「北の国災害サポートチーム」、「いわて連携復興センター」、「岡山NPOセンター」はそういった都道府県の災害時の中間支援を担う団体として、三者連携をベースに支援関係者同士のネットワーク構築を目指して奔走しているのです。

ここからは、それぞれのエリアの特徴を踏まえてネットワークを構築する3団体と、その3団体のパートナーとして伴走するJVOADについてご紹介します。
北の国災害サポートチーム(きたサポ)

北海道における災害中間支援組織、北の国災害サポートチーム(以下、きたサポ)の代表を務める篠原さんと、チームメンバーの本田さん、定森さんにお話を伺いました。
179の市町村があり、小規模自治体が多い北海道。交通網が止まったら外部から救援できなくなる土地柄に対して、NPOが蓄積しているノウハウにもばらつきがあり、災害時にどのようにして組織的支援を送るのかが課題になっていました。
2016年8月、台風第10号による災害が北海道で発生。NPOの中長期支援が動きづらい事態が発生し、これを契機に、全道各地で災害時にNPOが担うべき役割についての意見交換会が実施されました。
道内にNPOのネットワークが少しずつ生まれてきた矢先に、2018年9月、北海道胆振(いぶり)東部地震が発生。しかし2016年から積み重ねてきた活動により、胆振東部地震ではNPO間の連携が可能になりました。このような動きのなかで、これまで取り組んできたことを整理して「北の国災害サポートチーム」を組織したのです。

きたサポは、全道各地にあるNPOの中間支援センターも加盟しています。各エリアの中間支援センターは、エリア内で災害時に連携を取りやすいように行政やNPOと関係を構築しながら、きたサポで道内のネットワーク構築を進める仕組みです。
きたサポが、休眠預金活用事業で、北海道内で災害のリスクが高いと言われる釧路と有珠山周辺地域の2箇所でのネットワーク構築を重点的に行ってきました。意見交換会を開催したり周辺地域の団体と連携を図ったりと、重点地域を絞ったことで休眠預金を活用してきた成果が見られています。

幹事団体がそれぞれ本業を持ち、複数の団体で事務局を組織しているきたサポのスタンスは、それぞれの団体が自主的に考えて動くこと。
どこで災害が起きても、交通網が遮断されればエリアを超えた支援が難しくなる可能性が高い土地柄を踏まえて、「きたサポの活動を通じて培ってきたことを各自で活かす。それでいいと思っています」。
そんな自主性を重視する姿勢は着実に広まり、重点地域である釧路と有珠山での災害シミュレーションに参加した別のエリアの中間支援センターが、自分たちのエリアでもシミュレーションを実施するなど、自発的な取り組みが道内各地に派生していくケースも増えています。
「休眠預金活用事業で手応えを感じているのは、胆振東部地震の記録をまとめたことです(きたサポ報告書「平成30年北海道胆振東部地震 情報共有会議の記録(A4版)」)。完成して嬉しかったですし、今後の活動に展開できる大切なものを作れたと思っています」
きたサポが窓口機能を担うことで、きたサポがなければ蓄積されていなかった情報と関係性がストックされてきた活動3年目。これからも北海道内で被災者支援の拡大ができる仕組みづくりや文化を根付かせるために、活動を続けていきます。
いわて連携復興センター
特定非営利活動法人いわて連携復興センターの瀬川さんと千葉さんには、同センターが事務局を担っている『いわてNPO災害支援ネットワーク(INDS)』の活動についてお話を伺いました。

いわてNPO災害支援ネットワーク(以下、INDS)が立ち上がったのは、2016年9月。前月に台風
10号が発生し、東日本大震災からの復興途中であった岩手県に大きな傷跡が残されました。
災害支援において、連携と協働の必要性が浮き彫りになった東日本大震災。台風10号の際も、被害が大きかった岩泉町・久慈市・宮古市で災害ボランティアセンターが設置されて熱心な復旧作業が行われたものの、なかなか連携協働まで至らなかったと言います。
「実際はそこまで現場で混乱が生じたわけではないのですが、もっと情報連携できたら役場への問い合わせが一本化されたり、それぞれのNPO団体の得意分野が発揮できる支援をお願いできたりと、より効率的・効果的な支援をできたのではないかなと考えました。広範囲の岩手県をカバーする上で、調整し合うことが重要だと思います」
このような背景から「オール岩手」での取り組みを目指して立ち上げられたのが、いわてNPO災害ネットワークです。県内のさまざまなNPOによって構成され、JVOADと一緒に広域のコーディネートに動くこともあれば現場で泥出しの対応に入ることもあり、被災地に応じた支援に取り組んでいます。
休眠預金活用事業に応募したのは、より安定的な活動を展開する基盤づくりのため。岩手県の広域をカバーしながら県と県の社会福祉協議会と関係構築を進める上で、休眠預金活用事業が単年度ではなく長期的であることがメリットになっていると言います。
「支援活動のための関係構築には、日常のコミュニケーションがすごく重要になってきます。休眠預金活用事業が単年ではなく3年間だからこそ、年度を超えて長期的に会議を設定できたり計画的に研修を実施できたりするのはありがたいですね」
一言に「関係構築」といえど、行政の担当者には異動があり、コロナ禍で直接顔を合わせる機会が格段に減ってしまったため、この取り組みは容易ではありません。それでも県内でINDSの名前が知られるようになったりINDSと連携できる人が増えたりと、着実に変化が見られています。
「JVOADの伴走支援があることで、県内だけでなく県外での災害対応にも参加するようになりました。そこで最新の支援方法を知れたり県外の方々とつながれたりして、岩手に持ち帰れるものがあります。防災には終わりがないので、少しずつ仲間を増やしながら、見える成果を出していきたいです」
岡山NPOセンター

岡山NPOセンターが掲げるのは「自然治癒力の高いまち」。問題が発生したら協働して解決していける。足りないところを補い合って、問題自体の発生を無くせるような「自然治癒力」を高めることが目標です。
そのため、岡山NPOセンターはNPOだけに限らず、セクターを越えて課題解決や価値創造の取組が生まれ、続いていくようにファシリテートしています。そのなかで2018年に立ち上げたのが「災害支援ネットワークおかやま」です。
2018年7月、「西日本豪雨」と呼ばれる広域に及ぶ被害をもたらした災害が発生しました。岡山NPOセンターは、発災した翌日には岡山県社会福祉協議会、岡山県と話し合い「災害支援ネットワークおかやま」を立ち上げ。ここまで迅速に動けたのは、岡山NPOセンターが平時から、行政、関係支援機関、民間団体、企業と協働で事業を通じて築き上げてきた関係性があったからです。

三者連携が進んできたとはいえ、組織文化か進め方も異なるためにまだまだ難しい行政機関と民間との災害支援に関する連携。災害支援ネットワークおかやまは平時の備えからの関係性の構築や継続を目指しています。
詩叶さんが理想的な関係を築けているケースのひとつとして挙げたのが、倉敷市一般廃棄物対策課との協働です。倉敷市の災害廃棄物の対策マニュアルの作成に参加して、訓練にも参加しましています。このようなマニュアル作成にNPOが参加したのは全国で初めてのケースだと言います。
「このような関係をどの市町村とも築けると、いつどのように発災しても、私たちから団体や企業をつなげますし、市町村も支援を受け入れられるんですよね。災害を平時の地域づくりから切り離さずに、常に地域を多面的に接続していくことが重要だと思います」
詩叶さんは休眠預金活用に参加してよかったことのひとつとして、通常の補助金では予算がつかないところにも予算をつけられる点を挙げられました。
「例えば水害時の復旧ロードマップは、デザイナーと編集者がいるからこそ、被災された住民の方に見て理解してもらえるものが完成しました。通常の助成金だと、そのように災害にデザインを持ち込むことが予算として認められないんですよね。でも休眠預金活用事業では予算として活用させていただけるので、その柔軟さがありがたいです」

普段からさまざまな部会をつくって話し合いをし、コミュニケーションを通じてアウトプットを決めている災害支援ネットワークおかやま。西日本豪雨の経験だけでなく、全国の災害中間支援組織とも連携しながら、常にアップデートした災害対応を県内外に伝えています。
全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)

ここまでご紹介してきた3団体の資金分配団体でありパートナーとして伴走を続けるのが、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)です。JVOADの鈴木さん、明城さん、小竹(しの)さん、古越さんにお話を伺いました。
JVOADは「行政」、「社会福祉協議会」、「民間の支援団体」のによる災害支援のネットワーク構築のモデル化を目指しながら、全国域の災害中間支援組織と連携して情報共有を図っています。
「災害の文脈で『中間支援組織』について行政から語られるようになったのは、2018年の西日本豪雨の頃からです。それでも『中間支援組織』とは何なのか、どこまで何をやるのか定義されていないため、手探りで進めています。各地の災害に関する中間支援組織が目指すイメージもさまざまなので、まずは休眠預金を活用されている3道県と一緒に、目指すあり方を積み上げているところです」
JVOADは全国域の災害中間支援組織であり、先の3団体は県域の災害中間支援組織であるため、対応する範囲は違えど、同じ課題意識を持っているパートナー。
3団体が休眠預金活用事業を終えるのは、2023年3月。残り半年の活動期間で、3団体が積み重ねてきた活動を可視化したいと考えています。
「モデルとなる中核的災害支援ネットワークを確立し、三者連携の必要な要素を可視化することを休眠預金活用事業では目指しているので、3団体の皆さんが取り組んでこられたことをまとめていきたいと思います。災害中間支援組織の活動内容をできるだけわかりやすく伝えることで、この活動を他の地域へも展開したいと思っていただけるように橋渡ししたいです」
ゆくゆくは、全国47都道府県に災害中間支援組織がある状態を目指しているJVOAD。各地域で始まっている動きをサポートできるよう取り組んでいきたいです。
取材・執筆:菊池百合子
【事業基礎情報】
資金分配団体 | 特定非営利活動法人 全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD) |
助成事業 | 中核的災害支援ネットワーク構築 〜大規模災害に備え、ネットワーキングから始まる地域の支援力強化〜 〈2019年度通常枠〉 |
活動対象地域 | 全国 |
実行団体 | ★北の国災害サポートチーム 「広域・分散型 災害支援ネットワーク構築事業」 ★特定非営利活動法人いわて連携復興センター 「岩手県内の支援体制構築と支援者の育成・創出事業」 ★特定非営利活動法人岡山NPOセンター 「岡山県内市町村との連携体制と災害時支援スキームの確立事業」 |